ホワイトな会計事務所の見分け方は?特徴と転職活動時の対策を解説
「繁忙期の残業がきつい」などブラックなイメージのある税理士業界ですが、最近はホワイトな会計事務所が増えてきています。ホワイトな会計事務所の特徴はどのようなものでしょうか。今回はホワイトな会計事務所の特徴と見分け方、そして転職活動時の対策をお伝えします。
目次
「ホワイトな会計事務所」とは何か
「会計事務所業界は激務でブラックだ」「残業時間が多く、プライベートの時間を取りにくい」「安月給だ」__そう言われることが多いです。しかし最近は、ホワイトな会計事務所が増えています。
- 残業時間が適切に管理され、ワークライフバランスが取りやすい
- 給与水準が適正で、明確な評価制度がある
- 有給休暇が取得しやすい
- 教育体制が整い、キャリアプランを描きやすい
- ハラスメントなどがなく、人間関係が良好である
こうしたホワイトな事務所の増加の背景には、業界全体の人手不足があります。これまでのようにスタッフに残業を強制したり「自分で調べろ」などという職人的なありようを押し付けたりすると、すぐにやめてしまいます。また、昨今はワークライフバランスを重視する風潮、働き方改革関連法の施行、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展なども影響します。
こういったことから、IT活用による業務効率化やチーム制の導入などにより、残業を抑制し働きやすい環境を整備する事務所が増える傾向にあるのです。
ホワイトな会計事務所の具体的な特徴
ではここから、ホワイトな会計事務所の具体的な特徴を見ていきましょう。
1:労働環境(残業・休日)
ホワイトな会計事務所でも、繁忙期はある程度の残業が発生します。しかし閑散期になれば定時退社が基本です。年間を通じた残業や休日出勤が常態化していません。また、有給休暇の取得が奨励されており、消化率が高いのも特徴です。業務量が適切にコントロールされている証拠だと言えます。
2:給与・評価制度
ホワイトな会計事務所は、給与水準が地域の相場や業務内容に対して適正です。顧客が増え、経営が安定している事務所は給与水準も高くなる傾向があります。利益をスタッフに還元できるからです。
ただし、給与が高くても「基本給が低く、固定残業代や残業代で稼ぐ」構造であれば要注意です。残業が常態化しているブラックな職場環境である可能性があります。
3:業務の進め方
ホワイトな会計事務所の業務の進め方には、次のような特徴があります。
チームで動く
税理士が複数名在籍し、業務を分担・標準化している事務所は、チームで動く傾向にあります。そのため、一人に負担が集中しにくいのです。アシスタントを含めたチーム制を敷き、組織として業務量を管理している事務所だと働きやすいと言えます。
IT・DXの推進
RPAやAI、クラウド会計ソフトなどを積極的に導入している会計事務所も働きやすい傾向にあります。入力作業などを自動化・効率化しているため、残業時間が生じにくいからです。請求書や領収書をスタッフが入力するよりもスキャナを使って自動仕訳した方が、同じ作業でも短時間で完結します。
4:教育・キャリアパス
スタッフの成長を支援する体制もホワイトな会計事務所の特徴だと言えます。税理士試験受験生が在籍し、実際に合格者を輩出している事務所は、試験前の休暇取得など、資格取得に配慮がある可能性が高いです。
また、チーム制を導入している事務所では、業務を共有する中で新しい仕事にチャレンジできる機会に恵まれることがあります。
5:社風・人間関係
働きやすい職場の基盤となるのが社風です。次のような特徴があれば、ホワイトな会計事務所だと考えてよいでしょう。
女性の活躍
女性スタッフが活躍している会計事務所はホワイトである可能性が高いです。働く女性の悩みの一つは「妊娠・出産・育児」です。職場の理解がなければ辞めざるを得ませんが、理解があれば産休・育休を取りやすくなります。女性にとっては、働きやすい職場であると言えます。
男女比率
