会計事務所の志望動機と例文|面接対策についても解説
税理士が会計事務所への転職を成功させるために必要なのは、志望動機をしっかりとまとめ、面接対策を行ってから選考に臨むことです。
日本の会計事務所は年々、数が上昇しており、それぞれ得意とする領域や求める人材が異なるため、しっかりとした対策を行うことで希望の会計事務所に転職できる確率が高くなるからです。
マイナビ税理士では、志望動機の添削や面接練習などを無料で対応しております。あなたの魅力を存分にアピールするお手伝いをさせてください。
一般の会社とは異なる「会計事務所ならではの採用傾向」や「評価ポイント」を踏まえて、志望動機のまとめ方や面接の対策について詳しく解説します。
監修
マイナビ税理士編集部
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会計事務所と税理士法人の違い
面接における会計事務所と税理士法人の違いを、わかりやすく以下の3つに分けて紹介します。
・給与・待遇面
・業務量とキャリアパス
・求められる人材
給与・待遇面
全体的に、会計事務所より税理士法人のほうが給料や待遇面で恵まれている傾向にあります。
税理士法人への転職を目指した際には、その保険として個人経営の会計事務所を選んだわけではないことを、明確に伝える必要があります。
ただし、給与・待遇面だけに目を向けるだけでは対策として不十分です。たとえば、税理士法人では経験するのが難しくさまざまな仕事ができ、自分の成長につながることに加え、事務所が求めているポジションに合わせた志望動機を準備しておく必要があるといった形です。
会計事務所や税理士事務所の求人内容をよく読み込み、該当する事務所を研究しましょう。
業務量とキャリアパス
税理士法人では、法人税部門や資産税部門などの部署へ配属され、その部署で成果をあげることを求められます。
一方で、個人経営の会計事務所では人数が少ないため、一人で多くの業務をこなす必要があります。そのため、多くのことを学びたい人や、自分自身の成長へつなげたい人に向いているでしょう。
新しく入ってくれる人に求めるものは、それぞれの事務所の事情によって異なります。顧客を引き継いでくれる後継者的な存在を求めていることもあれば、所長先生がほかの仕事で忙しく、事務所を支えてくれる番頭的な存在を求めていることもあります。
あるいは、共同経営者として事務所を動かしてほしいというケースもあるでしょう。
求められる人材
税理士法人では、組織の一員として働ける人材を求めます。税理士としての独立・開業を嫌う傾向があり、組織に属して働きたい人に向いています。
一方でok人経営の会計事務所では徒弟制度的な雰囲気が残っていて、所長先生が社員の独立を後押ししてくれることもあります。どちらかというと独立志向のある人向けです。
なお、個人経営の会計事務所で税理士補助ではなく、税理士そのものを求めている場合は、副署長クラスの人材を想定している可能性がありますので覚えておくとよいでしょう。
会計事務所の就職・転職事情
個人が経営する会計事務所を取り巻く環境として、現状の就職・転職事情を以下に分けて解説します。
・税理士法人の増加
・税理士を目指す人の減少
・仕事量の増加
・高齢化による後継者問題
・AIに負けない付加価値
税理士法人の増加
平成13年に設立が認められた税理士法人は、平成26年1月には2,688社、平成29年6月には3,561社と、年を追うごとにその数が増え続けています。
税理士法人は資金力があり、比較的よい条件で求人を出すので人材が流れる傾向にあります。
税理士を目指す人の減少
税理士試験の受験者数および合格者数は、減少し続けています。平成24年には受験者数48,123人、合格者数1,104人だったのに対し、平成28年には受験者数35,589人、合格者数756人まで減少しました。
受験者数に関しては、ここ5年で1万人以上減少しています。今後税理士の絶対数がますます減少していくことが考えられます。
仕事量の増加
会計事務所の仕事量はここ数年増えており、その理由は2つあります。
1つは好景気による会社数の増加です。平成22年の法人数が258万6,882社に対して平成27年度の法人数は264万1,848社と5年で6万社弱増加しています。欠損法人の割合も72.8%から64.3%と改善されており、それだけ税金対策などの仕事も増えることになります。
もう1つが社会情勢の変化です。マイナンバーの導入や相続税法の改正などの影響で業務量が増加しています。
高齢化による後継者問題
