SUCCESS CASE

税理士になるためにかかった勉強時間

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税理士になるためにかかった勉強時間

この記事では、私自身が税理士になるためにかかった勉強時間について、実際の体験に基づいて書かせていただきます。

税理士になるための計画

税理士になるまでの過程

税務署 OB や弁護士、公認会計士以外の人が税理士になるためには、税理士試験を受験して 5科目(会計 2科目、税法 3科目)に合格しなければなりません。税理士試験は科目合格制なので、一気に 5科目に合格する必要はなく何年かけてでも全科目合格すればよいことになっています。各科目とも一度合格すれば、その科目合格は一生有効です。

また、大学院で会計または税法に関する修士論文を執筆して国の認定を受ければ、会計科目については 1科目、税法科目については 2科目を免除することができます。たとえば、税法2科目を免除した場合は、会計 2科目と税法 1科目の計 3科目に合格すればよいことになります。

年単位での計画と修正

さて、税理士試験は科目合格制で複数年かけて合格科目をそろえればよいため、働きながらの受験を希望する社会人に人気があります。合格を積み重ねていけますので、一見、楽なように見えるかもしれませんが、実はそうではありません。なぜかといえば、基本的には皆 1年間かけて 1科目に集中して勉強するので 各科目ともレベルが非常に高くなり、ハードルが上がるので1科目に合格する苦労が半端ではないからです。また、何科目か合格したことで後に引けなくなり、受験年数が長くなっている受験生もたくさんいます。

科目合格制だからといって何となく受験を続けているといつまで経っても税理士になることはできません。受験を始めるにあたり理想的なものでもよいので、まずは計画を立てたほうがよいです。そして、その計画に沿って勉強を進めて、状況を見て計画を修正する作業を繰り返す必要があります。

私の場合、勉強を開始したころは税理士になる過程として以下の①②の両方のパターンを考えており、どちらのパターンで行った場合でも4年以内に受験を終わらせるつもりでいました(税理士試験の受験資格を得るための簿記1級の勉強期間も含めて)。

①5科目合格
②3科目合格 + 税法2科目を免除

実際には税理士試験の最初の受験前の段階で、②の過程で行くことを決めていました。税理士試験の初受験で簿記論が不合格になってしまったので当初の計画どおりにはいかず、すべての過程を終えるまでに5年弱の月日がかかりました(平成24年5月の勉強開始から平成29年3月の大学院卒業まで)。

●平成24年11月  日商簿記1級 受験 ⇒ 合格
●平成25年8月  簿記論 受験 ⇒ 不合格
●平成26年8月  簿記論、財務諸表論 受験 ⇒ 合格
●平成27年4月  大学院入学
●平成27年8月 国税徴収法  受験 ⇒ 合格
●平成29年3月  大学院卒業

一般的にかかるといわれる時間

さて、予備校のパンフレットを取り寄せると税理士試験の各科目の合格に必要な勉強時間が書かれていますが、この時間はあまり信じないほうがよいと思います。正直、何を根拠に導き出した時間なのかわかりませんし、実際に私が受験をしたところはるかに長い時間がかかったからです。

予備校の講義を受けずに合格するのは難しいですが、各科目とも講義の受講、提供されるテキストの予習復習、問題集の解答のすべてをパンフレットに書いてある時間でこなすのはまず不可能です。ですので、予備校が提示している勉強時間を満たすように勉強するのではなく、あくまで自分が納得いくように勉強しきることを考えましょう。

税理士試験の勉強時間の捻出

勉強時間の記録

働きながら税理士になるためには、いかに勉強時間を捻出することができるかが重要になります。

私は勉強時間をかき集めるために、ストップウォッチを使って勉強時間を測定して Excel で集計することによって「目に見える」ようにしておきました。見えるようにすることで勉強時間を増やしたいと思うようになるのです。

勉強時間の記録による効果

ストップウォッチで勉強時間を記録することによって、勉強するための起爆剤になるのです。私は常にストップウォッチを持ち歩き、わずかなすき間時間でも勉強しているときは測定するようにしていました。

