税理士になるなら大学院の税法免除がおすすめ?大学院の選び方などを解説

税理士になるなら大学院の税法免除がおすすめ?大学院の選び方などを解説

税理士資格を取得する方法には、税理士試験で5科目合格する以外に、大学院における税法の研究により税法科目の一部が免除される「税法免除」制度を利用する方法もあります。この記事では、税法免除を活用して税理士になることがおすすめの理由、税法免除を受けるための大学院の選び方、大学院合格後の入学準備、大学院終了後から税理士登録申請までの流れについて詳しく解説します。

内山 智絵

内山 智絵

公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナー

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所で上場企業の法定監査などに10年ほど従事した後、出産・育児をきっかけに退職。2021年春に個人で会計事務所を開業し、中小監査法人での監査業務を継続しつつ、起業女性の会計・税務サポートなどを中心に行っている。

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税法免除で税理士になるには?

まずは、大学院進学による税法免除で税理士になる流れ、税理士になるなら税法免除がおすすめの理由、税法免除を受けるための大学院の要件と注意点を解説します。

税理士試験の「税法免除」とは?

税理士試験には、大学院で特定の研究を行って修士号を取得することで、試験科目の免除を受けられる制度があります。税法科目の場合、大学院において税法に属する科目の研究で学位を授与され、国税審議会の認定を受けることで税法科目2科目に合格したものとみなされ、試験が免除されます。なお、これを「税法免除」といいます。

参照:税理士試験 試験科目の免除について|国税庁ホームページ

税理士になるなら税法免除がおすすめの理由

税理士試験で5科目合格すれば、税理士となる資格を得ることができます。しかし、税理士試験は年1回しか開催されず、少なからず運に左右される部分もあるでしょう。そのため、短期間で確実に合格するのは困難です。また、各科目の分量や難易度は均一ではなく、分量が多く難易度が高い法人税法、または所得税法の少なくとも1科目に合格しない限り5科目合格にはなりません。
この点、税法免除であれば、高い確率で税法科目の2科目免除を受けることができます。さらに、残りの税法科目は法人税法や所得税法である必要がありません。たとえば、分量の比較的少ない国税徴収法や酒税法でも構わないので、効率的に税理士試験をパスすることが可能です。このことから、労力と時間をかけず確実に税理士になりたいのであれば、税法免除のルートがおすすめと言えます。

税法免除を受けるための大学院の要件と注意点

税法免除を受けるためには、大学院において所得税法や法人税法などの税法に属する科目等の単位を4単位以上履修し、かつ税法に属する科目等の研究により学位を授与されていることが必要です。そのため、税法に属する科目等の講義が開講されていない、あるいは税法に属する科目等の研究を指導する教官がいない大学院では、税法免除を受けることはできません。なお、ここでいう「税法に属する科目等の研究」は、研究の主たる関心が税法に属する科目等にあるとはいえる必要があります。たとえば、数学的処理や統計的処理に主たる関心を置いた研究、金融商品取引法上の有価証券店頭デリバティブの研究、地方自治体への財源委譲の研究、外国の租税制度あるいは我が国の過去の租税制度の研究は、いずれも「税法に属する科目等の研究」には該当しない点にもご注意ください。
さらに、税法免除を受けるためには、税法科目1科目に合格している必要がある点にも注意しましょう。もっとも、1科目合格が必要なのは大学院進学時点ではなく、国税審議会への認定申請時点です。そのため、大学院に進学した後に1科目合格するというスケジュールでも問題ありません。

参照:税理士試験 改正税理士法の「学位による試験科目免除」制度のQ&A|国税庁ホームページ

税法免除を狙うならここをチェック!大学院選びのポイント

続いて、大学院選びで重視すべきポイントについて解説します。

税法免除の実績がある大学院を選ぶ

税法免除を狙うにあたってもっとも重要なのは、税法免除を受けた実績が豊富な大学院および研究科か否かです。税法免除の実績を、ホームページで積極的に公表している大学院もあります。私立に多く見られ、それであればわかりやすいでしょう。しかし、国公立の大学院はホームページで実績を公表していないこともあるので、大学院に直接問い合わせることをおすすめします。
また、同じ大学院でも研究科によって、税法免除の実績有無に差があるケースも少なくありません。大学院だけでなく、研究科の実績も確認するようにしましょう。

社会人には特に重要 講義時間・形態をチェック

大学院を卒業するためには修士論文の完成だけでなく、講義に出席して卒業までに必要な単位を取得する必要があります。学部生がそのまま大学院に進学するケースは別ですが、社会人なら講義時間や講義形態を事前に確認して、継続的に講義を受講できるかどうかをチェックしましょう。平日夜や土日に講義が開講されていて、かつオンラインでの参加が可能な大学院であれば、平日の日中に時間がとれない社会人でも無理なく講義に参加できます。

学費・場所・サポート体制も重要な判断基準

大学院を選ぶにあたっては前述したポイント以外にも、学費の安さ、勤務先や自宅からの通いやすさ、税法免除申請サポートの有無などを総合的に考慮するとよいでしょう。一般的に土日講義やオンライン講義は、国公立大学よりも私立大学の方が積極的に取り入れています。一方で、学費は国公立大学の方が低い傾向にあるでしょう。何を重視するかは、ご自身の状況や環境によって異なります。そのため、家族に相談したり、知り合いに大学院へ通っている人がいれば話を聞いてみたりするのもおすすめです。

大学院合格後にやるべき入学準備

先ほど解説したとおり、大学院は修士論文の完成だけでなく、講義に出席して必要な単位を取得しないと卒業できません。大学院の講義は学部レベルの知識や英語力を持っていることを前提に行われるため、講義についていけるだけの前提知識は、入学準備期間中に修得したほうがよいでしょう。特に、出身学部と大学院の研究科が異なるケース、たとえば法学部卒業ではない人が法学研究科に入学したり、経済学部卒業ではない人が経済学研究科に入学したりする場合は、その分野の基本書を通読して前提知識をインプットすることをおすすめします。

大学院修了後の流れ

最後に、大学院修了後の流れを解説します。

国税審議会からの通知

税法免除は、大学院修了によって受けられるものではありません。一定の申請書を国税審議会へ提出した上で、国税審議会から免除通知が届くのを待つ必要があります。申請から免除通知の受領までに要する期間は公表されていませんが、過去の実績からは、概ね半年から1年ほどの期間を要すると考えられるでしょう。

税理士登録の申請

免除通知を受けたら税理士登録の申請を行うことができます。申請に必要な書類は全員に共通のものもありますが、各人の状況などによって提出の要否が変わる書類もありますので注意してください。日本税理士会連合会が発行している「税理士登録の手引」を確認しながら、申請手続きを進めるようにしましょう

参照:「税理士登録の手引」について|日本税理士会連合会ホームページ

まとめ

税法免除は、大学院での税法に関する研究により税法科目を免除される制度です。この制度を活用することによって、労力と時間をかけず効率的に税理士資格を得ることができます。ただし、税法免除はどこの大学院でも受けられるわけではありません。税理士資格の取得を目指すなら、税法免除の実績がある大学院の研究科を選ぶことが重要です。

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