平成26年度の日本税理士会連合会の調査によると、税理士全体の53.8%の人が60歳以上という結果が出ています。
会計事務所では、所長の高年齢化による後継者問題が深刻化しています。会計事務所に入り、すべての顧問先のことを理解するまでに数年はかかるため、高齢の税理士にとっては、今すぐにでも後継の税理士を見つけたいと考えています。
このように個人が経営する会計事務所の多くは、今すぐにでも転職者が欲しい状況にあります。
AIに負けない付加価値
AI技術の普及によって、今後は会計事務所の仕事が減少する可能性が高いです。
実際、個人事業主などの確定申告や税務代理業務は個人がネットで完結させるケースが増えているので、その分だけ会計事務所の業務量が減っているといえるでしょう。
また、世界に目を向けると、IT先進国であるエストニアのように、すでに個人向けの税理士業務がなくなってしまったという実例も多く見られます。
これからの会計業界では、「税務申告・会計処理」という単純スキルしか保有していない人材は転職市場で不利に扱われるリスクが高いです。なぜなら、単純作業・機械的な業務はAI処理で代替できるからです。
ですから、これからの会計業界で生き抜くには「AIに代替されない付加価値スキル」を身に付ける必要があると考えられます。
たとえば、会計処理データに基づく事業展開サポート、M&Aの仲介サービス、AIでは単純処理できない経営判断アドバイスなど、クライアントに「プラスαのメリット」を提供できる人材を目標にしましょう。
会計事務所の志望動機のポイント5つ
それでは、会計事務所への転職活動のスタートラインである「志望動機」のポイントについて、具体的に見ていきましょう。
志望動機を作成するときに意識するべきポイントは次の5点です。
・「志望理由」を明確にする
・自分の強み・長所を棚卸しする
・希望業務や目標キャリアをはっきりさせる
・提出する書類は戦略的に作成する
・各会計事務所の特徴・専門分野を事前調査する
志望した理由を明確にする
志望動機の根幹部分に位置付けられるのが「なぜ当該会計事務所を志望したのか」という点です。
そもそも、世の中に多く存在する会計事務所のなかから、「どのような理由で当該会計事務所を選択したのか」「なぜ当該会計事務所でなければならないのか」がはっきりしなければ、採用担当者の納得を引き出すことはできません。
これでは、説得的な志望動機に値せず、内定には繋がりにくいでしょう。
また、志望理由が明確になれば、「自分のキャリアパス・行動指針」がはっきりするという意味でもメリットが大きいです。
明確な行動指針がない状態で闇雲に転職活動をつづけても時間が無駄になるだけです。自分の行動を明確化するため、そして、相手に自分の気持ちがまっすぐ伝わるようにするために、志望理由の明確化・ブラッシュアップには時間を割きましょう。
強みや長所を棚卸しする
説得力のある志望動機を作成するには、自分の強み・長所などのアピールポイントを事前に明確化する必要があります。
というのも、「私には〇〇というスキル・経験がある。この長所は御社で活かせる。だから、御社を志望した」という形で説得材料になるからです。
たとえば、過去の職場における業務経験や保有している資格などをできるだけ細かく振り返ってみましょう。また、自分の特技や性格など、直接「会計・経理」に関係のないところからも、自分の長所が見つかる可能性があります。
会計業界だけではなく、すべての転職活動において「自分自身のフィードバック」は重要作業のひとつです。自分の能力を最大限発揮できる転職先を見つけるために、志望動機作成前に「スキルの棚卸し」に時間を使いましょう。
目標のキャリアを決めておく
志望動機を作成する準備段階として、目標キャリアや希望業務をはっきりさせるステップも重要です。
たとえば、「大企業相手のアドバイザリーサービスのスペシャリストになりたい」というキャリア志向の人にとって、個人経営の会計事務所と相性が悪いのは言うまでもないでしょう。
このような希望キャリアを抱いている人の場合、比較的規模の大きい税理士法人や監査法人をターゲットにして、「希望キャリアを実現しやすい転職先」を選ぶべきだと考えられます。
会計業界において、転職は「終の棲家」を決める作業ではなく、「生涯キャリアの充実に役立つツール」のひとつです。自分の希望を最大限実現するために、まずは自分の目標・希望を明確にすることからスタートしましょう。
書類は戦略的に作成する
会計事務所への転職を希望するなら、志望動機を含めて、最初の提出書類から戦略的に転職活動を進める必要があります。
