簿記1級とは? 税理士めざすなら取得すべき?

簿記1級とは? 税理士めざすなら取得すべき?

簿記1級の資格を取得しなくても税理士にはなれますが、簿記1級レベルの知識がないと合格は難しいともいわれます。簿記1級を取得するための勉強で、必要な知識を身につけられるでしょう。しかし、簿記1級に合格するのは簡単なことではありません。税理士をめざす人が簿記1級を取得するメリット、デメリットを説明します。

マイナビ税理士では、税理士を目指す方々のキャリア形成を全力でサポートします。不安や悩みを抱えている方は、どんな些細なことでもキャリアアドバイザーへぜひご相談ください。

このようなお悩みはありませんか?

  • 税理士資格がなくても転職できる税理士法人を探している
  • 簿記1級の取得を目指しながら、安定して働ける転職先を見つけたい
  • 税理士試験の勉強中で、その後のキャリアプランを検討している

上記のような転職に関するお悩みや不安をお持ちの方は、
マイナビ税理士のキャリアアドバイザーにご相談ください。

無料マイナビ税理士に申し込む
独自のキャリア戦略でサポートいたします
マイナビ税理士編集部

監修

マイナビ税理士編集部

マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。

    
無料マイナビ税理士に申し込む
あなたに合ったキャリアプランをご提案

簿記1級とは?

簿記1級の種類

簿記に関する資格は多数ありますが、認知度が高いのは日商、全経、全商の簿記検定です。受験に制限はありませんが、全経、全商は学生向け、日商は社会人向けの資格という認識が定着しているようです。

一般的に、「簿記1級」といえば日商簿記1級をさします。日商簿記1級は、経営管理や経営分析に必要なレベルとされています。簿記2~3級が実務寄りであるのに対して、経営管理のポジションを想定した資格です。また、全経簿記上級と並んで、税理士試験の受験資格の資格要件に含まれています。ちなみに、全経簿記では1級が最上位ではなく、1級の上に「上級」があります。

資格名 試験実施団体
日商簿記検定 日本商工会議所
全経簿記能力検定 全国経理教育協会
全商簿記実務検定 全国商業高等学校協会

簿記1級の試験概要

日商簿記検定は日本商工会議所と各地商工会議所が主催する検定試験で、年間40万人が受験しています。3級、2級は2021年度に試験制度が変わり、CBT試験が始まりましたが、1級は会場で行う統一試験のみです。毎年、6月(第2日曜)、11月(第3日曜)に実施されています。コロナ禍の影響で2020年6月の試験が中止となったため、2021年2月に1級の試験が実施されましたが、通常は2月には1級の試験はありませんので要注意です。

試験は全国の商工会議所で運営され、日程や試験は全国で統一されています。ただし、受験の申し込み開始や合格発表は地域によって違います。試験に関する情報は各地の商工会議所のホームページで確認できますので、受験する地域を決めてから調べるとよいでしょう。

試験科目
試験時間
商業簿記・会計学(90分)
工業簿記・原価計算(90分)
合格基準 正答70%以上 各科目40%以上であること
受験料 7,850円
受験資格 なし
申し込み 各地商工会議所にて受付。詳細は試験実施日約2ヵ月前より開示。
実施会場 各地商工会議所
合格発表 各地商工会議所にて発表。試験後3週間~2ヵ月程度。

簿記1級を取得するメリット

簿記1級は経理財務に関する高度な知識と技能の証として、その難易度が周知されていて、就職・転職の際には強みとなります。また、会社によっては資格手当の支給や昇格につながる場合もあります。

簿記1級の取得で、税理士試験の受験資格を得られます。また、簿記1級は税理士、会計士の登竜門ともいわれます。出題範囲は、税理士試験の必須科目の簿記論と共通する部分が多いです。また、財務諸表論の内容にも関連しているため、簿記1級合格レベルの知識があれば、この2科目に対応する知識はかなり身についているといえます。

公認会計士の試験科目でも、会計学、財務諸表論と共通する部分があります。簿記1級の勉強で自分に合った勉強方法を確立できれば、税理士試験にも取り組みやすいでしょう。

<ココまでのまとめ>

・簿記1級といえば、日商簿記1級をさす。
・簿記1級の試験は全国で毎年6月(第2日曜)、11月(第3日曜)に実施される。
・就職、転職する際の強みになる。
・税理士試験の受験資格が得られ、簿記論、財務諸表論の知識が身につく。

日商簿記検定1級の求人一覧

簿記1級と税理士試験の関連性

試験内容の関連性

簿記1級と税理士試験の簿記論の出題範囲は、9割近くが重なっているといわれています。簿記1級合格者は簿記論の出題範囲の知識を持っていますが、残念ながら、必ず科目合格できるとはいいきれないようです。税理士試験全般にいえることですが、簿記論の試験は問題量が多く、難解な設問が含まれています。応用力、試験テクニックなど、税理士試験のための対策を行わないと科目合格は難しいでしょう。

税理士をめざす人が簿記1級を取得するメリット

受験資格として必要とする場合を除けば、簿記1級を取得しなくても税理士になることはできます。税理士をめざす人が簿記1級を取得するメリットは、何よりも勉強時間の短縮でしょう。簿記1級を取得する過程で身につく知識により、簿記論、財務諸表論のための勉強時間を大幅に短縮できます。

また、事業会社の経理職や会計事務所などで経理の実務に関わるポジションでは、簿記の実務者のための資格である簿記1級が評価される場合があります。

<ココまでのまとめ>

・簿記1級と簿記論は、出題範囲の9割近くが重なっている。
・簿記論、財務諸表論の勉強時間を短縮できる。
・経理の実務に関わるポジションで評価される。

簿記1級の難易度・合格率

簿記1級の合格率

簿記1級の合格率は、ここ数年は8~9%台に安定しています。過去には、合格率5%という厳しい回もありました。コロナ禍の影響で1年ぶりに実施された156回(2020月11月)では、過去10年で最高の13.5%という高い合格率となりました。その反動があったのか、次の157回(2021月2月)ではやや低めの7.9%という結果でした。

