会計事務所勤務者の年収は?資格有無や勤務地別に紹介
会計事務所への新卒就職を希望している方や、事業会社から会計事務所への転職を考えていたりする方の中には、「会計事務所で働くとだいたいどれくらいの年収をもらえるのか知りたい」という方や、「キャリアチェンジ先の検討をする上で会計事務所の給与水準を知っておきたい」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、会計事務所勤務者の年収を、公的統計や公開求人情報から入手したデータを元に詳しく紹介します。
監修
マイナビ税理士編集部
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会計事務所勤務者の年収(公的統計)
会計事務所の勤務者に関する公的な統計データは多くありません。ここでは、厚生労働省が実施した「賃金構造基本統計調査」と総務省が実施した「サービス産業動向調査」の結果を元に、会計事務所勤務者の年収を確認します。
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)の結果
厚生労働省が実施した令和4年賃金構造基本統計調査によれば、公認会計士・税理士の平均給与額は約747万円で、小中学校の教員とほぼ同じ金額でした。また、公認会計士・税理士の平成30年から令和4年までの5年間の平均給与額は774万円となっています。
出典:令和4年賃金構造基本統計調査、「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
サービス産業動向調査(総務省)の結果
かなり古いデータになりますが、平成16年に行われたサービス産業動向調査においては、税理士事務所が従業員1人あたりに支払った年間の給与額は361.15万円でした。この「従業員」の中には、正規雇用の社員も非正規雇用(パート・アルバイト)も含まれています。なお、同じ調査において、公認会計士事務所が従業員1人あたりに支払った年間の給与額は714.7万円、税理士事務所・公認会計士事務所合計の年間平均は418.49万円でした。
会計事務所勤務者の年収(求人サイト)
ここまで公的な統計から会計事務所勤務者の年収を確認しましたが、年収に関する十分な情報を得ることができませんでした。以下では、マイナビ税理士のサイトに掲載されている公開求人の情報をもとに、会計事務所勤務者の年収がどれくらいなのかを見ていきましょう。なお、これから紹介するデータは、いずれも2023年6月時点の情報です。
データ抽出の方法
データの抽出にはマイナビ税理士の求人検索機能を使い、調べたい条件と年収レンジ(200万円以上から1,200万円以上まで、100万円刻みでフィルターがあります)を求人検索に入力して得られた件数をまとめています。今回の調査では「①税理士資格の有無」「②勤務地」「③会計事務所・税理士事務所」の従業員数の3つの要素による年収の違いを通じて、さまざまな条件における会計事務所勤務者の年収を推計しました。
なお、マイナビ税理士のフィルターでは各求人の年収レンジのもっとも高い値でヒットするようにしているため、実際の年収よりも高めの結果が出る可能性もあります。たとえば、求人に「年収:500万円~1200万円。資格・経験・能力を考慮の上、決定いたします」と記載されている場合、この調査ではこの求人を「年収1,200万円」として扱います。
資格の有無による年収の違い
まず、税理士資格の有無による年収の違いを確認しましょう。資格は「税理士」、業種は「会計事務所・税理士法人」を選択して検索したところ531件の求人がヒットし、資格を「税理士科目合格」に変えて検索したところ527件の求人がヒットしました。
下表は、資格の有無による年収の違いを示したものです。これを見ると、「税理士」と「税理士科目合格」との間には顕著な年収の差はないことがわかります。また、いずれの場合も「年収800万円以上900万円未満」が最も多く観測されました。
勤務地による年収の違い
次に、勤務地による年収の違いを見ていきましょう。資格は「税理士」及び「税理士科目合格」、業種は「会計事務所・税理士法人」を選択して検索したところ567件の求人がヒットしました。この条件に加えて、勤務地として①「関東・甲信越」、②「関西」、③「東海・北陸」、④「北海道・東北」、⑤「九州・中国・四国」のいずれかを選択した場合における年収別の求人件数を確認します。
下表は、勤務地による年収の違いを示したものです。これを見ると、①から③と、④及び⑤で全体的な傾向に違いがあることがわかります。①から③、すなわち関東圏、関西圏、中京圏に勤務する場合は、その他の地域に勤務するよりも高い年収を得られる傾向にあるということがわかりました。もっとも、全体に占める割合が一番高かったのは、①から⑤のいずれにおいても「年収800万円以上900万円未満」でした。
従業員数による年収の違い
最後に、会計事務所・税理士法人の従業員数による年収の違いを見ていきましょう。資格は「税理士」及び「税理士科目合格」、業種は「会計事務所・税理士法人」を選択して検索したところ567件の求人がヒットしました。これらの条件に加えて、従業員数として①「10人以下」、②「10人~100人」、③「100人~500人」、④「500人~1,000人」、⑤「1,000人以上」のいずれかを選択した場合における年収別の求人件数を確認します。
下表は、従業員数による年収の違いを示したものです。全体に占める割合がもっとも高い年収は、①及び②は「700万円以上800万円未満」、③は「1,000万円以上1,100万円未満」、④は「1,200万円以上」、そして⑤は「800万円以上900万円以下」と、従業員数によって異なる結果となりました。
④が1,200万円以上となったのは、Big4の従業員数が概ね「500人~1,000人」であることに起因すると思われます。また、⑤に該当する会計事務所がほとんどなかったこともあり、⑤においては900万円以上の求人がありませんでした。
まとめ
本記事では資格の有無、勤務地、会計事務所・税理士法人の従業員数による年収を確認しました。その結果、資格の有無と勤務地にかかわらず、もっとも多い年収の範囲は「800万円以上900万円未満」のようです。また、勤務先の会計事務所・税理士法人の従業員数によって、もっとも多い年収の範囲が変わることがわかりました。
なお、今回はマイナビ税理士のサイトに掲載されている公開求人の情報をもとに会計事務所勤務者の年収を確認しましたが、マイナビ税理士に登録いただければ非公開求人も見ることが可能です。非公開求人の中には公開求人にはない魅力的な条件の求人や、公開すると応募が殺到してしまうためあえて非公開にしている人気企業の求人もあるため、非公開求人を見ることができると応募先の幅が広がり、より充実した転職活動を行うことができるでしょう。
会計事務所・税理士法人への転職を少しでもお考えの方は、マイナビ税理士にぜひご登録ください。
会計事務所勤務で年収を上げる方法
ここまで、会計事務所勤務者の年収を見てきました。最後に、会計事務所勤務者が現職で年収を上げる方法をいくつかご紹介します。
会計事務所・税理士法人の勤務者が現職での年収を上げる方法は、以下の3点です。
①業務経験を積んで一人で顧客対応できるようになる
②税理士試験の合格科目数を増やす
③税理士試験に合格して税理士登録する
①はどの業界でも年収アップのためには必要なことですが、②と③は会計業界特有の年収アップの方法です。「1科目に合格するたびに年収が●●万円アップする」という事務所や、「税理士試験に合格したら年収が一気に上がる」という事務所もあります。そのため、税理士試験の合格科目を増やしてスピーディーに5科目合格することが、会計事務所勤務で年収を上げる効果的な方法だといえるでしょう。
まとめ
以上、会計事務所勤務者の年収を公的統計や公開求人情報から入手したデータからご紹介した上で、会計事務所勤務者が年収を上げる方法についても簡単に解説しました。会計事務所勤務者の年収は、勤務先の事務所や業務経験などによって大きく異なります。ただし、年収1,000万円を超える求人も多く出ていることから、会計業界は高い年収を得ることが可能な業界と言えるでしょう。キャリアチェンジして年収の高い業界で働きたい方は、会計業界でキャリアを積むことを検討してみてください。
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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