勉強時間の目標を立てて達成することにも使えます。私の場合、1週間の目標勉強時間を掲げてそれを達成すべく勉強していましたが、勉強時間を測定して見えるようにしておくことで達成できる可能性が高まりました。また、週によって前半勉強時間が長かった場合は後半ペースダウンをしたり、あるいは前半勉強時間が短かった場合は後半ペースアップをしたりと、自分のペース調整にも役立てていました。

勉強時間をかき集める

税理士試験の試験勉強中、大学院への在学中は仕事よりも勉強のほうが優先順位の高い生活をしていました。朝早く起きて出社までの時間を勉強にあてて、仕事は必ず定時で切り上げて寝るまでの時間も勉強にあてるようにし、それ以外にも昼休みや仕事中に少しでもすき間時間ができれば教材を開いて勉強できるようにしておき、勉強時間をかき集めていました。

そして、勉強時間を測定することによって「何が何でも勉強する」意識が働くようになり、移動時間や仕事中のちょっとした時間でもわずかなすき間が生じたらテキストを広げて勉強する習慣ができていました。

税理士になるまでにかかった時間

日商簿記1級、税理士試験3科目合格にかかった時間

日商簿記1級、税理士試験3科目(簿記論、財務諸表論、国税徴収法)の勉強期間中に、完璧にではないですが勉強時間を測定していたので、推定も含めて合格までにどれくらいの時間がかかったが割り出してみました。

●日商簿記1級(平成24年11月受験) 勉強期間:平成24年5月~11月
 勉強時間:900時間
●簿記論(平成25年8月受験) 勉強期間:平成24年5月~25年8月
 勉強時間:1,510時間
●簿記論、財務諸表論(平成26年8月受験) 勉強期間:平成25年9月~26年8月
 勉強時間:1,798時間
●国税徴収法(平成27年8月受験) 勉強期間:平成26年9月~27年8月
 勉強時間:1,733時間

受験回数は簿記論が2回でそのほかの科目は1回です。前段である簿記1級であっても、予備校のパンフレットに記載のある税理士試験1科目の勉強時間よりも多くの時間がかかっています。2回受験した簿記論はそれ1科目だけで2,000時間以上の勉強時間を費やしていることは間違いありません。

税理士試験は、たとえ実力がある人がぎりぎりで不合格になったとしても、翌年の受験に向けては前年と同等の勉強時間を割かなければ実力を維持することができないのです。

大学院での勉強にかかった時間

大学院での講義や修士論文の対応については、勉強時間の測定まではやりませんでした。試験とは違い一発勝負ではないので、その点では気持ち的にゆとりがありましたが、けっして楽なものではありませんでした。

講義のレポート課題や修士論文の文献調査では図書館に足を運ばなければならないことも多く、けっこう時間を要しました。また、特に修士論文については、集めた文献を丁寧に読んで理解する、論文の構成を考える、執筆する、教授から指摘を受けた部分を訂正するという多くの過程が必要であり、いずれも時間がかかりました。

1年生の11月から修士論文への対応がはじまり、それから発表がある2年生の2月までの期間は1日あたり2時間半以上は修士論文に時間を費やしていたことは間違いありません。そうなると少なく見積もっても大学院での勉強でも 1,200時間以上の時間を費やしたと考えられます。

税理士になるまでにかかった時間

日商簿記1級、税理士試験、大学院でかかった勉強時間の合計は

●日商簿記1級 900時間
●税理士試験3科目 5,041時間
●大学院 1,200時間以上

合計すると税理士になるために 5年弱の期間で7,000時間以上を費やしたことになります。税理士になるためにはどうしても時間がかかり、しかもその間全力で走り続けなければならないのが大変なところですが、努力は自分を裏切らないと思いますので、税理士をめざしている人は頑張っていただきたいです。

【プロフィール】

【プロフィール】

著者: 松井元

静岡県三島市の松井会計事務所に勤務する税理士。大学院で工学専攻を卒業後、自動車部品メーカーでエンジニアとして8年間働く。自分の頑張りが成果として見える環境で働きたいと考え税理士事務所に転職。34歳から税理士をめざして、働きながら税理士試験・大学院での税法論文作成を経て税理士登録。税務・会計と IT を使った経理効率化の両面でお客さまをサポートすべく奮闘している。

静岡県三島市の理系税理士、松井元の『税務・会計 & 業務効率化』の日々

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