40代経理の転職を成功に導く！求められるスキルと企業が評価するポイント

40代経理人材に企業が求める役割とスキル

40代の経理人材に求められるのは、単に実務をこなす経験だけではありません。企業は経理部門の中核を担う存在として、高度な専門性とチームを動かすマネジメント能力を期待しています。本章では、企業が40代経理人材に求める役割とスキルについて解説します。

40代経理人材に与えられる2つの役割

40代の経理人材に与えられる役割は、これまでの経験と専門知識を活かし、さらに経理部門のレベルを引き上げることです。単に日々の会計処理をこなすだけでなく、組織の中核を担う存在として、二つの重要な役割が期待されます。

一つ目は、プロフェッショナルとしての役割です。これは、単に会計や税務の知識が豊富であるということだけではありません。難易度の高い論点に直面した際に、監査法人や税理士法人といった外部のプロフェッショナルを適切に巻き込み、協業しながら解決へと導く役割を指します。複雑な取引や新しい事業スキームの検討にあたり、外部の専門家と建設的な議論を行い、企業の判断に資する最適な解を見つけ出すことが求められます。

二つ目は、マネージャーとしての役割です。経理部門には、さまざまなスキルや経験を持つメンバーが在籍しています。40代経理人材には、個々のメンバーの強みやキャリア志向を理解し適切な業務配分を行うことで、チーム全体としてのパフォーマンスを最大化することが期待されます。

また、若手社員の育成やキャリアサポートも重要な業務です。自身の豊富な知識と経験を惜しみなく共有し、次世代の経理プロフェッショナルを育てることで、部門全体の持続的な成長に貢献します。

40代経理人材に求めるスキル

企業が40代経理人材に求めるスキルは、プロフェッショナル、マネージャー双方の役割を完遂することができるスキルです。プロフェッショナルとしての役割を完遂するためのスキルとしては、会計や税務に関する専門的知識、専門的知識を社内のステークホルダー（経営層、他部署など）へ噛み砕いて伝える説明力、外部専門家の意見と社内の意見のバランスを取りながら妥当な結論に着地させる調整力が挙げられます。

また、マネージャーとしての役割を完遂するためのスキルは、チームメンバーとの信頼関係を築くためのコミュニケーション能力、チームの目標を受けて各メンバーの目指す姿とそのステップを明確化する目標設定力、メンバーが自ら考え行動できるよう促すコーチングスキルなどです。

企業が評価するポイント、評価しないポイント

40代経理人材の転職では、単に経験があるだけでなく、「何ができるか」が問われます。企業は即戦力となる専門スキルに加え、チームを牽引するマネジメント能力を高く評価する一方で、日常的なルーティン業務の経験は評価に繋がりません。本章では、企業が評価するポイントとしないポイントを解説します。

評価するポイント1：即戦力として活躍できるスキルがある

40代の経理人材はポテンシャル採用もあり得る30代までと異なり、入社後すぐに業務を遂行し、高い成果を出す即戦力であることが強く期待されます。このため、特定の企業でのみ通用するスキルではなく、どの企業でも応用できる汎用性の高いスキルが特に重要視されます。

具体的には、企業の規模や業種を問わず求められる、会計や税務に関する包括的かつ高度な経験と知識が不可欠です。月次・年次決算、税務申告、連結決算といった基本的な業務について正確かつ迅速に対応できるのはもちろんのこと、複雑な会計処理を検討したり、外部専門家と交渉したりといった高度な実務経験が評価されます。また、単に既存の業務をこなすだけでなく、業務フローの改善提案やコスト削減につながるようなアイデアを出せるかどうかも、即戦力としての価値を大きく左右するでしょう。マクロやVBAによる作業自動化、AIツールを使った作業時間短縮といった実績も高く評価されます。

評価するポイント2：マネジメントの経験がある

40代の経理人材は専門的なスキルに加え、マネジメント経験が必須と見なされることが一般的です。特に高度な専門職でない限り、多くの求人ではマネージャーやリーダーのポジションでの採用が主となるためです。企業は個人の能力が高いだけでなく、組織として成果を出せる人材を求めています。

マネジメント経験として具体的に評価されるのは、チーム全体のマネジメント、若手社員の育成と評価、部門間の調整などです。面接でこれらのスキルについて問われた際には、具体的な経験をもとに説明できるよう準備しておくことが、評価を上げる鍵となります。

