働きながらでも仕事と勉強を両立して税理士試験の合格をめざそう
税理士試験は超難関の国家資格といわれています。自由時間の制約を受ける社会人が働きながら勉強するのは大変です。
しかし、就職してから受験試験を始めて、合格している税理士はたくさんいます。彼らはどのように超難関試験を突破したのでしょうか?
そこで、働きながら税理士試験に合格するポイントを紹介します。
マイナビ税理士では働きながら税理士のキャリアを目指す方に向けて、適切な転職先をご提案いたします。キャリアプランに関する疑問や不安は、お気軽にご相談ください。
働きながら税理士試験の合格を目指すためのポイント
税理士試験の合格ラインは各受験科目60点以上ですが、受験者数や出題した問題の難易度などに関係なく合格率は毎年ほぼ一定であるため、競争受験といわれています。
しかも、ライバルとなる受験生の中には、学生など受験勉強に専念できる環境の人が含まれています。その中で働きながら税理士試験の合格を目指すためのポイントを紹介します。
そもそも働きながら税理士試験に合格できるのか
税理士試験の制度により、働きながらでも合格することは可能です。
税理士資格の取得を応援する企業の求人は、多くはありませんが存在します。そのような企業に自分が転職出来るのかと考えた方は、ぜひマイナビ税理士にお任せください。
志望動機の添削や条件交渉など、転職に関わる事は無料でご支援いたします。
実際に働きながら合格して、第一線で活躍している税理士は数多くいます。まずは税理士試験の制度を見ていきましょう。
税理士試験の制度
税理士試験は科目選択制度を採用し、全11科目から5科目を自由に選択できます。
さらに、一度にすべての試験に合格する必要はなく、一度合格した科目は永久に有効となる科目合格制度を採用しています。税理士試験に合格するには、5科目合格することが必要になっています。
そのため、それぞれのライフプランに合わせて税理士試験合格のための受験スケジュールを自由に設定することが可能です。受験科目は全部で11科目あり、会計科目と税法科目に区分できます。
・会計科目
受験科目は簿記論と財務諸表論の2科目です。いずれも必須科目となります。
・税法科目
受験科目は選択必須科目と選択科目に細分化できます。
イ、選択必須科目
所得税法と法人税法、いずれかの受験科目を合格しなければなりません。
- ロ、選択科目
- ・相続税法
- ・国税徴収法
- ・固定資産税
- ・消費税法または酒税法(いずれかしか選択できません)
- ・住民税または事業税(いずれかしか選択できません)
各受験科目によってボリューム・難易度・内容が異なるのが特徴です。
得意科目を選択するなど上手に受験科目を組み合わせることが、働きながらでも効率よく学習して合格するポイントといえます。
各受験科目の標準勉強時間
働きながらでも効率よく学習するためには、各受験科目の標準勉強時間を知ることが鍵となります。
各受験科目のボリュームの尺度となるからです。
・簿記論:400時間
・財務諸表論:450時間
・所得税法:600時間
・法人税法:600時間
・相続税法:400時間
・国税徴収法:150時間
・固定資産税:200時間
・消費税法:300時間
・酒税法:150時間
・住民税:200時間
・事業税:200時間
以上のように、税法科目の選択必須科目である所得税法と法人税法の標準勉強時間が多くなっています。
いずれもそれだけ勉強する範囲が広い科目なのです。
なお、上記の時間数は目安に過ぎません。この時間だけ勉強したからと言って合格するとは限らないのです。
実際の試験では、「どれだけ勉強したか」ではなく「どれだけ重要論点を押さえて科目内容を理解し、それを答案用紙に表現できるか」が問われます。したがって、合格を左右するのは、時間数ではなく習得度だと言えるのです。
各受験科目の合格率
税理士試験に効率よく合格するためには、合格率を把握して損することはありません。
合格率の高い受験科目から順に紹介します。平成29年から令和3年までの5年間の各受験科目を「合格者総数÷総受験者数」で算出しています。
1位:財務諸表論 21.0%
2位:簿記論 17.1%
3位:住民税 15.5%
4位:固定資産税13.8%
5位:法人税法 13.8%・相続税法 12.63%
6位:酒税法 12.8%
7位:事業税 12.7%
8位:所得税法 12.5%
9位:国税徴収法 12.2%
10位:消費税法 12.0%
