会計事務所(税理士事務所)の仕事内容は?構成員や特徴について紹介
この記事では、会計事務所(税理士事務所)をキャリアの出発点にしようとしている方や、事業会社から会計事務所(税理士事務所)への転職を考えている方に向けて、会計事務所(税理士事務所)の仕事内容、事務所の構成員、給与や待遇、未経験者が税理士補助として働く際の注意点などについて紹介します。
監修
マイナビ税理士編集部
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会計事務所(税理士事務所)の特徴と構成員
会計事務所(税理士事務所)の仕事内容を紹介する前に、会計事務所(税理士事務所)の定義と、会計事務所(税理士事務所)の特徴、構成員、給与・待遇について簡単にご紹介します。
会計事務所(税理士事務所)とは
「会計事務所」とは、企業や個人に対して税務会計サービスを提供する事務所の総称です。会計事務所の中には、「税理士事務所」「税理士法人」「公認会計士事務所」「監査法人」が含まれます。このうち、「税理士事務所」は一人の税理士が経営する個人事務所で、「税理士法人」は二人以上の税理士が共同経営する法人のことを意味します。
この記事では、会計事務所のうち「税理士事務所」に焦点を当てて、その特徴や構成員、給与及び待遇、仕事内容などについてご紹介します。
税理士事務所の特徴
税理士事務所の主な特徴は次のとおりです。
・事務所が少人数であること
・個人の顧客も多いこと
・比較的小規模な案件を取り扱うこと
税理士法人を大学病院や地域の中核病院だとすると、税理士事務所は街の小さな診療所のようなイメージです。顧客も近隣の法人や個人事業主が多く、地域に根ざした事業活動をするのが税理士事務所の特徴となります。
税理士事務所の構成員
税理士事務所の構成員の典型例は、所長税理士1名とパート職員数名、もしくは所長税理士1名・税理士補助(税理士試験勉強中の職員)数名・パート職員数名です。最近では税理士補助もパート職員も雇わない「ひとり税理士」も増えてきましたが、多くの税理士事務所は顧客数や案件数が増えて事務所が成長するのに伴って徐々にパート職員や税理士補助の人数を増やしていく傾向にあります。
税理士事務所の給与、待遇、資格取得支援制度
税理士事務所における税理士補助者の給与や待遇は、事務所によって大きく異なります。厚生労働省が実施した令和3年賃金構造基本統計調査によれば、公認会計士・税理士の平均給与額は約659万円であることから、資格を持たない税理士補助者の平均年収はこの金額よりも低いことが想定されるでしょう。
出典:令和3年賃金構造基本統計調査、「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
また、税理士試験前にまとまった休暇を付与したり、税理士試験予備校の授業がある日は定時で退社できたりといった、税理士資格取得支援制度を用意している税理士事務所もあります。将来、税理士資格を取得したいとお考えの方は、求人検索の際に支援制度の有無をチェックするとよいでしょう。
税理士事務所の仕事内容と未経験者が働く際の注意点
ここまで、税理士事務所の特徴、構成員、給与及び待遇などについてご紹介しました。次に、税理士事務所の仕事内容を税理士法人と比較した上で、税理士事務所で税理士補助者が担当する業務、未経験者が税理士事務所で働く上での注意点、税理士事務所の繁忙期についてご説明します。
税理士事務所の仕事内容
税理士事務所の主な仕事内容は次のとおりです。
・記帳代行
・税務顧問
・決算書及び税務申告書の作成
・税制改正対応(インボイス制度対応など)
・個人の所得税申告書、相続税申告書などの作成
このうち、「記帳代行」と「税務顧問」について、サービスの内容を簡単にご紹介します。
「記帳代行」とは、自社で経理部門を持っていない中小企業や個人事業主といった顧客の会計帳簿を、税理士事務所が作成するサービスのことです。顧客から会計帳簿を作成するための基礎となる書類(売上明細、預貯金明細、請求書、領収書など)を預かって必要な仕訳を会計ソフトへ入力し、総勘定元帳や仕訳帳といった会計帳簿を作成します。
「税務顧問」とは、顧客から受けた会計・税務関連の相談に応じたり、顧客の会計・税務周りを丸抱えでサポートしたりする継続的なサービスのことです。顧問契約の内容はそれぞれですが、月額定額制で顧客から相談があれば対応するという内容の契約が一般的でしょう。
