税理士補助は、文字どおり税理士の業務である税務代理、税務書類の作成、税務相談を補助する仕事です。会計スタッフや税務アシスタントなど事務所ごとの職名はありますが、仕事の内容はほぼ同じです。
税理士補助として働いているのは基本的に税理士の資格を保有していない人で、その中で税理士をめざしている人とそうでない人に分かれます。前者は税理士補助として働きながら税理士試験合格をめざして勉強中の人で、若手が中心になります。後者は税務・会計業務のスペシャリスト、もしくはそれをめざす人といえます。
税理士補助は税理士をめざすという目的がなくても、税務・会計分野のスキルを活かせる仕事です。多種多様な会社の会計業務に携わることができますので、経理や会計業務が好きな人には非常にやりがいのある仕事です。
未経験からでも税理士補助になれる可能性はありますが、最低限、簿記2級程度の知識がないと難しいでしょう。

・税理士補助として働きながら税理士をめざす人も多い。
・経理や会計業務が好きな人にはやりがいがある仕事。

税理士資格のない税理士補助は、税理士の独占業務を行うことはできませんが、税理士の監督下で独占業務の補助的な作業を行うことはできます。たとえば、税理士の指示の下で行う集計作業や資料作成など、税務申告や税務相談に付随する事務作業がこれに該当します。もちろん、記帳作業や決算業務などの経理代行業務は税理士資格がなくても担当できます。税理士と税理士補助の業務分担は事務所によって異なります。

会計士事務所のクライアントは中小企業が中心で、専任の経理担当者がいない場合など、経理業務を委託することがあります。経理事務の代行は仕訳や伝票入力、書類の管理など事業会社の経理担当の仕事とほぼ同じです。業務の範囲はクライアントによりますが、経理だけでなく、給与計算や年末調整などを一緒に委託されるケースもあります。

●記帳（経理事務）代行
・請求書、領収書、現金出納の仕訳
・会計ソフトへの伝票入力、勘定元帳の作成
・書類のファイリング
・決算書の作成

●総務・人事業務
・給与計算
・年末調整

●巡回訪問
・帳簿のチェック
・経営者や経理担当者への助言
※経営、会計など「税務相談」にあたらない範囲

税理士補助の主な仕事はクライアントから受託する業務が中心ですが、それに付随するクライアントとの契約書や請求書発行などの事務処理を担当する場合もあります。その他に、税理士のスケジュール管理、電話や来客への応対など、事務所内で日々発生する庶務的な仕事を割り当てられることもあります。

・税理士補助は、税理士の独占業務以外の補助的な業務を行う。
・経理だけでなく、給与計算や年末調整などの業務を一緒に委託されるケースも。

税理士補助の給与は、事業会社の事務職と同程度か少し上回るくらいといわれています。税理士補助未経験から転職する場合は月収20～25万円、年収300～400万程度、税理士補助経験者は月収25～35万円、年収400～500万程度といわれています。税理士試験の科目合格があれば、さらに良い待遇が期待できます。

税理士をめざす人にとって、税理士補助の仕事は税務や会計の知識を得られるというメリットがあります。実際に、税理士をめざすために税理士補助に転職するという人も少なくありません。
事務所の状況にもよりますが、繁忙期を除けば勉強時間を確保しやすく、税理士試験への理解があります。試験準備のための有給休暇や費用補助など、資格取得支援制度を用意している会計事務所もあります。 また、税理士補助の業務は税理士資格取得に必要な実務経験として認められますので、2年以上勤務していれば、税理士試験合格後すぐに税理士登録することも可能です。

事業会社の経理業務と同等とはいっても、やはり税理士補助の経験が優先される傾向があります。税理士補助の未経験でも、科目合格していると有利になります。
税理士補助は繁忙期の有期契約社員やパートタイムでの雇用も多いのですが、そうした雇用形態ですと、未経験者でも比較的採用されやすくなります。そういった形で実務経験を積み、正社員にシフトする方法もあります。パートタイムはワークライフバランスが確保しやすいので、予備校への通学や勉強の時間を確保しやすいというメリットがあります。

