税理士試験の合格発表から就職・転職する方法は?スケジュールとポイントも【前編】

・「税理士試験の合格発表まで、まだ4か月以上ある」
・「大学生なら卒業までに時間があるから、ゆっくり就活すればいい」
・「とりあえず合格発表の11月下旬を待とう」
そのような風に考えていませんか?なかには、すでに合格発表の11月下旬を迎えている方もいるでしょう。
通常、税理士試験の合格を見据えた転職活動には、意外と時間がかかります。特に9月以降は、税理士資格保有者や科目合格者の採用が本格化し、優良求人の競争が激しくなりやすいです。
そこで本記事では、税理士試験の合格発表前後の転職活動において、いつ、どのようなアクションを取るべきかを具体的に解説します。自己採点で手応えを感じている方、良い条件の職場で働きたいという方は、ぜひ最後までご一読ください。
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監修
マイナビ税理士編集部
マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。
目次
税理士試験の合格発表からの就職・転職はいつから?
税理士試験の合格発表を待つ今こそ、転職活動をはじめるベストタイミングです。年末調整や確定申告などの繁忙期に向けて、9月から10月にかけて採用を決定したい企業によって、8月から求人が出回りはじめて9月に入ると急激に求人数が増加するからです。
11月下旬の合格発表を待ってからの活動開始では、希望する事務所への転職の機会を逃してしまうことが多くなってしまいます。もし、合格発表を見てから動きだしている場合でも、今からでもスタートを切りましょう。
『既に準備を整えた求職者たちによって優良事務所の採用枠は早々に埋まってしまう』と考えていますぐ行動を起こすことが大切です。
早めに就職・転職活動をはじめる理由
税理士としてのキャリアを築くうえで高い年収や将来性を考えているあなたなら、少しでも良い条件を出している企業を選びたいはずです。悩んでいるうちに遅くなるほど、優良企業の採用枠が早期に埋まることで、条件面での妥協を強いられるケースも少なくありません。
ただし、焦って決めることは「就活から逃げる」という一時的な解決策にはなりますが、長期的にはキャリアの成長を妨げる可能性があります。また、せっかく良い条件だと思ったのに実情は異なっていた、といったミスマッチも引き起こしかねません。
このような状況を避けるためにも、ぜひマイナビ税理士のキャリアアドバイザーへご相談ください。非公開求人や、現状に合った求人情報を得られるだけでなく、プロのアドバイスで今からでも納得できる転職活動を強力にサポートいたします。
本気で目指したい税理士のキャリアがあるなら、時間は多くありません。
税理士としてのキャリアプランを一緒に考えましょう!
税理士市場の動向は9月から採用活動が本格化
税理士試験が終わる8月以降、特に9月からは採用活動が本格化し、税理士事務所や会計事務所からの求人が急増するなど税理士市場は急速に動きだします。この状況下で、優秀な求職者の多くは試験終了直後から準備をはじめており、9月には既に転職活動に入って採用試験・面接を受けたという人もいるでしょう。
「税理士業界は売り手市場で、慢性的な人材不足が続いているから合格発表後でいいや」
このように考えている方は、ライバルに後れを取っている状態といえるでしょう。だからといって、ダメということではありません。あなたがこの瞬間、現状を把握することから、就職・転職活動はスタートするからです。
合格発表前後の就職・転職活動は、将来について本気で考えている今からでも遅くありません。まず、「自分を把握すること」からはじめましょう。
ここまで、前編の序章として税理士市場の現状と合格発表を基軸とした就職・活動の進め方をお伝えしました。「後編」ではテクノロジーが進化した現在、税理士に求められる資質・要素について解説しているため、気になる方はぜひ下記ページをご覧ください。
税理士試験の合格発表『前』に就職・転職するスケジュール
税理士試験合格『前』の転職活動は、以下のスケジュールで進めることをおすすめします。
- 7月:求人情報のチェックと市場価値の確認
- 8〜9月:転職活動本格化と説明会参加
- 10月:面接・選考、内定獲得
【7月】求人確認
税理士試験の合格を見据えた転職活動は、試験前からはじめましょう。7月は求人情報をチェックし、自らの市場価値を把握するタイミングから動きだすことで、合格発表後にスムーズに転職活動へ移行できます。
特に科目合格を目指している方は、現在の保有科目数や試験の手応えを考慮しながら、並行して求人情報の確認をおすすめします。早期に動くことで、税理士法人や会計事務所の採用担当者と良好な関係を築けることで、合格発表前後の採用に向けて有利に進められるでしょう。
【8〜9月】転職活動開始
8月から9月にかけては、税理士試験受験者向けの説明会や採用イベントが本格的にはじまります。多くの税理士法人や会計事務所が採用活動を活発化させる時期で、説明会では各法人の特徴や求める人材像、研修制度などの詳細な情報を直接聞くことができます。
また、現場で働く税理士の方と交流する機会もあり、実務環境や将来のキャリアパスについて具体的なイメージを掴むことも可能です。隙間時間を活用して積極的に参加できれば、自分に合った職場が見つかっていない方も選択肢を具体的に検討できます。
【10月】面接・選考
10月は面接・選考の大詰めの時期になるため、内定を獲得できるように9月までに積極的に活動しましょう。面接では、試験対策で培った知識だけでなく、実務への意欲や将来のビジョンを明確に伝えることが大切です。
また、並行して進める選考に備え、面接対策や企業研究を怠らないようにします。ただし、焦って判断を誤らないよう、慎重に選考を進めてくださいね。
他の希望者よりも素早く情報を収集し、ミスマッチを防ぎながら就職・転職活動をするならマイナビ税理士へぜひご相談ください。非公開求人や最新の求人情報にアクセスでき、プロのキャリアアドバイザーのサポートも受けられます。
