税理士試験
合格後の流れ

無事試験が終わると、次は合格発表となります。首尾よく合格していれば、一定の要件を満たし登録することで税理士となることができます。
ここでは合格発表の方法や税理士登録にあたり必要となる実務経験、登録の方法、税理士と試験合格者の違いについて解説していきます。

合格発表について

合格発表の時期はいつ?

合格発表は例年12月の中旬です。(平成29年度第67回税理士試験の合格発表は、平成29年12月15日(金)に行います。)

合格発表の方法

合格発表の方法としては、試験合格者、すなわち5科目合格を果たした受験者には合格証書が郵送されるとともに、発表日に官報に受験地・受験番号・氏名が、国税庁ウェブサイトには受験地・受験番号が掲載されます。そのため、5科目合格のことを官報合格と表現したりもします。

科目別試験結果
試験科目 受験者数 合格者数 28年度
合格率
簿記論 13,936人 1,753人 12.6%
財務諸表論 11,420人 1,749人 15.3%
所得税法 1,891人 253人 13.4%
法人税法 5,642人 655人 11.6%
相続税法 3,636人 454人 12.5%
消費税法 8,508人 1,104人 13.0%
酒税法 669人 84人 12.6%
国税徴収法 1,481人 171人 11.5%
固定資産税 947人 138人 14.6%
事業税 566人 73人 12.9%
住民税 549人 64人 11.7%
合格発表時期の採用活動

受験結果が出そろう12月もまた、各会計事務所の採用活動が行われます。進路が決まっていない場合、資格を得たうえで転職を考える場合などは、情報収集を前もって行い、就職・転職活動の波に乗り遅れないようにすることが肝心です。
また、この時期は2月の確定申告前で企業にとって採用しやすい時期でもありますので、絶好のタイミングといえます。

税理士登録に必要な経験実務について

税理士登録に必要な経験実務について

税理士試験に合格しても、そのままでは税理士となる資格を有するだけであり、税理士ではありません。税理士として活動するためには税理士会への登録が必要となります。ただし税理士法により登録の要件として、通算して2年以上の実務経験が必要とされています。なお、いつ実務を経験したかについては、試験合格または試験免除決定の前後を問わないとされています。

経験実務の内容

実務経験の内容については、租税に関する事務または会計に関する事務で政令で定めるものと規定されており、具体的には次のとおりです。

租税に関する事務

税理士法基本通達(3-1)により次のように定められています。

  • 税務官公署における事務のほか、そのほかの官公署および会社等における税務に関する事務。
会計に関する事務で政令に定めるもの

税理士法施行令第1条の3により次のように定められています。

  • 貸貸借対照表勘定および損益勘定を設けて計理する会計に関する事務(特別な判断を要しない機械的事務を除く)。

※特別な判断を要しない機械的事務とは、簿記会計に関する知識がなくてもできる単純な事務をいい、
電子計算機を使用して行う単純な入出力事務も含まれるとされています。
会計に関する事務は、税理士法基本通達(3-3)により、より具体的に次のように定められています。

簿記の原則に従って会計帳簿等を記録し、その会計記録に基づいて決算を行い、
財務諸表等を作成する過程において簿記会計に関する知識を必要とする事務

  1. 簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務
  2. 仕訳帳等から各勘定への転記事務
  3. 元帳を整理し、日計表または月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
  4. 決算手続に関する事務
  5. 財務諸表の作成に関する事務
  6. 帳簿組織を立案し、または原始記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務

なお、実務経験に該当するかどうかは、登録申請書および在職証明書等が提出された後、税理士会の面接等により個別に判断することになっています。

また、通算して2年以上という期間についても注意が必要です。
というのも、期間の計算方法に定めがあり、具体的には正規の雇用関係があり、原則として時間外勤務は含まない通常の勤務時間内における税務または会計に関する事務に従事していた期間を暦に従って計算することとなります。その際、従事した事務に実務経験に該当する事務以外のものが含まれている場合、その部分については実務経験に含める事ができません。そのため、実務経験に該当する事務に従事した時間のみを抽出して積上げ計算を行うことが必要となります。

【勤務時間の積上げ】

1日の従事時間:7時間
1ヶ月の従事時間:154時間
2年相当の従事時間=(154時間×24月)=3,696時間

そのため、例えば実務に従事した期間が2年間ちょうどの場合、特別の判断を要しない機械的事務に従事した期間が含まれる等の理由により、実務経験が2年に満たないと判定される可能性があります。そういった点を踏まえ、実務経験期間は余裕をもって申請することが重要です。

税理士の登録申請について

税理士となる資格を有する者が、税理士となるには、日本税理士会連合会に備える税理士名簿に、氏名、生年月日、事務所の名称および所在地そのほかの事項の登録を受けなければなりません(税理士法第18条)。

