転職回数や年齢は、税理士の転職に有利?不利?
税理士に限らず、一般的に転職をする際に不利な材料になるといわれている要素はいくつかあります。その中でも「年齢の高さ」や「転職回数の多さ」は、代表的な要素とされてきました。しかし、最近では優秀なスキルや経験値があり、実績も知見も豊かな人材は、転職市場でも歓迎される場合が多くなってきています。人柄も問題なければ、年齢や転職回数はそれほど大きなデメリットにはならないとする声も聞かれます。
果たして、税理士の転職で年齢や転職回数の多さは本当に不利になるのか?あるいは、不利とされる要素があった場合に、それを乗り越えて転職を成功させるにはどうしたらいいのか、といったポイントについてご紹介します。
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監修
マイナビ税理士編集部
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転職回数の多さが、なぜ不利になってしまうのか?
経済状況がきびしく、転職業界が買い手市場だった時代には、1つの求人に対する応募者数も多く、書類選考では「どうやって落とすか」という視線になりがちでした。そのため、同じような能力やキャリアの人材が数多くいた場合には、年齢の高さや転職回数の多さは、どうしてもマイナスの要素となっていました。
しかし現在は、税理士の転職市場は売り手市場ともいわれています。そのような状況でも、年齢の高さや転職回数の多さは、転職の際に不利な要素になってしまうのでしょうか?
まず、どうして転職回数の多さが転職時に不利な要素になってしまうのか、具体的な理由を見ていきましょう。
採用側に先入観を抱かせてしまう
転職回数の多さが不利になる理由として、採用側がどうしても「何度も転職をしているということはどこか人格的に欠点があるのではないか?」と疑問を持ってしまうということがあります。
「我慢が足りないのでは」「コミュニケーション能力が低くて人間関係にトラブルを抱えやすいのでは」といった先入観を抱かせてしまうと、どんなにスキルや実績がある人材でも評価にバイアスがかかってしまいます。
転職を繰り返してしまう人材には特徴がある?
これといった明確な理由がなく転職が多い方には、次のような特徴があると指摘されています。
・すぐにカッとなるなど、一時の感情のままに行動してしまいやすい
・感情の起伏が激しく、落ち込みやすい
・他人と比較して、つい隣の芝生が青く見えてしまう
・仕事にやりがいを感じにくい
・飽きっぽい性格
・人の意見に流されやすい
もし、実際に転職回数が多く、自分にもこうした傾向があると感じた場合は、できるだけ改善していくように心掛けましょう。
また、転職回数は多いが、自分にはまったくあてはまらないという方でも、採用者側はそのように受け取りやすいということを知っておくだけでも、転職活動の際に役立つはずです。
長続きしない人材と判断されてしまう
転職回数の多さを気にする企業の人事担当者が口をそろえるのは、「仕事を覚えてもまたすぐに辞めてしまうのでは」「長く働いてほしいポジションなのに、長く続かないのではないか?」という点です。求人・採用には時間も費用もかかります。そのため、採用企業としては採用期間中に優秀な人材を確保して、できるだけ長く働いてもらいたいと考えます。そのため、転職回数が多くて定着率が悪いという印象は、どうしても採用の際に不利な要素となってしまいます。
しかし、こうした不利になる理由の多くは、職務経歴書にきちんと転職の理由を明記したり、実際に面接の場などできちんと理由を説明したりすれば、採用側に納得してもらえる場合が多いものです。また、同じ転職回数でも、勤務した企業すべてを短期間で退職したのか、1社でもある程度の長い期間勤務していたか、そしてどのような仕事を手掛けていたのかによっても、印象は大きく変わります。
転職回数は何回まで許される?
では、採用企業は、転職回数は何回くらいになると「多い」という印象を持つのでしょうか?
具体的な調査結果があるわけではありませんが、人事担当者など採用企業の意見を集約すると、20代で2~3回、30代で3~4回、40代で4~5回程度になると、転職回数が多いというイメージを持たれやすいようです。
ただし、資格職である税理士の場合、一般企業と比べて人材の流動性が高いという特徴があり、転職回数に対しても許容範囲は広い傾向があります。そのため、転職回数が多い場合でも、転職理由が明確であったり、年齢相応のスキルや体験を身に付けていたりすれば、それ以上の転職回数であっても問題なく採用される場合があります。
年齢が高い場合の転職は?
一般的には、年齢が高いと転職には不利とされています。確かに転職市場での求人数を見ても、やはり20~30代向けの求人が多いのは事実です。
しかし、経験やスキル、そして人脈が大切な税理士業界では、一概に年齢だけで有利か不利かの断定はできません。
年齢が高い場合は経験者採用枠を狙おう!
企業の採用には、その求職者の能力やこれからの伸びしろに期待して採用する「ポテンシャル採用」と、それまでの経験を活かして活躍してくれる人材を採用する「経験者採用」があります。
ポテンシャル採用の場合、これからの伸びしろに期待がかかる分、年齢も若いほうが有利です。一方、経験者採用の場合には、税理士試験の5科目合格者であるか、得意分野を持つスペシャリストであるか、あらゆる業務を幅広く経験しているかといったことがチェックポイントとなります。
また、管理職枠として採用されるケースもあるため、管理職やマネジメントの経験の有無が、むしろ年齢よりも重要視されます。つまり、経験者採用を行っている企業に的をしぼり、自分なりの強みをしっかりと持っていれば、それほど年齢が高いことを気にする必要はないといえます。
転職回数の多い税理士が転職に成功するには?