というのも、会計事務所の求職案件には多数の応募者が同時に集中することが多く、書類選考の段階でふるいにかけられるからです。書類に不備があったり、志望動機が不明瞭で熱意が伝わらなかったりすると、書類選考で落とされて面接でアピールする機会自体が失われます。
ですから、スキルの棚卸し・会計事務所の情報収集だけではなく、作成した志望動機書のブラッシュアップや面接練習、質疑応答のフィードバックなど、隙のない転職活動を実施するように努めましょう。
各会計事務所の専門分野を調べる
会計事務所に事業規模・専門分野はさまざまなので、志望キャリアや希望業務内容と相性の良い会計事務所をピックアップするのがポイントです。
特に、近年では、会計事務所・税理士法人は業界内での生き残りをかけて差別化を図っているので、内定を獲得するには「会計事務所側のニーズにハマる人材」になる必要があると考えられます。
たとえば、事業規模が多い会計事務所のメインクライアントは中小規模以上の企業ですし、個人経営の会計事務所なら個人事業主などの一般向け税務サービスが中心でしょう。
また、相続や譲渡所得などの資産税が強い、国際税務やM&Aサービスなどの専門性に特化している、株式上場支援のようにベンチャー企業を対象にしているなど、会計事務所・税理士法人ごとに業務内容はさまざまです。
ですから、目にとまった会計事務所すべてに応募するのではなく、情報収集して「自分と相性が良いと判断できるターゲット」を絞って転職活動を実施するのが効果的でしょう。
会計事務所の志望動機での注意点
それでは、会計事務所に提出する志望動機書について、作成段階の注意点を5点紹介します。
・曖昧な記載内容は避ける
・マイナス思考は表に出さずにポジティブな内容で攻める
・「数字が得意」「税務が好き」は当たり前、プラスαの強みを記載する
・「欠点」をそのまま記載せずに表現方法を工夫する
・応募書類をコピーして転用するのは厳禁
曖昧なアピールはしない
志望動機書の記載内容はできるだけ具体的かつ明確にしましょう。
曖昧なアピールは無に等しいだけにとどまらず、「思考を明確に言語化できない人だ」「抽象的な物事しか語れないということは何も考えていないことの証左だろう」など、悪印象につながるだけです。
ですから、志望動機の記載内容や採用面接時の質疑応答は、納得・説得につながる端的な内容を心がけましょう。
マイナス思考は表に出さない
志望動機書や面接の場面では、マイナス思考を表に出すのは厳禁です。
もちろん、「マイナス思考」という考え方自体は否定されるものではありません。「マイナス思考だから慎重な姿勢で物事に向き合える」「マイナス思考だから着実な人生計画を設計できる」というように、マイナス思考が大きなメリットをもたらすという側面があるのは事実でしょう。
ただし、「転職活動」という場面に限定すると、「マイナス思考の性質は人事担当者からの高評価に繋がりにくい」という傾向が強いです。なぜなら、会計事務所側が求める主な人物像は、「事務所にメリットをもたらす人材」「前向きな気持ちで意欲的に業務に携わってくれる人材」だからです。
ですから、志望動機書内でネガティブ思想をうかがわせるような記載内容は控えるべきですし、実際の面接時にもネガティブな印象を抱かせかねない仕草や表情は避けるべきでしょう。
数字が得意だけで終わらない
「数的処理が得意」「経理業務が好き」という記載内容だけではアピールとして不足しています。なぜなら、会計事務所で働くにあたって、数的処理が得意で業務内容が好きなのは当たり前のことだからです。
苦手な仕事、好きでもない職場にわざわざ転職活動をする必要はありませんし、会計事務所側もそのような人材を欲しいと思うわけがありません。
したがって、説得的な志望動機を作成するには、「数的処理が得意」「業務が好き」という抽象的な記載内容をさらに具体化するか、プラスαの付加価値的スキルをアピールするように心がけましょう。また、スキルや経験の裏付けとなる資格を取得するのも効果的なアピール方法だと考えられます。
欠点をそのまま伝えない
志望動機書の記載内容に困ったときは、「自分の欠点をピックアップした後、別の観点からその欠点を表現し直す」という方法が効果的です。
たとえば、今まで職を転々としている場合、「過去、職場を転々としているのは、今までの職場と相性が合わず、辞めざるを得なかった」とバカ正直に記載するべきではありません。
「飽きっぽい、性格に問題がある、根気がない」というように、会計事務所側からマイナスなイメージを抱かれる可能性が高いからです。
