法人税法
法人税法は、税理士試験の科目において、実用性が高く法人税法また、最難関科目のひとつでもあります。本記事では法人税法について、試験内容や範囲、合格に必要な勉強時間、対策方法などを解説します。
法人が得た所得に対して課される税金が法人税であり、その計算のルールなどを定めたのが法人税法です。法人税法は、公認会計士や税理士の実務で必要となる場面が多く、押さえておきたい知識のひとつとなります。
法人税法を正しく理解していないと企業は正しい確定申告ができないため、法人税法を理解している税理士や公認会計士に寄せられる期待は大きいといえます。
法人税法は毎年のように細かい改正がなされているため、試験に合格した後も税制改正についてもキャッチアップし、知識をアップデートしていく必要があるでしょう
税理士試験の科目のうち、法人税法は所得税法と並び、最高クラスの難易度だとされています。出題範囲が広く学習する量が多いため、試験勉強にはかなりの時間が必要です。試験範囲が広いうえ、各項目の理論が複雑です。また、難易度の高い法人税法と所得税法は、必ずどちらかひとつを合格しないといけません
前述のとおり法人税法は税理士試験の中で最も難しい科目とされています。難易度が高く、試験勉強にはかなりの時間が必要ですので、法人税法と所得税法どちらかだけを選んで受験する人が多いです。また、法人税法の学習には会計の知識が必要なため簿記2級程度の知識があったほうが良いでしょう。
なお、法人税法では大きな改正が行われた直後、その部分が試験に出てきやすくなります。そのため、テキストだけでなくニュースにも注目して情報収集したいところです。国税庁が発表するQ&Aも参考になるでしょう。
出題範囲次の通りです。
法人税法の出題範囲が以下のようのとおりです。
・法人税法に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連するほかの法令に定める関係事項を含む。
法人税法では理論問題が1問、計算問題が1問ずつ出題されます。配点は理論問題50点、計算問題50点の合計100点満点で、試験時間は2時間です。
計算問題では、法人税額の最終値だけでなく計算プロセスにも部分点があるので個別論点ごとにしっかり理解していれば点数を稼ぐことができます。
理論問題は具体的な事例が与えられたうえで、「法人税法ではどうなるか」といった問いを投げかけられます。例えば、以下のような問題です。
「この会社はこの年度でこのような経営活動をしていた。では、法人税法での取り扱いはどうなるか」
計算問題でも事例を出されたうえで、「この場合の法人税はいくらか」と問われます。法人税額の計算だけでなく、会計処理まで求められるパターンも少なくありません。
法人税法の問題は、直前の法改正項目から出題されることもあります。そのため、学習していない内容の問題が出てくることもあります。。しかし、だれもが解けない問題はあまり気にせず、基本をしっかりおさえて回答できる問題で確実に得点を取っていきましょう。
法人税法の合格率は年度によって変わるものの、10~15%程度です。
合格率 | |
---|---|
平成28年度 | 11.6% |
平成29年度 | 12.1% |
平成30年度 | 11.6% |
令和元年度 | 14.7% |
令和2年度 | 16.1% |
法人税法が難しいとされる理由のひとつは試験範囲が膨大だからです。そのうえ、毎年のように改正がなされていますので、改正への対応も必要です。試験範囲を丁寧に勉強する以外の対策がなく、かなりの時間と労力をかけなくてはなりません。しかも各論点ひとつひとつが紐づいているので、いずれかの理解が不足していると全体に関わってきます。
法人税法の試験を受けるのであれば、できれば予備校か通信講座を検討しましょう。優秀な人であれば独学も可能かもしれませんが。予備校や通信講座では、過去のデータから重点的に勉強するべきポイントを効率的に割り出してくれます。疑問点があったらすぐに聞けるのもメリットでしょう。ひとつひとつのポイントを理解してから次に進めます。
法人税法の勉強時間はは600時間が目安と言われています。もちろん、この数字は目標のひとつに過ぎず、「600時間勉強したら必ず合格できる」というわけではありません。どれほど勉強しても、内容を理解していなければ合格できません。
試験は大きく「個別問題」と「総合問題」に分けられます。個別問題は理論と計算、それぞれの理解度を問われる形式。そして個別論点がまとまり税額等を算出する形式が総合問題です。つまり総合問題も、個別問題の集合体です。基礎的な理論、計算力を欠いていては総合問題に挑めません。そのため、法人税法の勉強は個別論点ごとの理解が欠かせません。
また、過去問を繰り返し解くことも大切です。本試験の傾向を知ることができます。また、類似する問題が出題されることがあります。たとえば、「減価償却」、「寄付金」、「法人税の特別控除」などの項目は、似たような内容が出題されていますので過去問で類似する問題の対策ができます。
税理士試験の傾向として、正答率が低い問題に配点されることが少ないようですので、難解な問題はあまり合否に影響しないようです。本試験では、難しい問題ではなく、正解する人が多い正答率の高い問題を確実に正解することが大切です。特に、計算問題は制限時間がある中であせって簡単なミスをしてしまうこともあります。ですので、何回も過去問や総合問題を解き、解答スピートを底上げするなど問題形式に慣れておくと良いでしょう。
また、同じ問題集を何度も解くのも有効です。学習が進むと1冊の問題集だけに頼るのは不安でいろいろな問題に手を出したくなるでしょう。ただ、問題集によって考え方や重要なポイントが大きく変わることはありません。色々な問題に手を出すよりも同じ問題集で内容をしっかり理解することが大切です。
会社は、年度中に最低でも一度は法人税の申告が必要になります。しかし、その計算方法や必要書類は複雑なため、会社が自分たちで申告するのは難しいです。そのため、税金の専門家である税理士に代理で申告業務を依頼するケースは少なくありません。
そのため、法人税法に精通している税理士は需要があり、一般的に法人の申告業務は税理士にとってメインの業務になっています。
法人税法は、税理士試験の中でも最難関と言われている科目です。学習する量や難しい論点が多いですし、すでにほかの科目に合格している人も多いため受験している人のレベルが高い科目です。その中で上位数10%にはいらなければいけないため合格が難しい科目です。
難しい科目ではありますが法人税法の知識は、税理士業務において活かせる場面が多く、非常に価値のあるものです。
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