税理士が経営コンサルティング業務を目指すには?
社会保険労務士、税理士・公認会計士、司法書士、弁護士など、いわゆる「士業」と呼ばれる業種では、それぞれの独占業務があり、以前はそれぞれ担う業務が明確に線引きされていました。
しかし近年は、資格者の増加や競争の激化などの状況を受けてボーダーレス化が進んでおり、それぞれの業務が微妙に重なり合う部分で競合も生まれています。その代表的な仕事が経営コンサルティングです。
これからの時代も選ばれ続ける税理士になるためには、経営コンサルティングのマインドが必要とされます。そこで、税理士が経営コンサルタントを目指すためのポイントをご紹介します。
税理士として経営コンサルティングの道を目指すなら、しっかりとしたキャリアプランが必要です。マイナビ税理士では、「経営の視点でクライアントをサポートしたい」という方へ、キャリアアドバイザーが具体的なアドバイスをいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
監修
マイナビ税理士編集部
マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。
税務だけの税理士事務所ではきびしい時代に
成長期のように、日本経済が右肩上がりの時代には、税理士事務所を開業すれば、営業をかけなくてもクライアントを獲得できていました。
しかし、現在では税理士事務所のクライアントとなる中小企業の数が減少しており、ここ数年は顧問契約の解除や顧問料単価の減少 に頭を悩ませる税理士事務所が増えています。
さらに、クラウド会計の導入が進み、従来のいわゆる帳簿記入の代行 がメイン業務だった税理士事務所は、近い将来、会計自動化の波に飲み込まれてしまいます。
今後は、会計ソフトといったテクノロジーにも取り組みながら、同業他社との競争に打ち勝ち、付加価値のある税理士になることが求められます。そうした時代の流れの中で、クライアントから税理士に求められている付加価値も、税務だけでない経営への助言を含めたコンサルティング業務なのです。
税理士と経営コンサルタントはここが違う
一般的に経営コンサルタントの仕事は、会社の経営状況を分析・判断しながら、将来的な経営対策について提言をしたりアドバイスをしたりすることがメインの業務になります。
一方、税理士の場合は、経理関連の帳票から税務申告、節税対策などについて、税法の専門家としてアドバイスを行うことがメインの業務になります。
税理士が経営コンサルティングを行うことのメリットは、資金繰りや帳簿の管理など、クライアント企業の財務状況の実態を把握しているからこそ、経営全般についての的確なアドバイスがもらえる存在として信頼され、期待されているという点です。税理士が企業の経営コンサルタントも行えるような知識やスキルを身に付ければ、こうしたクライアントのニーズに応えられるようになり、業務の幅が確実に広がります。
経営 コンサルタントになれる税理士は限られる
それでは、税理士が経営コンサルタントになるためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。一般的に経営コンサルティングを行うために求められる資質には、次のようなものがあります。
・経営に関する幅広い知識
・クライアントから本音を引き出すヒアリングスキル
・情報処理能力(ITスキル)
・プレゼンテーションスキル
税務や会計のプロである税理士は、財務数値を分析することでクライアント企業の経営状況を把握することは得意でしょう。しかし、コンサルタント業務を担うためには、そこからさらに踏み込んで、財務状況に応じてその企業の経営に対する最善策を考え、提案するプレゼンテーション能力が求められます。
つまり、税務に関する知識が豊富で計算に長けた税理士であっても、発信力のない税理士は、コンサルタント業務には不向きだといえます。
税理士 が経営コンサルタントになるために必要なこと
経営コンサルタントは、税理士や公認会計士のように国家資格を取得しなければできない仕事ではありません。経営コンサルタントを評価する目安として、MBAの学位や中小企業診断士の資格を有しているかという点がありますが、こうした学位や資格がなければコンサルタント業務ができないというわけでもありません。
企業経営者は、いわば経営のプロです。そのため、経営者からコンサルタントとして認めてもらうためには、MBAの学位や中小企業診断士の資格を取る意気込みで勉強をする意欲が必要です。