このケースでは、「多種多様な業務経験を積みたいと考えた」という意欲的な動機に言い換えるのが適切でしょう。
転職活動では、嘘・誇張は避けるべきですが、表現方法の工夫は戦略的に取り組むべき方策です。何もかもを包み隠さず表現する愚直さは自分の首を絞めるだけなので、上手に転職活動を進められるような工夫を凝らしましょう。
応募書類はコピーして使わない
転職活動では一般的な礼儀作法を尽くすことを忘れてはいけません。たとえば、服装や清潔感、言葉遣いなど、社会人として当然求められるラインはクリアしましょう。
また、志望動機関連で挙げるなら、応募書類の使い回しは厳禁です。転職先ごとに履歴書・志望動機書を手書きするのは労力のかかる作業ですが、たとえば、コピーした書類をそのまま送りつけられても、「熱意がない応募者だ」というネガティブ印象につながるだけでしょう。
志望動機などの応募書類は、各会計事務所の特徴や経営方針を踏まえて記載するものです。使いまわしても説得的な志望動機は作成できないので、収集した情報を踏まえて丁寧に作成してください。
会計事務所の志望動機の例文
志望動機はポイントを押さえて記載する必要がありますが、自分で作成した志望動機が本当に通用するか客観的な判断は簡単ではありません。
ここからは、会計事務所に提出する志望動機の具体例を紹介します。状況別に志望動機の例文について解説するので、ご自身の立場に合った例文を参考にしてください。
【未経験・新卒の志望動】
貴事務所のHPを拝見し、経営理念に「中小企業経営者のパートナーとして貢献すること」と掲げられている点に共感いたしました。
私は、設備メーカーの法人営業職として3年間勤務してきました。そして、法人担当者の方との関わりを通じて、企業における節税対策・資金繰りがいかに重要かを痛感いたしました。
モノ・サービスを提供して対価を得ることだけが重要なのではなく、商品を提供するための土壌を整備すること自体がいかに重要かを理解できたのは、私の経験のなかで重要な財産です。
企業が抱える課題や問題意識に通じているという私の経験は、「中小企業のパートナーとして貢献する」という貴事務所の理念と合致するはずです。
節税対策や資金繰りなど、あらゆる観点からクライアントニーズを最大化するために、貴事務所において日々研鑽を積みたいと考えています。
解説
未経験・新卒の志望動機では、会計関係知識をアピールするのが難しい以上、別の角度から説得力を与える道を模索するしかありません。
ですから、「なぜ他業界で培ったスキル・経験が当該会計事務所を志望する動機になったのか」を明確化するのがポイントです。
会計事務所のHPやパンフレットなどをチェックすれば、企業理念や業務内容が具体的に見えてくるはずです。
スキルの棚卸しが終わったら、自分の知識・経験と連続性のある会計事務所を見つけ出して、説得的な志望動機を作成しましょう。
【パートの志望動機】
現在、私は子育てと日商簿記2級の勉強を並行しています。
どうしても子育てに時間を取られるためパートでの応募となりますが、子育てがひと段落した後は、将来的に税理士試験に挑戦してキャリアアップを目指したいと希望しております。
貴事務所のHPを拝見したところ、従業員のワークライフバランスや受験生のサポート体制充実などを掲げられている点を魅力に感じました。
現在の簿記知識は貴事務所の業務にも活かせると考えておりますし、また、業務を通じて習得したスキルをさらにハイレベルなサービス提供に還元したい所存です。
解説
事業会社のパート職とは異なり、会計事務所のパート職は経理関係の知識があった方が採用に至りやすいという傾向が見られます。
したがって、現在保有している会計関係の知識があるなら積極的にアピールした方が好印象ですし、将来的に税理士・公認会計士などへのキャリアアップを希望しているのなら、包み隠さず伝えた方が「意欲的な人だ」と受け取ってもらいやすいでしょう。
ただし、「子育てしながら働きやすい」「家事との両立に便利」など、求職者側の事情だけを記載するだけでは不十分です。
パート求人とはいえ、「自分を採用すれば会計事務所側にどのようなメリットがあるのか」をしっかりアピールしましょう。
【転職の志望動機】
数的処理のスピードと正確性に自信があるので、未経験ながら会計業務へのチャレンジを希望しています。特に、貴事務所は、業界未経験者への教育体制・セミナーなどを積極的に実施されている点も魅力に感じました。
また、前職において細かい作業を繰り返す経験を積んでいること、お客様とのコミュニケーション機会に恵まれていたことから、貴事務所の提供サービスにも資することができるのではないかと考えています。