なお、税理士法人は大規模法人が中心顧客であるため、記帳代行や個人事業主の所得税申告書作成を行うケースはほとんどありません。記帳代行や個人事業主の所得税申告書作成といった業務経験を積みたい場合は、税理士法人ではなく税理士事務所に転職することをおすすめします。
税理士補助者が担当する業務
税理士事務所で税理士補助者が担当する主な業務として、次の3点があげられます。
・会計ソフトへの入力
・決算書などのドラフト
・税理士を補助する業務
会計ソフトへの入力は記帳代行に関連した業務です。仕訳を起こして会計ソフトへ入力するのは税理士事務所の業務の基礎であるため、多くの新規採用者は、まず会計ソフトへの入力を担当します。「原始資料から必要な仕訳を考えて会計ソフトへ入力する」という作業は単純作業のように思われがちですが、実際には検討すべきポイントや悩む点もある複雑な作業です。初心者は比較的簡単な仕訳(たとえば売上の仕訳や入金消込の仕訳)から始めて、慣れてくると少しずつ難しい仕訳(たとえば自動車を売却したときの仕訳)にも独力で対応できるようになります。
会計基準等に従った決算書を作成するためには一定の知識が必要です。そのため、決算書などのドラフト(下書き)は、税理士事務所での勤務経験をある程度積んだあとに担当することが多い業務です。税理士補助者が作成したドラフトは、税理士が確認した上で顧客等へ提出します。
上記の他、税理士事務所の仕事の中で税理士しかできないこと(税務代理、税務書類の作成、税務相談)以外の業務については、税理士補助者が担当することもあります。
税理士補助の仕事内容や給与について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
未経験者が働く上での注意点
会計業界未経験の方が税理士事務所で働くにあたっては、下記3点に注意するとよいでしょう。
・最低限の簿記知識は必要
・わからない専門用語や略語があったらその場で聞く姿勢が重要
・勉強を続ける必要がある
1点目は、税理士事務所で働くにあたっては最低限の簿記知識は必要であるという点です。求人票に「未経験者歓迎」や「知識不問」と書かれていたとしても、簿記3級レベルの知識がないと税理士事務所で担当できる業務は多くありません。入所が決まってからでも遅くないので、市販されている簿記3級のテキストで勉強してから勤務することをおすすめします。
2点目は、わからない専門用語や略語があったら、その場で聞く姿勢が重要という点です。会計業界では、「PL」「のうとく」「ねんちょう」といった用語・略語が多く使われています。事務所の打ち合わせなどでわからない用語が出てきたら、その場で質問して疑問を解決するようにしましょう。
3点目は、勉強をし続ける必要があるという点です。特に税法は毎年のように改正されるため、身につけた知識がすぐに陳腐化してしまうこともよくあります。税理士事務所で働く以上、最新の税法を勉強し続ける必要があるので、「継続的な勉強はしたくない」という方には税理士事務所での勤務はおすすめできません。
繁忙期はいつ?
税理士事務所の主な繁忙期は、個人の確定申告時期(2月~3月)と3月決算法人の申告時期(4月~5月)です。税理士事務所の顧客層や受注件数にもよりますが、典型的な税理士事務所だと個人の確定申告時期は夜遅くまで残業したり休日も出勤したりすることも多く、この時期に休暇を取ることは困難です。一方、夏から秋にかけては比較的業務量が落ち着いているため、この時期にスタッフが順番でまとまった休暇を取る事務所もあります。
まとめ
税理士事務所の仕事内容について、税理士補助者が担当する業務内容や未経験者が税理士事務所で働く上での注意点にも触れながらご紹介しました。税理士事務所の仕事は決して楽ではありませんが、税務や会計に関する専門知識を働きながら身につけることができるメリットもあります。今後のキャリアを会計業界中心に歩んでいこうとお考えの方は、税理士事務所への転職、就職を検討してはいかがでしょうか。
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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