経営者が税務に強い税理士に求めるアドバイスには、スタートアップ支援、経営計画の策定、財務コンサルティング、株式公開、M&A、事業承継、組織再編、事業再生、海外進出支援など、多岐にわたります。その中で、自分の強みとする分野を絞り込み、業界事情に精通するために人脈を広げる努力なども、税理士が経営コンサルタントになるためには必要不可欠です。
このように経営コンサルタントになるためには多くの強みや経験が必要です。多くの経験を積むためには、多くの経験に携われる職に就くのが一番の近道です。
マイナビ税理士では、あなたのキャリアアップに繋がる転職先をご紹介させていただきます。
コンサルティングファーム なら税理士とコンサルティングを両方できる
税理士の就職先や転職先としては、従来は会計事務所や税理士法人がメインでした。しかし最近では、税理士業界の競争激化の影響を受けて、コンサルティングファームで税理士資格を活かし、活躍する税理士が増えています。コンサルティングファームには、おもに次のような種類があります。
総合系
総合系コンサルティングファームは、企業の事業戦略の策定からシステム構築など、経営全般に関してあらゆるサービスを提供します。
戦略系
戦略系コンサルティングファームは、おもに大企業や外資系企業をクライアントとして、M&Aなども含めた経営戦略などについてコンサルティングを行います。
シンクタンク系
シンクタンク系は、いわゆる「研究所」としての役割を持っているコンサルティングファームで、経済調査・官公庁向けのリサーチ、ITコンサルタント、マネジメントコンサルティングなどを行います。
企業・事業再生系
企業・事業再生系コンサルティングファームは、業績が著しく悪化した企業の再生を、専門的に手掛けています。
IT系
IT系コンサルティングファームは、システム構築やITを使ったビジネスに対するサービスを提供しています。
マーケティング系
マーケティング系コンサルティングファームは、広告を使ったマーケティングに対するサービスを提供しています。
人材系
人材系コンサルティングファームは、人材戦略、採用、評価などに対するサービスを提供しています。
この中で税理士資格が評価されるのは、財務・会計との関係が深い総合系、企業・事業再生系のコンサルティングファームです。
逆に戦略系や人材系など、税務との関係が薄いコンサルティングファームでは、評価されにくい傾向があります。自分の強みを発揮できる分野を選び、転職するのもおすすめです。
コンサルティング業務ができる税理士を目指すなら
経営コンサルティングを目指すには、税理士の仕事を捨てなければならないということはありません。
税理士としての本来の仕事をこなしつつ、コンサルタント業務も行う「二足のわらじを履く」ことも可能です。どのような働き方があるのかご紹介しましょう。
会計系コンサルティングファームで活躍する
税理士の仕事とともにコンサルタント業務も行うなら、会計系のコンサルティングファームへの転職が有利です。
会計系のコンサルティングファームの場合、税理士法人の子会社や、そこから独立した会社も多いため、税理士とコンサルタント業務の両方のキャリアを積むことが可能です。
新たな資格を取得する
税理士資格は、税務・税法に関する専門家であることを示す資格です。それと同様に、経営に関する知識を有していることを示す資格に、中小企業診断士の資格があります。
税理士資格とは異なり、独占業務を有する資格ではありませんが、資格取得の勉強の中で、経営アドバイスに必要な知識を身に付けることもできます。
中小企業診断士の資格は、試験に財務・会計などの内容も含まれるため、税理士資格を有している方であれば、比較的取得が容易です。
また、国際税務のコンサルタントを目指す場合には、ビジネス英語力は必須となります。
TOEICで最低700点程度のスコアを獲得しておくと、国際税務を担うコンサルティングファームへの転職に有利に働きます。
コンサルティング力を身に付けて選ばれる税理士に!
これからの税理士にとって、経営コンサルティング能力は必要なスキルといえます。ただし、税理士資格があれば、誰でもコンサルタントになれるわけではありません。
コンサルティングファームに転職することが、税務のコンサルティングに特化した経験やスキルを身に付け、選ばれる税理士になるための近道ともいえます。
そのためには、転職エージェントなどを活用して、自分のキャリアアップに役立つコンサルティングファームを見極めていくといいでしょう。
マイナビ税理士を利用して
転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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