11位:相続税法 11.7%
以上のように最高でも財務諸表論の21.0%であり、各受験科目の合格率は低いです。
5科目合格して税理士試験の関門を突破するのは難しいということが分かります。
実際の受験では、この合格率を意識しながら科目選択することはほとんどありません。
どちらかというと、税法そのもののボリュームや実務での重要度を考えて選ぶ人の方が多いでしょう。
なお、酒税法や国税徴収法、事業税・住民税・固定資産税といった科目はボリュームが少ないため「ミニ税法」と呼ばれます。
働きながら勉強する方の中には、「ボリュームが少ないから」と選ぶ人もいますが、だからといって合格しやすいとは言えません。税法を勉強するなら「これなら興味をもって勉強できる」と思えるものを選んだ方がいいでしょう。
働きながらの合格には、ご自身の熱量だけでなく、働く環境もとても重要です。
マイナビ会計士では税理士資格の取得を応援してくれる企業や、実務経験が積める企業など、これから税理士を目指す方にとって魅力的な求人をご紹介することが可能です。
税理士試験の平均合格年数
「税理士試験の勉強に専念できる人のほうが平均合格年数は短い」と思われがちです。
しかし、働きながら勉強しても短期間で合格するケースはあります。要するに実際の合格年数は本人次第なのです。
そこで、大手専門学校の税理士試験のカリキュラムと働きながら受験するのかどうかの違いによる平均合格年数の目安を見ていきましょう。
働かない場合の平均合格年数
大手専門学校では、1年間で2、3科目の合格をねらうカリキュラムとなっているため、毎年順調に受験科目に合格すれば2〜3年間で税理士試験を突破できる計画です。
しかし、受験科目の合格率そのものが低いため、平均合格年数は大手専門学校のカリキュラムより数年延びるのが一般的です。
働きながらの平均合格年数
働きながら税理士試験の勉強をする場合、大手専門学校は、1年間で一つの受験科目の合格をめざすカリキュラムとなっている傾向にあります。そのため、就職して勉強を開始した場合、順調に1年間で一つずつ受験科目に合格すれば、5年間で税理士試験を突破できます。
しかし、普通は1つの受験科目の合格に複数年かかります。
つまり、実際の合格までの年数は、想定よりも長くなることが多いのです。
なお、実際の大手専門学校でのカリキュラムは「専念用」「働きながら受験用」と設定されているわけではありません。
「短期合格コース」「一発合格コース」などと、その人の受験経験や目標に合わせて選ぶことができます。
そのため、実際のカリキュラムは、専念組も働きながらの受験組も、自由に選べます。働かずに勉強に専念している人が1年1科目ずつ受けることもある一方、働きながらでも1年で2科目勉強する人もいるのです。
各受験科目の標準勉強時間、合格率、平均合格年を加味し、働きながら税理士試験に合格するための戦略を練りましょう。
働きながら税理士試験の合格をめざす場合のメリット・デメリット
働きながら税理士試験の合格をめざすことは、一見すると勉強時間が確保しづらいなどデメリットが多いと思われがちです。しかし、就職してから受験勉強を開始して合格した税理士はたくさん存在します。
そこで、働きながら税理士試験の受験勉強をするメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
・会計事務所での実務経験が受験勉強に役立つ
税理士試験は税法や会計に関する知識や理解力を問う試験です。
特に最近は、税制改正の動向など踏まえた内容のほか、実務色の強い問題が出題される傾向にあります。
最近は、新型コロナウイルス感染症にともなう取扱いを確認する問題も見受けられます。
実務経験があればその様な事例に触れる機会があるので、受験勉強に役に立つというメリットがあります。
・職歴に穴が開かない
学校を卒業してから受験勉強に専念すると、無職または短時間のアルバイトに従事するかのどちらになります。
そのため、ブランクを空けることになり再就職するときにマイナスの要素となりかねません。
しかし、正社員として仕事をしながら勉強すれば履歴書に職歴を記載でき、転職活動ではキャリアとして認められます。
さらに、実務経験を積むことができるため、独立する際も、現場でつちかったノウハウを元に自信をもって案件に取り組むことができます。
・収入を確保できる
専念でもっとも困るのは「お金」です。仕事を辞めて受験に専念しても、生きるのにお金はかかります。
