税理士を諦めたらどうなる? 資格勉強を活かせる転職先・キャリアとは
税理士合格をめざして試験勉強を頑張っているなかで、挫折したときのことを考える人は少ないと思います。合格すること以外は考えたくない、という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、税理士を諦めたときにどんな選択肢があるのかをイメージできると、精神的な余裕を持てるかもしれません。受験経験から得られるものを知っておきましょう。
監修
マイナビ税理士編集部
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税理士を諦める人は多い
税理士は超難関資格
令和元年度の税理士試験の合格率は18.1%でした。合格できるのは5人に2人以下という超難関資格です。科目合格を積み重ねて、複数年での合格をめざすのが一般的であり、このような厳しい合格率になっています。
1年に1科目ずつ合格して5年で合格できれば早いほうといわれ、10年以上かかることも珍しくないそうです。毎年多くの方が税理士試験に挑戦し、残念ながら、途中で断念される方も数多くいらっしゃいます。
税理士試験に挫折する主な理由
税理士試験に挫折する理由はそれぞれですが、もっとも多いといわれるのが試験勉強と仕事を両立させることの難しさです。
税理士試験受験者の多くは、実務経験を積める税理士法人や会計士事務所に勤務しながら、試験合格をめざしています。そうした職場は税理士試験への理解があり、さまざまな支援を用意されるケースもありますが、多忙な仕事をこなしながら、勉強を続けるのは想像以上に大変なことです。
そして、早くて5年、長ければ10年以上という長期にわたって、モチベーションを維持するのも非常に難しいことです。試験勉強のための通学や教材には多額の費用がかかりますし、仕事以外の時間の大半は受験勉強に費やすことになり、税理士試験が生活の中心にならざるを得ません。税理士としての将来のために、試験勉強を乗り越えることに価値を見出せなくなってしまう方もいらっしゃいます。
そのほか、ご家庭の事情や健康上の問題など、さまざまな理由で受験を諦めるケースがありますが、なかでも経済的な理由が占める割合は多いようです。
ココまでのまとめ
・税理士試験は長ければ10年以上かかる超難関資格で諦める人も多い。
・仕事との両立の難しさ、モチベーションの喪失、経済的理由などで断念する人が多い。
税理士を諦めても残る経験・スキル
資格の受験経験
仕事と両立させながら、資格取得のために勉強するのは容易なことではありません。勉強時間のやりくりや自己管理、受験費用など、学生時代の受験勉強とは違って、あらゆることを自分で考え、受験する環境を整えなければなりません。
税理士試験には合格できなかったとしても、勉強の進め方や科目合格などの成功体験もあったのではないでしょうか。
また、うまくいかなかった原因をきちんと分析しておけば、失敗から学んだノウハウとして活かせる可能性があります。こうした経験は、ほかの資格試験をめざすときや人材育成に関わる際などに応用することができるでしょう。
税理士科目の知識
税理士合格を断念しても、科目合格の実績が消えることはありません。もちろん、履歴書に記載することができますので、就職や転職でも強みになります。
税理士ではなくても、税務に関する知識をもつ人材を求める企業は多く、科目合格者を高く評価する企業もあります。
科目合格に至らなくても、受験勉強で身につけた税務や会計の知識は、会計事務所・税理士法人、一般の事業会社から自治体などの公的機関まで、あらゆる場所で活かせます。
実務経験
受験勉強によって税理士として必要な知識は身につきますが、机上の知識だけでは不足するという考えから、税理士登録には2年間の実務経験が条件になっています。
実務を通して得た知識や経験はそれだけ貴重なものです。受験勉強と並行して実務経験を積んでいれば、受験勉強と実際の税務業務の両面から知識を得たことになります。
ココまでのまとめ
・資格受験の経験をほかの資格試験をめざすときや人材育成に関わる際などに活かせる。
・税理士合格を断念しても科目合格の実績は残り、評価の対象になる。
・机上の知識と並行して、実務を通して得た知識や経験は貴重。
税理士を諦めた後のキャリア
会計事務所・税理士法人
会計事務所・税理士法人には税理士の業務をサポートする税理士補助という職種があり、税務や会計の知識をもつスタッフが働いています。税理士補助の仕事に携わりながら、税理士試験をめざしていた方もいらっしゃると思いますが、そのまま働き続けて、税務・会計のスペシャリストをめざすという選択肢もあります。
会計事務所・税理士法人の多くは定期的な新卒採用は行わず、経験者を優先して採用しています。会計事務所・税理士法人への転職をめざす場合、求人ニーズにもよりますが、科目合格していると未経験からでも採用される可能性があります。会計事務所・税理士法人では法人の確定申告、相続などの業務で必要になる、法人税法、相続税法、消費税法の科目合格者が歓迎されます。
コンサルティングファーム
確定申告などの税務業務を行わないコンサルティングファームでは、税務の知識を必要とされる場合でも、必ずしも税理士資格はなくてもよいと考える場合があります。
コンサルティング業務では、クライアントの経営状況を管理しやすいように数値で可視化したり、経営全般に関する助言をしたりすることが求められます。
コンサルティング業界でも税務知識に精通した人材のニーズは高いです。M&Aや事業承継では株式譲渡や相続をふまえたビジネススキームの構築が必要となる場合があります。その分野に特化しているコンサルティングファームへの転職では、相続税法など科目合格があると有利になる可能性があります。
事業会社(経理職など)
事業会社における経理職は、企業におけるエッセンシャルワーカーといっても過言ではありません。会計・税務に対する知識は業種や規模に関係なく、適正な企業経営や会社の発展のために必要なものです。
一般的に30代、40代と年齢が高くなるにつれて転職のハードルが高くなる傾向がありますが、経理職については比較的その傾向が緩やかといわれています。会計や税務に精通した人材は、業種を問わず、活躍の場があります。事業会社への転職では簿記論と財務諸表論の科目合格者は即戦力とみなされることが多いです。
資格学校の講師
科目合格した試験科目の講師や通信教育の講師として、税理士試験の受験予備校や簿記の専門学校で働くという道があります。税理士資格の取得を断念した方を積極的に採用している学校もあるようです。
簿記や会計の知識は企業でのニーズが高く、キャリアアップをめざして勉強する人が多いため、科目合格者に代表される税務知識をもつ人材は、講師として安定的な需要があります。受験者に対して、受験勉強のノウハウや失敗を含めた体験談を提供することを期待される場合もあります。
ココまでのまとめ
・会計事務所、税理士法人で法人税法、相続税法、消費税法の科目合格が歓迎される。
・M&Aや事業承継などのコンサルティングでは相続税法の知識が役立つ。
・事業会社の経理職では、簿記論と財務諸表論の科目合格者は即戦力とみなされることも。
・科目合格者を講師として積極採用する受験予備校や専門学校もある。
まとめ
税理士試験を途中で断念したことを、“失敗”と考えて落ちこむ必要はありません。一つでも科目合格していれば、スキルの裏付けとして転職時の強みにもなります。また、試験勉強を通して身につけた知識や経験を活かせる仕事は多く、キャリアの選択肢が広がっているはずです。
科目合格を高く評価する企業もあり、税理士になることを諦めたとしても、税務や経理の仕事に携わるチャンスは十分にあります。税理士試験受験の経験を活かし、前向きに自分に合った転職先を見つけましょう。
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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