税理士登録の手順

1税理士登録申請書等の必要書類の準備
まず日本税理士連合会所定の税理士登録申請書に必要事項を記入し、さらに一定の必要書類を用意します。
必要書類の内容については独立税理士になるか、社員税理士になるか、によって異なるので日本税理士連合会のホームページを必ず確認するようにしてください。
2必要書類の提出
各自、必要な書類を登録を受けようとする税理士事務所等の所在地を含む区域に設立されている税理士会へ提出します。
3登録免許税や日本税理士連合会が定める手数料の納付
必要書類の提出の際には登録免許税の納付や日本税理士連合会が定める手数料が必要となります。
  • 登録手数料(5万円)
  • 登録免許税領収証書(6万円)
4税理士会の面接・調査
登録申請書を受理した税理士会は、副本を申請者の住所地を管轄する税務署長、市区町村および都道府県の長に送付します。
そして同時に、税理士会において面接等の必要な調査を行います。
5日本税理士会連合会の調査・審査
税理士会の調査の結果、登録申請書等は日本税理士会連合会に取り次がれ、さらに調査・審査を経ます。
6税理士登録
その結果、登録適当と認められれば、税理士名簿に登録され、同時に官報に公告されます。また、申請者に対しても同様に登録の通知がなされ、税理士会経由で税理士証票が交付されます。

税理士登録に必要な書類

【提出書類に関する注意点】
  • ここに掲載している書類等は、提出書類等のうち主なもののご案内となっております。
  • 税理士会によって提出する部数や提出内容が異なる場合があります。
  • 申請書類を作成・準備される前には必ず提出先の税理士会にお問い合わせください。
試験合格者または試験免除者が登録申請を行う場合に必要な書類
  • 税理士登録申請書(第1号様式)
  • 登録免許税領収証書(6万円)
  • 登録手数料(5万円)
  • 写真
  • 戸籍抄本または個人事項証明書
  • (世帯全員の)住民票の写し(コピーは不可)
  • 身分(身元)証明書(本籍地の市区町村が発行したもの)
  • 資格を証する書類(原本との照合確認を受ける)
  • 履歴書(第3号様式)
  • 誓約書(第4号様式)
  • 直近2年分の確定申告書のコピー(所得の内訳書を含む)または住民税の(非)課税(所得)証明書(所得の種類が確認できるもの)
  • はがき(日税連指定のもの)
  • 在職証明書(第2号様式)
  • 在職証明書に係る印鑑登録証明書
  • 源泉徴収票または確定申告書のコピー
開業税理士となる場合および登録と同時に新たに税理士法人を設立してその社員税理士となる場合に必要な書類
  • 税理士(法人)事務所の設置に関する書類
  • (勤務しているまたは勤務していた)会社の履歴事項全部証明書
  • 無職期間の生活状況説明書
  • 退職理由説明書
  • 業務執行に関する誓約書
  • 退職同意書
  • 旧姓使用承認申請書
  • 税理士法人の社員資格証明申請書
  • 社員税理士・所属税理士同意書
  • 税理士法人の定款(案)の写し
  • 登録抹消した理由および再登録する理由書
場合により提出が必要となる書類
  • 税理士事務所(税理士法人)と会計法人の関係について
  • 職務概要説明書
  • 勤務時間の積上げ計算書
  • 大学院通学状況説明書

試験合格者と税理士の違い

試験に合格しただけでは税理士として活動することはできません。税理士には税理士のみが行うことができる独占業務というものがあり、具体的には以下のものがあります。

税理士の独占業務

1税務代理
税務官公署に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法の規定に基づき、申告、申請、請求若しくは不服申立てにつき、または当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、または代行すること。
2税務書類の作成
税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、不服申立書そのほか租税に関する法令の規定に基づき作成し、かつ、税務官公署に提出する書類で財務省令で定めるものを作成すること。
3税務相談
税務官公署に対する申告等、税務代理で規定する主張若しくは陳述または申告書等の作成等に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応じること。
※電子申告の代理送信業務は税理士業務に含まれます。(税理士業務関係通達2-1)

これらの業務について、有償、無償を問わず顧客の求めに応じて実施できるのは税理士のみです。この独占業務を実施できるか否かが、試験合格者と税理士の違いとして大きなポイントとなります。

ただ、純粋にこの業務に携わるだけであれば、会計事務所等に勤務すれば、事務所の責任者となる税理士の資格によりこれらの業務を請け負いますので、補助者としてこれらの業務に携わることは可能です。
しかし、会計事務所に補助者として勤務する場合は、事務所の方針や責任者のやり方に合わせる必要があります。自らの判断で仕事を進めていくわけにはいきません。やはり、独立を視野に入れ、または事務所の責任者として自らの資格で業務を実施していくためには、試験合格だけではなく、税理士の資格が必要となります。

また、税理士の資格があれば、当然ですが税理士を名乗る事ができます。試験合格者では名刺に税理士と記載することはできません。肩書はあくまでも肩書でしかありませんが、実務において名刺が与える第一印象というものは無視できないインパクトがあります。顧客の視点からすると、試験合格者と名刺に記載されているよりも、税理士と名刺に記載されている方が、確実に信頼度は上がります。そのため、会計事務所に勤務している場合でも、多くの事務所では試験に合格すると税理士登録をすすめます。なおその際の費用負担はその会計事務所の方針次第ですが、事務所負担としてくれるところもあります。

他方で、一般企業に勤務している場合は、税理士登録をすすめられるかはケースバイケースとなります。社内的に税理士という公的資格が評価の対象となる場合もありますが、外部向けの仕事をするわけではないため、税理士の名称がなくてもさして変わらないという場合もあります。税理士登録を行うと、年会費等の一定の費用や研修の受講義務も発生するため、それぞれの必要性によって登録すべきか判断するのが望ましいといえます。

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