・税理士補助の仕事は税務や会計の知識を得られるというメリットがある。
・繁忙期の有期契約社員やパートタイムは未経験からでも比較的採用されやすい。

少子高齢化の影響によって税理士をめざす人が減少し、税理士補助として働く人も減少傾向にあるといわれています。同時に中小企業でも少子高齢化による人手不足が起きており、しばらくの間は記帳代行などのニーズは増加すると考えられます。そのため、税理士補助の人材を確保するため、ワークライフバランスの改善や資格取得支援制度など、待遇面の充実に着手する会計事務所が増えています。

マイナビ税理士では多くの税理士補助の求人を取り扱っております。現在の働き方に不安のある方や、本格的に税理士資格の取得にチャレンジしたい方など、多くの方にご相談いただいておりますので、ぜひ1度マイナビ税理士にご相談ください。

https://zeirishi.mynavi-agent.jp/case_mt/kaikei/209.html

●プロフィール
大学卒業後一般事業会社に就職し、経理部門に配属。スキルアップのために簿記を勉強していた。

●転職の理由
簿記の勉強を進めるうち社内の有資格者の専門性に惹かれ、税理士をめざす。会計事務所の仕事内容に興味を持ち、また、女性も長く働いていける点に魅力を感じ、会計事務所への転職を決意。

●転職成功の経緯
・税理士試験2科目に合格していたが、未経験かつ30代での転職であること、現職で決算業務に関わった経験が少ないなどの点に不安を感じていた。
・未経験者は20代を想定されるケースが多いため、希望勤務地内で幅広く紹介を受け、多数に応募した
・第一志望の会計事務所には面接前にマイナビから意欲と志望度を伝えて後押しし、無事に内定を獲得。
・書類選考の評価を良い点、懸念点ともに説明してもらい、面接で懸念点を払拭できるようサポートがあった。
・面接対策として、なぜ税理士になりたいかの棚卸しから志望理由や意欲の伝え方など、キャリアアドバイザーと何度も打ち合わせた。

https://zeirishi.mynavi-agent.jp/case_mt/kaikei/214.html

●プロフィール
20代後半から税理士をめざし、会計事務所の派遣スタッフとして働きながら、税理士試験の受験準備に取り組んでいた。

●転職の理由
現職では雑用実務が多く、税理士試験の勉強時間を確保できなかった。税理士をめざすため、「残業時間が少ない」「事務所の中で同じく税理士をめざしている方がいる」転職を希望。

●転職成功の経緯
・税務の経験が浅いため、希望条件を満たせる応募先が少ないことが課題だった。
・現職の残業が多いという転職動機が面接でネガティブに伝わってしまう。
・志望動機を「長期的なキャリアプランをかなえるための転職」と伝える面接対策を行った。
・転職活動を前向きに捉えられるようになり、面接でも高い評価を得ることができ、内定を獲得した。

・未経験からの転職では「意欲」が重視される。面接で意欲を伝えることがポイント。
・転職動機がネガティブに捉えられないよう、前向きな志望動機を伝えることが重要。
・マイナビ税理士では、意欲や志望動機を伝えるための丁寧な面接対策を行っている。

ここでご紹介した他にも多数の事例がございます。ぜひ一度キャリアアドバイザーに相談し、自分にあった転職先を探してみてはいかがでしょうか。

働きながら税理士をめざそうと考えたとき、現在の仕事が税務に近い仕事でない場合、分野の違う仕事に携わり続けることが負担となるときがくるかもしれません。税理士補助の仕事は税理士登録に必要な実務経験としても認められますので、税理士補助から税理士へとキャリアを積むのはかなり効率がよいといえます。税理士をめざすために転職するか、合格後に転職するか、どちらが良いかでお悩みの方には、マイナビ税理士のエージェントが客観的な視点でアドバイスさせていただきます。