経理職の職務経歴書の書き方は?経験が浅い場合の自己PR方法も解説

経理職での転職活動で職務経歴書が求められることがあります。専門職としての経験や知識をアピールするなら履歴書以上に参考資料となります。経理の職務経歴書には何を書いたら自己PRとなるのでしょうか。また、経験が浅い場合はどう書いたらいいのでしょうか。今回は経理の職務経歴書の書き方のコツを解説します。
目次
職務経歴書とは
職務経歴書は、これまでの職務経験や実績を具体的に記載する書類です。採用担当者があなたの実務能力や専門性を判断する上で重要な役割を果たします。
履歴書との違い
履歴書は主に基本的な個人情報や学歴・資格などの客観的な情報を記載するものです。主に次のような事項を書きます。
- 日付
- 氏名
- 生年月日
- 現住所
- 連絡先(電話番号、メールアドレス)
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 志望動機、アピールポイントなど
- 趣味・特技
- 通勤時間
- 扶養家族数・配偶者など
一方、職務経歴書はこれまで企業でどのような業務に従事したのか、どのような実績を上げたのかを具体的に説明する書類です。主に次のような事項を書きます。
- 氏名
- 応募職種
- 志望動機
- 免許・資格
- 学習歴・訓練歴
- 職務・業務の経歴
- 応募企業にて活かせる経験、知識、能力
- 自己PR
履歴書はあなたの「プロフィール」であるのに対し、職務経歴書はあなたの「仕事のプレゼンテーション資料」と考えるとわかりやすいでしょう。
専門職だと履歴書以上に参考となる
特に経理職のような専門性の高い職種では、職務経歴書が履歴書以上に重要視されます。なぜなら、経理の仕事は多岐にわたるからです。主に次のような業務があります。
- 伝票整理
- 現金・預金の管理
- 記帳業務
- 給与計算・年末調整
- 各種申請・届出の手続き
- 社会保険料・源泉所得税などの納付
- 売掛金・買掛金管理
- 経費精算
- 月次決算書・年次決算書の作成
- 会計ソフト・Excelのスキル
- 各種書類の管理
- 税務申告
- 原価計算
- 監査対応
このほか、連結会計や国際会計基準対応、IPO対応が求められるところもあります。会社ごとに求められるスキルや経験が異なるのです。そのため、履歴書だけでは具体的な実務能力を判断することが難しく、職務経歴書が採用の可否を決める重要な資料となります。
経理の職務経歴書で書きたい自己PR
「職務経歴書が経理採用で重視される」を言い換えると「職務経歴書は専門性や具体的な経験をアピールするときの強力なツール」となります。以下のような項目を書けば、強みが効果的に伝わるはずです。
経験した経理事務の内容
これまで経験してきた経理業務を具体的に記載します。単に「経理業務」と書くだけでなく、以下のように詳細を記載するとよいでしょう。
- 月次・年次決算業務:どの範囲まで担当したか(試算表作成、財務諸表作成、監査対応など)
- 仕訳・伝票処理:件数や種類(売上、仕入れ、経費など)
- 買掛金・売掛金管理:請求書照合、入金確認、滞留債権管理など
- 経費精算業務:内容、フロー改善経験など
- 給与計算・社会保険関連業務:担当人数、勤怠管理システム利用経験など
- 税務申告関連業務:法人税、消費税、償却資産税などの申告書作成補助、税理士対応など
- 資金管理業務:入出金管理、手形・小切手管理、資金繰り表作成など
- 固定資産管理:減価償却計算、固定資産台帳管理など
- 原価計算業務:製造原価計算、部門別原価計算など
- 監査対応:内部監査、外部監査における資料準備や質疑応答
それぞれの業務について「何を」「どのように」「どのくらいの量」担当し、「どのような成果」を出したのかを具体的に書けば、採用担当者がスキルの程度を把握しやすくなります。
使えるソフト・システム
経理業務では、会計ソフトをはじめERPシステム、オフィスソフトの使用スキルが必要となります。次のように具体的に記載しましょう。
- 会計ソフト:弥生会計、勘定奉行、PCA会計、freee、MFクラウド会計など、具体的なソフト名を挙げ、使用経験年数や習熟度を記載
- ERPシステム:SAP、Oracle EBSなど、使用経験があれば詳細を記述
- オフィスソフト:Excel、Word、PowerPointなど。特にExcelは関数、ピボットテーブル、VBAなどの具体的なスキルレベルをアピール
連結会計やIPOの経験の有無
特定の経験は注目されやすくなります。こちらも次のように具体的に書くとよいでしょう。
- 連結会計:子会社や関連会社との連結決算業務の経験があれば「どの範囲で担当したのか」などを記載
- IPO(新規株式公開):上場準備に携わった経験があれば、その内容(内部統制構築支援、監査法人対応、開示資料作成など)を記述
過去に在籍した企業規模
在籍した企業の規模は、経験してきた業務の幅や深さを示す指標となります。積極的に書きましょう。
- 上場企業:内部統制や開示業務など、より厳格なルールに基づいた経理業務の経験があることをアピールできる
- 中小企業:経理業務全般に携わる機会が多く、幅広い業務知識と柔軟な対応力があることをアピールできる
- ベンチャー企業:成長期の企業での経理体制構築やフロー改善など、変化への対応力やスピード感をアピールできる
