受験料は一度に受験する科目数によって変わり、以下のとおりとなっています。
受験願書の所定箇所に受験申込科目数および受験手数料を記入のうえ、受験手数料分の収入印紙を消印をせずに貼付します。
例えば、簿記論と法人税法の2科目を受験する場合には、4,500円の収入印紙を購入し、受験願書の所定の箇所に貼付します。現金・切手・登記印紙・証紙等による支払いはできないため注意しましょう
受験資格・申し込み手順
税理士とは税務の専門家であり、その専門知識を活かして、納税者の代わりに税務署等への申告・申請を行う税務代理業務をはじめとして、税務書類の作成業務または税務相談業務や顧問先企業の会計決算への対応といった税務や会計に関連する業務に幅広く携わります。
税理士になるためには、難関国家資格試験として知られる税理士試験を突破する必要があります。
税理士試験は一体どのような試験内容なのでしょうか。税理士試験について、試験概要を解説します。
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税理士試験は複数の科目にて構成されており、会計学に属する科目2科目と税法に属する科目3科目で合計5科目合格する必要があります。会計学に属する科目は簿記論および財務諸表論でどちらも必須科目となっています。
税法科目は所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税のうち3科目を選択することとなります。なお、この3科目の選択の仕方には以下のルールがあります。
また、税理士試験は科目合格制をとっているため、受験者は一度に5科目を受験する必要はありません。一年に1科目ずつ受験することも可能です。そのため、税理士試験は、難関ではあるものの社会人として働きながらでもチャレンジすることができる試験といわれています。
種類 | 科目 | 必須/選択 | 試験内容 | |
---|---|---|---|---|
会計科目 | 簿記論 | 必須科目 | 計算 100% | |
財務諸表論 | 暗記50% 計算50% |
|||
税法科目 | 国税科目 | 法人税法 | 選択必須科目 | 暗記50% 計算50% |
所得税法 | 暗記50% 計算50% |
|||
相続税法 | 選択科目 | 暗記50% 計算50% |
||
消費税法 | どちらか選択 | 暗記50% 計算50% |
||
酒税法 | 暗記30% 計算70% |
|||
国税徴収法 | 選択科目 | 暗記100% | ||
地方税科目 | 固定資産税法 | 選択科目 | 暗算50% 計算50% |
|
事業税 | どちらか選択 | 暗算70% 計算30% |
||
住民税 | 暗算50% 計算50% |
合格基準点は各科目とも満点の60%です。しかし、採点後の答案の返却は行われず、配点や採点基準については公表されていないため、一般には絶対基準での評価ではなく相対評価といわれています。
試験時間は各120分で、合格発表は例年12月の中旬です。
試験合格者、すなわち5科目合格を果たした受験者には合格証書が郵送されるとともに、発表日に官報に受験地・受験番号・氏名が、国税庁ホームページには受験地・受験番号が掲載されます。そのため、5科目合格のことを官報合格と表現したりもします。
合格点に達しなかった科目がある場合等は、税理士試験結果通知書が郵送されます。
税理士試験は誰もが挑戦できるわけではなく、一定の受験資格を設けています。
受験資格を満たすには、学識、資格、職歴、認定のいずれか1つに該当する必要があります。
それぞれ詳細な規定がありますが、主要な内容をご紹介します。
学識による受験資格としては、大学で法学部といった専門の学部を卒業していなくても、法律学または経済学に属する単位を保有することで受験資格を得ることができます。そのため、比較的要件を満たしやすい受験資格といえます。
また、新規受験の際には受験資格を有することを証する書面として、成績証明書等が必要となるため、前もって準備しておくことが必要です。その他の学識による受験資格として、司法試験合格者や公認会計士試験の短答式試験に合格した者等があります。
種別 | 科目 |
---|---|
法律学に属する科目例 | 法学、法律概論、憲法、行政法、商法、刑法、民法、労働法、国際法 等 |
経済学に属する科目例 | 経済原論、経済政策、経済学史、財政学、国際経済論、金融論、貿易論、会計学、経営学、簿記学、商品学、農業経済、工業経済 等 |
資格による受験資格としては、会計業務の基礎となる簿記の検定試験等があります。
主要な内容としては、上記の事務または業務に通算2年以上従事することで、職歴による受験資格を満たすこととなります。
職歴による受験資格の場合、職歴証明書が必要となるため、新規受験の際には、前もって準備しておくことが必要です。特に、複数の事務または業務を通算する場合、各勤務先からの職歴証明書が必要となるため、注意が必要です。
学識や資格、職歴によらない受験資格として、認定というものがあります。
これは、定められた学識、職歴には該当しないものの、それと同等以上の学識、または類似した事務または業務に2年以上従事している場合、あらかじめ国税審議会の個別認定を受けることで、受験資格を得るというものです。
個別例外的な受験資格であり、もし認定による受験資格を考えている場合、事前に手続等を確認し準備しておくことが必要です。