また、専門学校では授業料のほか、模試や参考書にもお金がかかります。
専門学校への往復交通費、通信費、外での飲食代も回数が重なれば相当の金額になるのです。
親やパートナーからたくさんお金をもらえるなら別ですが、そうでなければ生活が苦しくなるかもしれません。
・集中力が増す
意外かもしれませんが、働きながら受験勉強をする方が、集中力が増します。専念組よりも時間が限られているからです。
その中で合格するなら、与えられた時間を有効活用するしかありません。
有効活用すべく、自然と集中力が高まり、1回当たりの勉強の密度が濃くなるのです。
デメリット
・勉強時間の確保が難しい
休日を除けば、平日の勉強時間は3〜4時間の確保が精一杯でしょう。
その点では税理士試験の勉強に専念する受験生により不利といえます。
働きながら合格するなら、仕事と睡眠と生活するのに最低限必要な時間以外は、すべて勉強にあてなくてはなりません。
・誘惑が多い
働いていると、会計事務所の同僚から飲みに誘われるなどの誘惑が多くなります。結果、予定していた勉強時間が取れなくなることもあるでしょう。そのようなことが続くと、税理士試験に対するモチベーションが下がる恐れがあります。
働きながら合格するなら、人付き合いも極力抑えなくてはなりません。
働きながら税理士資格の合格を目指す方にとっては、現在勤めている企業や社内環境によっても、ご自身の勉強時間やモチベーションが左右されるといっても過言ではありません。
本気で合格を目指す上で転職をご希望である方は、ぜひ一度キャリアアドバイザーにご相談ください。
「働きながら科目合格」の実体験
筆者は、簿記論と財務諸表論を働きながら1年で合格しました。勉強方法は次の通りです。
- ・勤務時間の1~2時間前に、勤務先の近くのカフェに行き、問題を解いたり、模試やミニテストの解き直しをしたりする。
- ・土日は授業がある日。授業開始の30分から1時間前に専門学校に行き、問題を解く。
終わってからも1時間は残って復習する。直前期は専門学校の自習室が閉まるまで勉強する。 - ・電車の中では常に理論を暗記したり、小問を解いたりする。
- ・模試の解き直しで時間がないときは、「30分でどこまで解けるか」チャレンジをする。
解いた後、「重要性の高い問題をどれだけ解答できたか」などを分析する。 - ・授業中は、講義の内容になるべく疑問を持つようにする。
授業後は、どんなに小さいことでも、恥ずかしいことでもいいから最低1つは質問する。 - ・問題集の小問は最低「〇(マル)」が3個つくまで解き直す。
一度解いて終わりにしない。3個「〇」がついても、時間が経ったら解き直しをする。 - ・週に1回、夕方18時から2時間だけ、自分の自由時間にする。
それ以外は、休日も平日朝も平日夕方以降も勉強に充てる。 - ・家族に協力してもらう(家事をお願いする、模試の解き直しのときの試験監督をやってもらう、口頭で問題を出してもらう、など)
仕事をしながらの受験勉強は、時間の確保が最重要課題です。
ですが、時間だけ与えられても知識が定着しなかったり、理解ができなかったりすれば意味がありません。
足りない時間を補うのが、「何が何でも合格する」という気迫と集中力だと言えます。
大事なのは、「専念か仕事しながらか」という勉強スタイルではなく、「どれだけ合格に対して執念を燃やせるか」です。
執念を燃やせば、3分、5分というスキマ時間を使ってでも勉強します。
執念がなかったら、12時間与えられても漫然としか勉強せず、何も身につかない結果で終わるのです。
まとめ
税理士試験は、公認会計士試験と違って合格まで数年かかります。しかも、各受験科目の標準勉強時間は150〜600時間と言われます。いかに時間を作るか、そしてその作った時間でどれだけ勉強するかが合否を分けるカギとなります。
働きながら税理士試験の勉強をするのは大変です。勉強時間の確保はもちろん、モチベーションの維持も簡単ではありません。これらの課題をクリアするためのポイントは2つあります。
- ・暗記する項目はスキマ時間を活用する
- ・「ここで落ちたら次はない」くらいの気持ちで勉強する
働きながら税理士試験に合格することはできるとはいえ、本人の努力が合否を分けます。
「何が何でも絶対合格する」という強い意志で取り組みましょう。
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