事務所全体の男女比率が極端に偏っていないことも、居心地の良さにつながるポイントです。「男性ばかり」「女性ばかり」だと、偏見があったり、コミュニケーションをスムーズに行えなかったりするおそれがあります。しかし半々であれば、性別ではなく能力で評価され、なおかつ男女間の仕事についてのコミュニケーションをスムーズに行いやすい可能性があります。
離職率
働きやすい職場であれば、当然ながら離職率は低くなります。職場に満足している人が多いからです。
会計事務所の年間スケジュールと「ホワイト」な働き方
税理士業界は、特化型でない限り、業務が集中する繁忙期がだいたい決まっています。ここでホワイトな会計事務所での働き方を見てみましょう。
一般的な会計事務所の繁忙期(12月~5月)
顧問先の属性にもよりますが、多くの事務所では一般に、以下の時期が繁忙期となります。
- 11月~1月: 年末調整
- 1月: 法定調書・給与支払報告書の作成、償却資産の申告
- 1月~3月: 個人の確定申告
- 4月~5月: 3月決算法人(日本で最も多い)の確定申告
ホワイトな会計事務所の繁忙期の乗り越え方
ホワイトな会計事務所は、この繁忙期を個人の根性ではなく、しくみで乗り越える傾向にあります。
ITツールの活用
ITツールを活用し、手作業を徹底的に削減します。証憑書類のスキャナ読み込みによる自動仕訳、クラウド会計の導入による明細の自動取り込みなどは、大幅な効率化と残業削減に直結します。
繁忙期を見越した人員配置など
チーム制を導入し、業務の属人化を防ぎます。チーム内で業務量を平準化し、一人に負荷が集中しないように業務を割り振れば、残業を抑えることができます。
業務改善への取り組み
6月~10月頃は、どの会計事務所も比較的業務が落ち着く「閑散期」となる傾向にあります。ホワイトな会計事務所では、この時期にしっかりと有給休暇を取得したり、研修を受けたりと、メリハリをつけて働くことができます。逆に、閑散期にも関わらず残業や休日出勤が続くのならば、ブラックな会計事務所かもしれません。
ホワイトな会計事務所の見分け方
転職活動において、どうすればホワイトな会計事務所を見分けられるのでしょうか。いくつかポイントをお伝えします。
1:求人票でチェックすべき項目
求人票から、会計事務所の「姿勢」を読み取ることができます。
- 給与:相場に対して低すぎないか。固定残業代が含まれる場合、その時間と金額は妥当か。
- 労働時間:「繁忙期以外は残業月〇時間程度」など、具体的な記述があるか。
- 休日・休暇:有給消化率や、産休・育休の取得実績が記載されているか。
- 福利厚生:税理士試験休暇など、受験生への配慮が明記されているか。
- 業務内容:「IT化推進中」「クラウド会計導入支援」などの文言があるか(あれば業務効率化に積極的と推察できる)。
2:面接で確認すべきポイント
求人情報だけでは実態のすべてを把握できません。面接は絶好の機会です。次の点を確認するとよいでしょう。
- 残業時間:繁忙期と閑散期の具体的な平均残業時間。
- 有給消化率:実際の消化率や、取得しやすい雰囲気か。
- 人員構成:職員の男女比率、平均年齢、受験生の有無、離職率。
- IT環境:導入している会計ソフトやITツールについて具体的に質問する。
- 事務所の雰囲気:可能ならば面接時に事務所内を見学させてもらい、スタッフの表情やオフィスの様子を直接確認する。
3:Webサイトや口コミの確認
このほか、周囲の評価も確認すべきポイントです。会計事務所のWebサイトや、もし可能なら口コミサイトもチェックしましょう。規模の大きい会計事務所ならば、働くスタッフのリアルな声が見つかる場合もあります。
まとめ
ホワイトな会計事務所は着実に増えています。しかしその一方、旧態依然としたブラックな事務所も残っているのが現状です。また「残業が多くても経験を積みたい」という人もいれば「ワークライフバランスが最重要」という人もいるように、働きやすい環境の定義は人それぞれ異なります。
大切なのは、ご自身のキャリアプランに合った職場を見つけることです。しかし、自分1人で求人票や面接を通じて会計事務所の実態を正確に見抜くのは簡単ではありません。
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