貴事務所に採用いただけたのなら、基本業務の早期習得に尽力し、難易度の高い業務にも積極的に関わっていく所存です。
解説
会計事務所に提出する志望動機では、会計知識以外にもアピールポイントがあると高評価を得やすいです。
たとえば、コミュニケーション能力や基本的な数的処理能力、反復業務に対する耐性など、会計業界で役立つスキル・素質は多数存在します。
ターゲット会計事務所の特色と上手に絡めながら、自分の強みを全面に押し出した志望動機を作成しましょう。
【コミュニケーション能力の志望動機】
貴事務所のHPを拝見したところ、クライアント様の要望を直接聞き取る機会を積極的に作っていらっしゃる点を魅力に感じました。
私には、大学時代にサークル団体を立ち上げて3年間代表を務めたという経験があります。
もちろん、学生たちをまとめあげるのにも大変苦労したのですが、それ以上に、大学やスポンサー企業との交渉・折衝の難しさを肌で感じました。
相手側の状況や意向を汲み取る能力、言葉の裏に隠された意図を読み解く能力など、数々の貴重な経験を通じてさまざまなスキルを獲得できたと自負しております。
貴事務所でこの経験を活かすことができれば、クライアント様の要望などを正確に汲み取り、最善の税務サービス・経営判断アドバイスを提供できると考えております。
解説
「コミュニケーション能力」は志望動機に挙げられる頻度の高いアピールポイントですが、だからこそ、明確な根拠を示さなければほかの求職者との差別化に成功しないでしょう。
たとえば、「私にはコミュニケーション能力があります」と記載しただけでは何の説得力ももちません。
採用担当官によっては、「どのようなコミュニケーション能力があるのか』を知りたいのに、そこに踏み込めないということは、嘘をついているかコミュニケーション能力が欠けているかのどちらかだ」というように、穿った見方をされるリスクが生じかねません。
したがって、「コミュニケーション能力」のような漠然とした概念を記載するのなら、論拠付け・実績などを併記することをおすすめします。
【コンサルティングの志望動機】
貴事務所のHPを拝見したところ、顧客の経営課題の抽出・解決策の提示に力を入れている点を魅力に感じました。
私は、会計事務所での業務を通じて、「一般税務サービスの提供」という範囲にとどまらず、クライアント企業様の経営課題に向き合い、経営状況の改善を達成したいと考えております。
税務という切り口だからこそ、なかなか顕在化しにくい経営課題も赤裸々にできると確信しています。
貴事務所における会計業務は質の高さがうかがえるため、顧客様に満足度の高いコンサルティングサービスを提供できるのではないかと期待しております。
解説
近年、会計事務所の業務内容も差別化が進んでいるため、コンサルティングサービスに力を入れている事務所も増えています。
そして、税務代理・税務書類の作成などのルーティーンワークではないため、「顧客の希望を実現したい」「課題を抽出する能力がある」というような特別な熱意・スキルが求められる傾向が強いです。
したがって、コンサルティングサービスを提供する会計事務所を希望する場合には、一般税務とは異なるスキルをアピールしたり、会計事務所が欲する人物像にフォーカスしたりするのがポイントといえるでしょう。
【前職の経験を活かした志望動機】
私はレストランでの接客経験を通じて獲得したコミュニケーション能力を会計事務所の業務に活かしたいと考えています。
貴事務所のHPを拝見したところ、「顧客の笑顔を第一に」という標語が掲げられていたのが印象的でした。
というのも、私は、税務という専門性の高いサービスを切り口にすれば、クライアント企業が抱える経営課題を克服できると考えていたからです。
過去に培ったコミュニケーション能力を活かせば経営者が抱える悩みや不安を引き出すことができますし、そこに「税務」という専門性が加わればクライアント企業の経営状況を抜本的に改善できると確信しています。
解説
前職の経験、特に、会計業界とは無関係な経験をアピールするときには、「前職のスキルが会計事務所で役立つ理由」を明確化するのがポイントです。
なぜなら、どれだけ優れたスキル・知識があったとしても、会計事務所で活かしようがなければ採用インセンティブは働かないからです。
もちろん、「会計事務所で活かせる前職の経験」となると、かなり限定的なものになるのは仕方がありません。
したがって、前職の経験を転職活動で活かすには、コミュニケーション能力・やる気がある・業務処理スピードが高い・勉強が得意など、どの業界でも通用する長所に引き直して志望動機に記載するのがおすすめです。
