税理士科目の免除とは? 免除の条件と活用するメリットとデメリット

税理士科目の免除とは? 免除の条件と活用するメリットとデメリット

超難関の税理士試験には、一定の条件を満たすと試験が免除される「免除制度」があります。免除制度を利用すれば、試験勉強の時間と労力を大幅にカットすることができることから、近年は「試験を受けて科目合格する」から「免除制度を利用して科目合格する」傾向が高まっており、税理士登録者数の約半数が試験免除者となっています(2017年4月から2018年3月に税理士登録した人数)。

今回は、科目免除の条件と、免除制度を活用するメリット・デメリットをお伝えします。

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税理士試験「免除制度」の利用者が増えている

じつは現在、税理士になるためのメインルートは以前の「試験を受けて合格する」から、「免除制度を利用する」に変化しています。

それを証明する具体的なデータを見てみましょう。2018年3月時点で税理士登録者数は77,327人。そのうち、国家試験合格者の割合が約45%、試験免除者が約36%になっています。これだけを見ると、「なんだメインはやっぱり試験合格じゃないか」と思うかもしれません。

では次に、2017年4月から2018年3月に税理士登録した人数と、その概要を見てみます。総数が2,727人に対して、国家試験合格者の割合が約28%、試験免除者の割合が約50%です。さらにここ数年のデータを見ても、最新の数字と同様に「試験免除者数」が「国家試験合格者数」を上回っています。

これらのことをあわせて考えると「近年は急速なスピードで免除者の割合が増えている」といえます。

税務業界以外の多くの人は「税理士」という肩書を聞くと、「難関の国家試験に合格した人なんだ」と思うものです。でも、実態を見ると、「最近は、免除制度を使わずに試験に合格した人のほうが少ない」ことがわかります。

ここで気になるのが「免除制度」の詳細ですよね。詳しく見ていきましょう。

ココまでのまとめ

・現在までの税理士の登録者数を見ると、試験合格者のほうが免除制度を利用した人よりも多い。
・だが、最近は税理士の「免除制度」を利用する人が増えてきている。

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科目免除の条件とは?

日本税理士会連合会のサイトを見ると、税理士になるためには次の4つの方法があると記載されています。

① 税理士試験に合格した者であること
② 税理士試験を免除された者であること
③ 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
④ 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)

これを見てもわかるとおり、弁護士と公認会計士の資格を所有している人は、全科目が免除されて税理士の資格を所有することができます(会計士は税法の研修が必要)。このほかにも、指導する専門科目によって大学の教授なども科目を免除されることがあります。

そして、今回の本題の「②税理士試験を免除された者であること」。こちらが「免除制度」を利用した人ということですが、具体的にはどのような制度なのでしょうか。

税理士法の改正により、「平成14年3月31日以前に大学院に進学」と「平成14年4月1日以降に大学院に進学」で、条件がそれぞれ異なります。

●平成14年3月31日以前に大学院に進学

・商学の修士または博士の学位を有している場合
→会計系の科目(簿記論、財務諸表論)が免除される

・法学または経済学のうち財政学の修士または博士の学位を有している場合
→税法系の科目(選択必修及び選択科目)が免除される

●平成14年4月1日以降に大学院に進学

<会計系あるいは税法系の修士論文を執筆して学位を得て、それぞれの科目に1科目以上合格した者>

・会計学に属する科目等の学位を有している場合
→残る会計系の科目が免除される

・税法に属する科目等の学位を有している場合
→残る税法系の科目が免除される

<会計系あるいは税法系の博士論文を執筆して学位を得た者>

・会計学に属する科目等の学位を有している場合
→会計系の科目が免除される

・税法に属する科目等の学位を有している場合
→税法系の科目が免除される

また、上記とは別に「10年または15年以上、税務署に勤務した国税従事者」は税法系の科目が、「23年または28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者」は会計系の科目が免除されます。

ココまでのまとめ

・公認会計士、弁護士の資格所有者は全科目が免除される。
・税理士法の改正により、平成14年4月以前と以降の大学院進学で科目免除の条件は異なる。

試験科目の免除のメリット・デメリット

税理士の資格を得るうえでは「免除制度」があり、最近はそれを利用する人が増えているということを説明してきました。

税理士試験は「超難関」といわれているため、5科目すべてに合格しようとすると、何年、何十年もかかるケースが珍しいことではありません。そのため、免除制度を利用してその時間と労力をパスできるというメリットがあるのであれば、「ぜひ使いたい!」と思う人が多いのだと思います。

でも、あえてここで「免除制度を利用することのデメリットはないのか?」ということも考えてみます。

まず大前提として、免除制度は国が定めている正式なルールなので、利用することは悪いことでもやましいことでもありません。これをふまえたうえでの話ですが、大学院での論文提出によって科目が免除され、科目を受験合格した人に比べて、その科目にかけた時間数が大幅に少なかった場合、税理士取得後にデメリットを感じることがあるかもしれません。

簡単にいえば、その科目の知識が税理士レベルに達していないのにパスしてしまった場合です。そんなことはないと思いますが、そもそも税理士の資格を取得することはゴールではなく、税理士として仕事をはじめるスタート地点に立ったことに過ぎないので、その実力をもっているかが何よりも大切なポイントです。

ココまでのまとめ

・免除制度のメリットは、勉強にかける時間と労力を大幅にカットできる。
・デメリットとしては、十分な知識を得ないまま税理士の資格を得ると、仕事をはじめてから苦労することもある。

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