では、転職回数の多い税理士が、実際に転職を成功させるためには、どのような点に注意すべきなのでしょうか?それには大きく3つのポイントがあります。
採用側が納得できるよう転職理由を説明する
転職回数が多くても、それぞれの転職理由が明確であり、それをきちんと説明できれば大丈夫です。転職回数が多い場合には、必ず面接の際などに「転職回数が多いのはなぜですか?」と面接官に聞かれるはずです。そのときに「会社にどうしても合わない人がいて、我慢できずに退職しました」などと回答すれば、コミュニケーション力がないと判断されて、採用されるのは難しいでしょう。例えば、以下のような回答をあらかじめ用意していれば、採用担当者の心象もずっと良くなるでしょう。
「初めて就職する際には、キャリアプランをきちんと考えておらず、一般事務として入社しましたが、経理の仕事に就いて、次第に将来は税理士になりたいと思うようになりました。そこで、勉強しながら実務経験を積むために会計事務所に転職しました。税理士試験で2科目に合格した時点で、継続して勉強しながらより幅広い実務経験を身に付けたいと思い、現在の会計事務所に転職しました」
このような回答であれば、それぞれの転職にしっかりとした理由があり、しかも、しっかりとキャリアプランを立てていることも感じられ、採用担当者にもいい印象を与えることができます。
キャリアの棚卸をする
転職回数が多い方には、それ相応のキャリアや経験を身に付けていることを採用者側は求めます。そこで、転職活動をする前にやっておきたいのが、キャリアの棚卸です。
キャリアの棚卸とは、自分のスキルやこれまでの経験を客観的に見つめ、具体的な仕事内容をしっかりと書き出す作業です。キャリアの棚卸をすることで自分のスキルや経験が明確になり、自分のアピールポイントもより鮮明になります。また、自分のキャリアに合った転職先を選択できるようになるため、応募の際のミスマッチも防げるでしょう。
面接の基本をおさえておく
採用面接の際には、同じ内容の事柄であっても、言い回しひとつで面接官に与える印象が大きく変わります。以下のような面接の基本を押さえながら、言葉遣いや話題を慎重に選ぶようにすることが大切です。
・転職理由が人間関係というのはNG(コミュニケーション能力が高く、社内だけではなくクライアントとも円滑な関係を築けることをしっかりアピールする)
・前職の企業に関する悪口はNG(入社後、何か不満があったら他人にぶちまけるタイプという印象を与えかねない)
・それぞれの転職がキャリアアップのためなど、前向きな理由によるものであることをきちんと説明する
・「今できること」「これからやりたいこと」を具体的にイメージし、どのような形で会社に貢献できるかをしっかりアピールする
・キャリアの棚卸をして、募集しているポジションをこなす上で必要なスキルが身に付いていることをアピールする
・今後のキャリアプラン、ライフプランを明確に語れるようにしておく
こうしたポイントを押さえておくだけでも、面接をうまく乗り切ることができるはずです。
転職回数の多さをアピールポイントに転換させる
採用の場面においては、転職回数の多さを逆手に取って、自分のアピールポイントにすることもできます。
例えば、「転職を数回経験しましたが、人間関係が理由で退職した職場は1つもありません。どの職場でも人間関係に恵まれて気持ち良く仕事ができ、お世話になった職場や取引先の方々には今でも感謝しています」などと面接で言い添えれば、コミュニュケーション能力が高いという印象を与えることができます。
また、ひとつの会計事務所で抱えているクライアントの数には限りがあります。そのため、転職回数が多く、複数の職場を経験している方は、それだけ多くの異なるクライアントと仕事を重ね、さまざまな業界事情にも精通しているといえます。それを自分の強みとしてアピールすることもできるでしょう。
転職回数が多い方は、積極的に転職エージェントの活用を!
転職回数が多い方が転職を成功させるためには、転職エージェントを上手に活用することも大きなポイントとなります。転職エージェントを利用するメリットには、次のような点があります。
・経験者採用をしている企業など、自分のキャリアや事情に合った職場を探してくれる
・転職活動に必要な準備をサポートしてくれる
・転職理由などを、事前にポジティブに求人企業に伝えてくれる
求人広告を見ているだけでは、採用企業の本音はなかなか見えてきません。しかし、業界事情に詳しい転職エージェントを活用すれば、スキルや経験さえあれば転職回数はあまり気にしない企業なのかそうではないかの見極めをしてくれ、条件にマッチングした企業を紹介してもらえます。
また、転職活動で必要な自分のキャリアの棚卸についても、経験豊富な専属のキャリアアドバイザーが、親身になって相談にのってくれ、面接対策などもいっしょに考えてくれます。転職回数が多い方ほど、転職エージェントを活用する価値は高いといえるでしょう。
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転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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