【知識欲の志望動機】
貴事務所のHPを拝見したところ、「当会計事務所では多種多様で先駆的な業務にもチャレンジできる」という記載に魅力を感じました。
たとえば、積極的に最新ツールを有効活用して顧客に最先端のサービスを提供している点は、会計業界に押し寄せるデジタル化・IT化の波を上手く取り入れていると思われます。貴事務所で働くことができれば、ITへの造形を深められるのではないかと期待に胸が膨らむばかりです。
また、海外事業を展開する顧客割合の多さから、視野の広さも感じ取れます。幼少期から英語を使う環境におりましたので、持ち前の語学力を活かせると確信しています。
解説
「当該会計事務所に入所すれば自分が成長できる」という側面と「自分が入所すれば会計事務所にメリットがある」という側面は関係性が深いです。
というのも、会計事務所に転職した後、さまざまな業務経験を通じてスキルアップすれば、難易度の高い案件もどんどん処理できるようになるので、結果として会計事務所のメリットになるからです。
したがって、会計事務所の業務内容に魅力を感じたことを伝えたい場合には、「自分の成長」という観点で魅力をアピールするのがおすすめです。
ただし、いわゆる「即戦力人材」を希望している会計事務所ではこの手は通じにくいのでご注意ください。
【会計知識の志望動機】
私は、現在保有している会計の知識を貴事務所の業務に活かしたいと考えています。
大学時代に経済学部に在学していたこと、大学時代から税理士試験を目指して勉強をしていたことから、すでに基本的な会計事務全般のスキルは備えています。
また、大学時代は受験勉強と並行しながら会計事務所でアルバイトもしていたので、会計事務所における実務の流れも理解しています。
貴事務所においては、会計事務の知識・経験を通じて、クライアント最優先のサービスを提供したいと考えています。
解説
会計事務所の転職活動で有利な材料になるのは、会計業界におけるスキル・経験です。日商簿記検定や税理士試験の科目合格などの実績があるなら、ぜひ全面に押し出して自分の能力をアピールしましょう。
ほかにも、経済学部や商学部などに在学していたこと、公認会計士試験を目指していた過去があることなど、転職活動で役立つ資格・スキルはさまざまです。
転職エージェントに相談すれば、自分のキャリア・学歴などのなかから、どのようなポイントが転職活動で使えるかを客観的に判断してくれるので、ご自身だけで判断するのが難しいならぜひご相談ください。
【向上心の志望動機】
貴事務所に入社できれば、自分の経験を活かしながらさらに成長できると確信しています。
たとえば、貴事務所のHPを拝見したところ、国際税務などの専門的なサービスに力を入れていると記載されていました。
私は、大学時代から英語に力を入れて勉強しており、直近のTOEICスコアは910点で、大学時代には半年アメリカに語学留学もしていました。
顧客のグローバル化支援に英語力は活かせますし、海外展開するクライアント企業様の様子を日々拝見することで、私自身の視野を広げ、ほかの事務所では経験できない業務にもチャレンジできると考えています。
解説
どのような状況の転職活動であったとしても、志望動機を通じて「向上心」をアピールするのは大切なことです。
もちろん、そのまま「私には向上心があります」と記載すると浅薄なイメージになりかねません。
そこで、会計事務所が力を入れている業務内容やほかの事務所にはない魅力を使って、「学びたい」「経験したい」というニュアンスで「向上心をうかがわせる」のがポイントです。
どの会計事務所も成長可能性があって意欲の豊富な人材は魅力的に映るので、ポジティブにやる気を伝えましょう。
【正確性の志望動機】
私の強みは、大学3回生段階で日商簿記1級を取得したことです。また、現在は税理士試験を受験中で、2科目について科目合格をしております。
したがって、正確性が求められる会計事務所の業務でも、ミスなくスピーディーに処理できると確信しています。
貴事務所では未経験者にも手厚い指導をされていると伺っております。誠心誠意実務に慣れるよう努力いたしますので、ぜひ貴事務所に入社させていただきたく存じます。
解説
会計事務所では、業務の正確性と処理スピードが重視される傾向が強いです。正確性・スピードに自信があるという人は、具体的な論拠を示しながら自分のスキルをアピールしましょう。
たとえば、すでに日商簿記1級レベルを取得していたり、税理士試験に科目合格していたりするなら、業務との親和性も高いため、転職活動時に高評価を受けやすいです。