管理職経験の有無
マネジメント経験は、組織を率いるリーダーシップや人材育成能力を示す重要な情報です。次のように書くとよいでしょう。
- 部下の人数:何名の部下をマネジメントしていたか
- 担当業務:チーム全体の業務管理、進捗管理、人員配置、部下への指導・育成など
- 実績:チームとして達成した目標や改善した業務フローなど
保有している資格・検定
経理関連の資格は、知識や学習意欲を客観的に示します。取得年月もあわせて記載しましょう。
- 日商簿記検定:1級、2級、3級
- 公認会計士税理士
- FASS検定
- 建設業経理士
- MOS(Microsoft Office Specialist)
経理の職務経歴書の書き方のコツ
職務経歴書は羅列するだけでなく、採用担当者に「この人は即戦力になる」「自社で活躍してくれる」と思わせるような書き方が重要です。
具体的な数字を書く
実績や貢献度を具体的な数字で示すことで、説得力が増し、採用担当者があなたの能力をイメージしやすくなります。
- 「月次決算業務を効率化しました」→「月次決算業務のリードタイムを2日短縮しました」
- 「経費削減に取り組みました」→「消耗品費の購入方法を見直し、年間100万円のコスト削減に貢献しました」
数字が難しい場合でも「前任者から引き継ぎ後、すぐに業務をキャッチアップし、問題なく遂行しました」など、具体的な状況を記述するだけでも評価につながります。
「箇条書き+説明」でていねいにアピール
採用担当者は多くの職務経歴書に目を通します。読みやすく、内容が頭に入りやすい構成を心がけましょう。
例えば月次決算業務についての説明ならば、次のようにします。
■月次決算業務
・ 試算表の作成
・勘定科目内訳書の作成
・各部門へのヒアリング
このほか、具体的な成果や工夫、課題解決に向けた取り組みなどを簡単に説明するのも効果的です。
箇条書きで担当業務を簡潔に示したり、補足説明を加えたりすることで、内容を整理して伝えられます。長文でダラダラと書くのではなく、簡潔にポイントをまとめましょう。
定型業務以外も細かく書く
経理の仕事はルーティンワークが多い一方、ルーティン業務以外もあります。そこで工夫した点や貢献したことはたくさんあるはずです。こういった「定型業務以外の貢献」を具体的に書きましょう。たとえば次のようなものです。
- 業務改善の提案・実施
「会計ソフトの導入支援を行い、手作業の削減に貢献しました」 - マニュアル作成:
「新入社員向けに経費精算マニュアルを作成し、問い合わせ対応時間を20%削減しました」 - 他部署との連携:
「営業部門と連携し、売上計上漏れを防止する仕組みを構築しました」
非定型業務での工夫は、主体性や問題解決能力をアピールできます。
経験が浅い場合の経理の職務経歴書の対処法
経理経験が浅くても、諦める必要はありません。経験が浅いなりに、あなたが経理職にどれだけ真剣に向き合い、努力してきたかをアピールすれば、採用担当者の目に留まる可能性があります。次の点を意識して書くとよいでしょう。
関連業務をできるだけ書く
直接的な経理経験が少なくても、これまで経験してきた業務の中で、経理と関連する業務があれば積極的に記載しましょう。営業事務・一般事務なら「請求書の発行、入金確認、売上管理、経費精算補助」などです。
これらの業務を通じて得たスキルや経験が、どのように経理業務に活かせるのかを具体的に説明することが重要です。
自分の強みや特性を書く
自分自身ならではの強みや特性をアピールしましょう。たとえば次のようにです。
- 正確性・緻密さ:「数字の入力ミスをゼロにするため、常に二重チェックを徹底しています」
- 責任感:「担当した業務は期日までに必ず完遂しています。予期せぬトラブルにも迅速に対応しています」
- 情報収集力・学習意欲:「新しい会計基準や税制改正については、常に情報収集を行い、自己学習に努めています」
強みを裏付けるエピソードを添えると、より説得力が増します。
経理職への関心や知識・理解を書く
実務経験が少ない分、経理職に対するあなたの熱意や、これまで培ってきた知識を強くアピールしましょう。
- 資格・検定の取得:日商簿記検定(2級、3級など)やFASS検定などの合格、税理士試験の合格科目などを書く
- 自主学習の経験:「会計や税務に関する書籍を読み、独学で知識を深めています」などを書く
- 今後の目標:「将来的には、御社で連結決算や管理会計の業務に携わりたいと考えており、現在〇〇の学習を進めています」などと具体的に書く
「経理の仕事に就きたい」というだけでなく、「経理の仕事を通じてどのように貢献したいか」という具体的な意欲を伝えることが重要です。
まとめ
経理職の転職において、職務経歴書はあなたのスキルや経験を具体的にアピールする重要なツールです。経験豊富な方はもちろん、経験が浅い方も、これまでの業務で培ったスキルや、経理職に対する熱意、学習意欲を具体的に示せば、採用担当者の目に留まる可能性が高くなります。
具体的な数字や箇条書きを活用して採用担当者が読みやすい工夫を凝らし、あなたの強みを最大限にアピールできる職務経歴書を作成しましょう。
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