税理士試験は、一定の要件に該当する場合に試験の一部を免除するという免除規定が設けられています。主要な内容として学位取得による試験免除と実務経験による免除があります。
修士または博士の学位を持つ者は、条件を満たせば試験の一部が免除されます。なお、税理士法の改正により、大学院の進学時期が平成14年4月1日以降か否かで、試験科目の免除要件は大きく異なっています。大学院の進学時期が平成14年4月1日以降のケースを以下に記載します。
修士の学位による試験免除の場合、前提として試験の分野(税法科目、会計学科目)ごとに、いずれか1科目の試験を合格していることが必要となります。そのうえで、自己の修士の学位等取得に係る研究について国税審議会から認定を受けることで、税法科目であれば残り2科目、会計学科目であれば残り1科目にも合格したとみなされ、試験が免除されます。
博士の学位による試験免除の場合、自己の博士の学位等取得に関する研究について国税審議会から認定を受けることで、税法科目に属する学位であれば税法科目の全部が、会計学に属する学位であれば会計学科目の全部が免除されます。
10年または15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除されます。
また、23年または28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除されます。
その他、厳密には免除規定ではありませんが、弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む)または公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む)については、税理士となる資格を有しており、試験を受ける必要はありません。
なお、公認会計士については、従来は特に制限はありませんでしたが、税理士法の改正により平成30年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者については、公認会計士法に定める実務補習団体等が実施する研修のうち、一定の税法に関する研修を修了した公認会計士にのみ税理士資格を付与することとなっています。
各国税局・沖縄国税事務所にて、4月中旬から5月下旬までの期間に交付されます。
交付時間は土曜日、日曜日および祝日等は除く、平日の午前9時から午後5時までとなっており、直接取りに行くことができない場合は、郵送で申込用紙を請求することもできます。郵送による請求の場合は、直接取りに行く場合よりも期限が早めになっていることから注意が必要です。
申込用紙を入手した後は、必要事項を記入し指定された必要書類の用意を行います。必要書類一式を各国税局・沖縄国税事務所に「書留」または「簡易書留」にて郵送します。受付期間は例年5月上旬から中旬ぐらいまでとなっています。
もし、申込書類に不備がある場合には、電話等により補正が依頼されますが、期限までに不備が補正されない場合には、申込書類が受理されないため注意が必要です。また、国税局等に直接持参しても受理されないため、注意が必要です。
なお、郵送以外の方法としてe-Taxにより受験申込をすることもできます。
受験料は一度に受験する科目数によって変わり、以下のとおりとなっています。
受験願書の所定箇所に受験申込科目数および受験手数料を記入のうえ、受験手数料分の収入印紙を消印をせずに貼付します。
例えば、簿記論と法人税法の2科目を受験する場合には、4,500円の収入印紙を購入し、受験願書の所定の箇所に貼付します。現金・切手・登記印紙・証紙等による支払いはできないため注意しましょう
受験申込科目数 | 受験手数料 |
---|---|
1科目 | 3,500円 |
2科目 | 4,500円 |
3科目 | 5,500円 |
4科目 | 6,500円 |
5科目 | 7,500円 |
試験当日には、各科目の試験開始前に注意事項等の説明が行われるため、指定の着席時刻までに必ず着席する必要があります。試験前に会場の雰囲気に慣れておくためにも、余裕を持った行動が重要です。
それ以外の持ち物については、机上および机の中には置かずに、すべてをかばんなどにしまい、足元に置いておかなければいけません。
また、答案の作成には、必ず黒または青インキの筆記用具を使用しなければならないとされています。鉛筆や消せるボールペン、修正テープ等の使用は認められていないため、普段からボールペン等で答案を作成することに慣れておく必要があります。
税理士試験は上記13箇所で行われます。
受験願書提出時に受験地を希望する事ができますが、受験申込者数の状況により希望が通らない場合もあります。受験申込後は受験地の変更は認められません。
実際に試験を受ける会場については、受験願書提出後に返送されてくる受験票に記載のうえ各受験者に通知されます。この際、試験場の希望は受け付けられませんし、受験票に記載された試験場以外では受験は認められません。
また、受験票交付前に電話等で具体的な試験場を問い合わせしたとしても応じてはもらえません。各試験会場については、椅子と机の状態や室温、周囲の騒音等の詳細な状況は当然それぞれ異なってきます。しかし、どのような状況で試験を受けるかは事前にわからないため、どのような状況でも実力を発揮できるようトレーニングしておくことが何よりも重要です。
まずはキャリアアドバイザーに
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