会計事務所に就職・転職するための面接対策
会計事務所に就職・転職するための面接対策を、以下の4つに分けて解説します。
・面接の服装
・退職理由
・前職までの経験
・コミュニケーション能力
面接の服装
会計事務所は、一般企業よりも保守的な傾向があります。服装についても同様で、男性の場合スーツにネクタイとし、その色味にも注意が必要です。
スーツは派手な色や模様が付いているものではなく、無地で色は黒か紺が安心でしょう。
ネクタイも派手な色や模様が付いたものは避けた方が無難です。女性の場合はパンツでもスカートでも構いませんが、上はシンプルなジャケットを着用したほうがよいでしょう。
退職理由
税理士業界は一般企業より人の移動が激しいといわれています。そのため、前職の退職理由を細かく聞かれることも多くあります。
一般企業に勤めながら税理士の資格を取得し、税理士の仕事に専念するための転職であればそのまま伝えて問題ありません。
前職が会計事務所である場合は注意が必要です。前職場に不満があって辞めたとしても、例えば前職の事務所では経験できないことが経験できるなど、ポジティブに伝わるように話す必要があります。
前職までの経験
税理士は、知識だけでなく経験が必要になる職業です。税務的なことでも、経験していないと全く分からないということも多くあります。
そのため、前職までの経験を客観的にしっかりと話せるように整理しておけば、好印象を持たれるでしょう。
コミュニケーション能力
昨今の会計事務所は顧問先との積極的なコミュニケーションをとることが必要です。そのためコミュニケーション能力があるかどうかも、採用基準の大きな割合を占めています。
こちらから質問することも大事な能力のため、質問があるかどうか聞かれたときは積極的に質問するようにしましょう。
ただし、求人票に記載してある内容などを質問してしまうとマイナスとなる可能性があるので、あらかじめ面接を受ける事務所のことを研究しておく必要があります。
会計事務所の志望動機に関するFAQ
さいごに、会計事務所の志望動機に関するよくある質問へまとめて回答します。
・会計事務所は何をするところ?
・Big4税理士法人の志望動機は?
・会計事務所の魅力は?
会計事務所は何をするところ?
会計事務所は、税理士や公認会計士の独占業務を基本とし、税務・会計業務に加えてそれらに必要とする業務を顧客へ提供するサービス業です。
たとえば一般的な事業会社の経理・税務部門であれば、自社および関連会社に必要な経理業務を実施します。一方で、会計事務所では収益事業として、企業や個人事業主を顧客とし、税務代行や経理業務などのサービスを提供するわけです。
こうした会計事務所(税理士事務所を含む)業務については、以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
Big4税理士法人の志望動機は?
Big4税理士法人の志望動機は、スキルを転職先で活かせることをアピールしたり、仕事のやり方を伝えたりします。足りない部分があれば、それを補う方法もセットでプレゼンできると、採用担当者への心象を向上できるでしょう。
なお、志望動機を作成する際には、事前に志望する法人や事業所を研究しておくことも大切です。以下のポイントを押さえて、ひとつのマナーとして試してみてください。
・軸となる業務
・事業規模
・顧問料の設定額 など
なお、志望動機については以下の記事にまとめていますので、ぜひご一読ください。
会計事務所の魅力は?
会計事務所の魅力は、以下のものが挙げられます。
・専門知識で人の役に立てる
・国の発展を支えられる
・経営者に頼りにされる など
また、年収が高かったり、独立できたりするといった働き手にとっても魅力がある業種です。
会計事務所の魅力について詳しくは、以下の記事にまとめていますのでぜひ併せてご覧ください。
関連記事
税理士という仕事のやりがいや魅力とは?
まとめ
会計事務所への転職が成功するか否かは、志望動機・面接対策などの事前準備が万全かどうかにかかっています。
転職先候補の情報を精緻に収集したうえで、どのような志望動機を作成すれば担当者に響くのかを分析しましょう。
マイナビ会計士では、あなたに合った転職先の厳選から、実際に提出する志望動機書の添削、面接対策として質疑応答の練習など、専門エージェントが丁寧に転職活動をサポートします。登録無料ですので、ぜひこの機会にお問い合わせください。
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