2021年度から試験制度が変わり、試験の難易度や合格率が変動するのではないかという予想もあります。大手予備校などからは10%前後に落ち着くのではという予想が出ています。143回(2016年6月)~157回(2021月2月)の平均合格率は9.7%ですから、その予想があたるようなら、現状維持といってよいでしょう。

ほかの資格との難易度比較

資格関連の情報サイトでは、簿記1級は高難度の資格に分類されています。同じく難易度が高い資格として、税理士、公認会計士、社会保険労務士などがあげられています。

たとえば、税理士は5科目、公認会計士は6科目の合格がゴールになっています。それぞれの独占業務で求められる広範な知識への深い理解を求められる点が、合格の難易度につながっています。このような視点で考えれば、いずれも簿記1級より難易度が高いといえます。

簿記1級と税理士の簿記論、財務諸表論、公認会計士の会計学、財務諸表論は出題範囲が重なる部分があります。簿記に特化しているため、税理士、公認会計士ではあまり出題されない部分が、簿記1級で出題される場合があります。そういった点では簿記1級の難易度が高いと感じられるかもしれませんが、試験内容では税理士、公認会計士の科目の難易度のほうが高いといわれています。

<ココまでのまとめ>

・2016年以降の平均合格率は9.7%。
・税理士、公認会計士の科目のほうが難易度は高い。

簿記1級の勉強時間・勉強方法

簿記1級の勉強時間

簿記1級は合計70%以上、1科目40%以上の合格基準を満たせば合格できますので、試験勉強の目標も明確でわかりやすいです。簿記2級レベルの知識がある場合で500~700時間、一から学習をする人は800~2000時間という意見もあります。勉強時間に関する意見が大きく異なるのは、1回の試験で合格する人が少なく、2~3回の試験で2年以上かけて合格するのを想定していると考えられます。効率よく勉強できれば、短いほうで合格できる可能性はあります。

独学でも可能か

簿記1級は市販の教材などが充実しており、税理士や公認会計士と比較すると、独学で合格する人も多いようです。ただし、難易度が高いので、独学では長時間の勉強が必要になります。合格までにかかる時間や効率の面では、予備校や通信講座を利用すると有利になるでしょう。また、時間がかかればそれだけ挫折しやすくなりますので、モチベーションを保つ工夫も必要です。

<ココまでのまとめ>

・簿記2級レベルの知識がある人でも、500~700時間以上の勉強時間が必要。
・独学で合格する人もいるが、独学では時間がかかり、挫折もしやすい。

まとめ

税理士試験合格には簿記1級レベルの知識が必要といわれ、税理士をめざすなら身につけておく必要があります。必要な知識を身につけるために簿記1級に挑戦するというのも、試験対策のひとつです。

しかし、簿記1級はとても難易度の高い試験で、片手間に取得できる資格ではありません。簿記1級の勉強を優先して、税理士試験の対策が後回しになってしまっては意味がありません。自分のキャリアプランにおいて、簿記1級の資格を活かせる場があるのかをしっかり考え、判断しましょう。

無料マイナビ税理士に申し込む
転職にまつわる様々なサポートをご提供

税理士業界専任の担当者が、求人紹介からご内定までを一貫してご支援!
あなたにとって最適な働く環境をご提案させていただきます。

無料転職支援サービス申込みはじめての転職

転職を考えているけど…なにをしたらいいのかわからない。悩む前に転職支援のプロにご相談ください。マイナビ税理士に登録する。 転職を考えているけど…なにをしたらいいのかわからない。悩む前に転職支援のプロにご相談ください。マイナビ税理士に登録する。

マイナビ税理士を利用して
転職された方の

  • 転職された方の声
    進路について適切なアドバイスをしてもらえました!
    自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
  • 転職された方の声
    求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!
    タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)

マイナビ税理士とは?

マイナビ税理士は税理士として働く「あなたの可能性」を広げるサポートをいたします。

マイナビ税理士は、可能性を広げるサポートをいたします

特集コンテンツ

税理士の志望動機・面接対策
面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
はじめての転職
転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
税理士の転職時期
転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
履歴書、職務経歴書の書き方
人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
女性税理士の転職
女性税理士の転職事情や成功するための秘策をご紹介します。
実務未経験の転職
実務未経験の税理士試験合格者の転職成功ガイドをご紹介します。

カテゴリから記事を探す

特集コンテンツ

税理士の志望動機・面接対策
面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
はじめての転職
転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
税理士の転職時期
転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
履歴書、職務経歴書の書き方
人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
女性税理士の転職
女性税理士の転職事情や成功するための秘策をご紹介します。
実務未経験の転職
実務未経験の税理士試験合格者の転職成功ガイドをご紹介します。

カテゴリから記事を探す

税理士業界専門転職エージェント

担当キャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。

無料で転職支援のプロに相談する

マイナビ税理士公式アカウント

人気コンテンツ

特集コンテンツ

税理士の志望動機・面接対策
面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
はじめての転職
転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
税理士の転職時期
転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
履歴書、職務経歴書の書き方
人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
女性税理士の転職
女性税理士の転職事情や成功するための秘策をご紹介します。
実務未経験の転職
実務未経験の税理士試験合格者の転職成功ガイドをご紹介します。

カテゴリから記事を探す

税理士業界専門転職エージェント

担当キャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。

無料で転職支援のプロに相談する

ページトップへ戻る

アクセスマップ