税理士試験の合格発表『後』に就職・転職するスケジュール
合格発表後はすぐに活動をはじめることで、年末年始から確定申告期までの採用需要が高まる時期に就職・転職活動が可能です。
12月の合格発表直後は、大手税理士法人が積極的に採用活動を展開し、大原やTACなどの専門学校も就職・転職説明会を実施します。その後、2月中旬から3月中旬にかけても、確定申告や3月末決算への対応のため、税理士事務所での採用需要が高まる傾向にあります。
転職活動を行うためには、まず自分が専門としたい分野を明確にしておくことが大切です。国際税務に携わりたい場合は外資系税理士法人を、相続税を専門にしたい場合はその分野に強い事務所を志望するなど、的確な方向性を定めることでミスマッチを減らした転職活動を実現できます。
今からでも遅くはありません。合格発表を見てから動きだしている場合、すでに多くの方が就職・転職活動をはじめていることも鑑みて、すぐにスタートを切りましょう。
税理士試験の合格発表前に自己採点しよう
転職市場がもっとも活発な今のタイミングを逃さないためにも、まずは自己採点からはじめましょう。自己採点を勧める理由は、「次の一歩を早く踏み出すため」です。
ようやく終わった試験後に自分の回答と向き合うことは勇気のいる作業です。もし、ほとんど間違っていたら...、ギリギリ不合格だったら......。躊躇してしまう気持ちもわかりますが、それでも現実を把握しなければ次に進むことはできません。
採用する側も合格結果がわからずに面接をするので、受験者が現状と今後をどのように考えているのかといった質問が多くなるからです。
たとえば、合格発表前の受験者AさんとBさんの2人がいるとします。
A「頑張って勉強したので合格していると思います。入社したら頑張ります」
B「自己採点した結果、法人税法は合格ラインに達していました。私は今後、この分野を磨いていき、法人税法のスペシャリストになりたいと思います」
もしも自分が採用する側だったとしたら、Bさんのほうが将来について真剣に考えていて、入社してからも活躍しそうだと思いませんか?合格発表前の採用活動では、採用する側に安心材料を与えることも大切な要素になるのです。
自己採点で合格だったとしても、「税理士への道」はそこで終わりではありません。自己採点がまだの人は、次の一歩を踏み出すために勇気をもってやってみてください!
税理士試験の合格発表から目指せるキャリアパス
税理士試験の合格(科目合格含む)後は、以下のような多彩なキャリアパスが開かれています。
- 一般企業の経理部門(企業内税理士)
- BIG4税理士法人での国際税務
- 大手税理士事務所での法人税務
- 中小税理士事務所での個人税務
- コンサルティングファームでの税務コンサルタント
- 金融機関での相続・事業承継アドバイザー
- 独立開業(税理士事務所経営)
あくまでも一例であり、キャリアパスは一方通行ではありません。例えば、大手税理士事務所で経験を積んでから独立開業するケースや、一般企業での経験をいかしてコンサルティングファームへ転職するなど、柔軟なキャリア形成も可能です。
大切なのは、自身の強みと市場ニーズを見極めることです。より詳しくは、ぜひ下記ページをご覧ください。
合格発表と就職・転職に関するよくある質問(FAQ)
最後に、合格発表と就職・転職に関するよくある質問へ回答します。
税理士の科目合格は意味がない?
税理士の科目合格は、税務の専門知識を証明する指標として、採用時のアドバンテージとなります。多くの会計事務所や税理士法人では、科目合格者を税理士資格に準じる扱いとして評価しているからです。
実際の求人でも、「税理士試験科目合格者」は応募資格として明記されることが一般的です。特に簿記論や財務諸表論といった必須科目の合格は、即戦力としての評価につながるでしょう。詳しくは、下記ページをご覧ください。
税理士の就職・転職は何歳まで?
かつては「転職35歳限界説」が根強くありましたが、現在の税理士業界では当てはまりません。実際、登録税理士のもっとも多い年齢層は60代で、40代でも「若手」として扱われることも珍しくないためです。
大切なのは年齢ではなく、その年齢にふさわしいキャリアと経験を積んでいるかどうかです。つまり、年齢に見合ったスキルと経験があれば、何歳でも転職のチャンスは十分にあるのです。詳しくは、下記ページでお伝えしています。
科目合格者の年収は?
科目合格者の年収は、ここ数年で着実に上昇しています。1科目合格者の場合、以前は300万円程度でしたが、現在は370万円程度まで上昇し、2~4科目合格者は370万円~450万円程度が相場となっています。
少しでも高い年収を目指している場合、優良企業の採用枠は早期に埋まる傾向にあり、後回しにすると条件面で妥協を強いられかねません。本記事での繰り返しとなりますが、より良い条件で転職するためにも、今すぐ行動を起こすことをおすすめします。
まとめ
税理士試験の合格発表を待つ、そして発表後の転職を目指す今こそ、キャリアの転換点です。8月以降は採用市場が本格的に動き出し、9月には多くの優良求人が出そろいます。
また、合格発表後では年末年始から確定申告期までの採用需要が高まる時期に就職・転職活動が可能です。税理士としてのキャリアを確実なものにするためにも、以下を参考に今すぐ行動を起こしましょう。
- 自己採点結果を整理する
- 希望するキャリアパスを具体化する
- 転職エージェントに相談し、市場価値を把握する
- 非公開求人を含めた求人情報にアクセスする
マイナビ税理士では、状況に合わせた非公開求人の紹介や、経験豊富なキャリアアドバイザーによる転職相談を無料で提供しています。本気で税理士としてのキャリアを築きたいなら、将来を考えている今がタイミングです。
プロのアドバイザーが、理想のキャリアプランを実現するためのサポートをいたします。
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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