評価しないポイント：日常業務の経験や作業者としてのスキル

40代の経理人材が転職活動を行う際、日々のルーティンワークの経験や指示された業務をこなすだけの作業者としてのスキルは、残念ながら企業から高く評価されることはありません。これは、40代というキャリアにおいて、これらの経験が「持っていて当然」と見なされるためです。

月次・年次決算、売掛金・買掛金の管理、伝票入力といった日常業務は、経理の基本的な業務であり、若手社員でも経験を積めば習得できる内容です。企業が40代の人材に求めるのは、これらの業務を円滑に回す能力に加えて、さらにその先にある付加価値です。たとえば、業務プロセスを効率化するための提案や、経営層への財務分析レポート作成、あるいは若手社員の育成など、組織全体に貢献するスキルが求められます。

企業は、経理業務の課題を自ら見つけ出し、改善を提案・実行できるプロアクティブな姿勢や、リーダーシップを発揮してチームを牽引できるマネジメント能力を重視します。ただ指示されたことをこなすだけの作業者の経験は、自己PRとしては弱く、面接でアピールしても評価にはつながりにくいでしょう。

40代経理人材の転職を成功させるコツ

40代経理の転職を成功させるには、事前準備と専門家の力を借りることがコツです。本章では、応募企業に合わせた職務経歴書のカスタマイズ方法や、プロである転職エージェントの力をどのように借りるとよいかについて解説します。

企業の求人内容に合わせて職務経歴書をカスタマイズする

転職活動を成功させるには、すべての企業に同じ職務経歴書を提出するのではなく、応募企業ごとに内容をカスタマイズすることが非常に重要です。なぜなら、企業の求人内容には、その企業が求めている人物像やスキルが詳細に反映されているからです。

まずは応募する企業の求人票を読み込み、「どのような課題を解決したいのか」「どのようなスキルを持った人材を求めているのか」を分析しましょう。例えば「IPO準備経験者を募集」とあれば、上場準備プロセスにおける自分の役割や成果を具体的に記述すべきです。また、「海外子会社の経理担当」であれば国際会計基準（IFRS）や海外税務に関する知識、英語でのコミュニケーション能力を強調すると良いでしょう。

次に、分析した内容に基づいて職務経歴書をカスタマイズします。単に過去の職務内容を羅列するのではなく、応募企業の事業内容や募集背景と結びつけましょう。各業務においてどのような役割を果たし、どういった成果を出したかを明確に記載します。これにより、企業はあなたのスキルが自社の課題にどう役立つかを具体的にイメージできるようになります。

転職エージェントに相談する

40代の経理人材が転職を成功させるには、専門知識を持つプロの力を借りることが非常に効果的です。経理・財務分野に特化した転職エージェントは、あなたのキャリアプランの実現を力強くサポートしてくれます。

転職エージェントに相談する際は、いくつかのコツがあります。まず、年収や勤務地、仕事内容など、自分の希望は遠慮せずに具体的に伝えましょう。「こんなこと言ったらわがままに思われるかも」と遠慮する必要はありません。正直に伝えることで、エージェントはあなたの希望に合った求人を見つけやすくなります。

また、職務経歴に関するネガティブな情報も包み隠さず伝えることが大切です。例えば、短期離職の経験や業務上の失敗談などです。これらの情報を隠してしまうと、後々の選考プロセスで不利になる可能性があります。正直に伝えることでエージェントはあなたの状況を理解し、そのネガティブな要素をどのようにポジティブに転換させるか、戦略を一緒に考えてくれるでしょう。

40代の経理人材が転職を成功させるには、専門知識を持つエージェントが数多く在籍するマイナビ税理士がおすすめです。マイナビ税理士は、その強力なネットワークと専門性で、あなたの転職活動を力強く後押しします。

まとめ

40代の経理人材には単なる実務経験者ではなく、高度な専門知識とマネジメント能力が求められます。企業は、複雑な業務を解決に導くプロフェッショナルな役割と、チームを牽引するマネージャーとしての役割を期待しています。転職を成功させるには、日常業務の経験だけでなく、即戦力として通用するスキルやマネジメント経験をアピールすることが重要です。求人ごとに職務経歴書をカスタマイズし、専門の転職エージェントを有効活用することが成功の鍵となります。40代の経理人材の転職なら、経験豊富なエージェントが多数在籍するマイナビ税理士にぜひご相談ください。