税理士に将来性はない?税理士から見たリアルと活躍のポイントを解説
「税理士に将来性はない」と耳にするようになりました。実際、税理士試験の受験者数も減少しています。難関資格のひとつであり、かつては「合格すれば将来がある」と言われましたが最近は不安視する人も出てくるようになりました。税理士の将来性は実際どうなのでしょうか。税理士目線で見たリアルと生き抜くためのポイントも含めて解説します。
税理士の将来性に対する不安を解消し、確かなキャリアアップの道筋を描くために、マイナビ税理士の転職サポートをご利用ください。業界専任のキャリアアドバイザーが税理士市場を踏まえて、適切にアドバイスいたします。
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「税理士に将来はない」と言われる理由とは
なぜ「税理士に将来性がない」と言われるのでしょうか。背景には、次のような事情があります。
有資格者数、資格登録者の減少
令和5年1月末現在の全国の税理士登録者数は80,467名となっています。登録者数は増加傾向にありますが、税理士試験の受験者数は減少しています。国家試験に合格する「試験合格者」の割合が減少し、大学院税法科の修士課程修了者、税務署OBなどの「試験免除者」、公認会計士、弁護士の有資格者による登録が登録数の増加を支えています。
税理試験受験者の中心となる若年層より、税務署OBの中高年世代の数が多いことも影響しており、この傾向はしばらく続くと見られます。
その一方、試験合格者の減少により、税理士制度の存続を懸念する声もあります。
会計ソフト・クラウドサービスの普及
税理士法人や会計事務所は、記帳代行や税務申告が業務の大部分を占めています。会計ソフトの機能向上や低価格のクラウド型サービスの登場により、納税者自ら記帳や申告をするケースが増えました。
AIやRPAの普及でこの傾向はますます進むと見られています。「入力や仕訳などITで代替できる業務は、税理士に依頼されなくなるのではないか」と見る人もいます。
インターネット・SNSによる情報提供
税務・会計という専門知識は以前、セミナーや書籍など対価を払う形でなければ入手できませんでした。税務署にも多数手引きがありますが、どれも一般人には読みにくいものです。
しかし最近はインターネットやSNSの普及で税務や会計の知識を無料で身につけられるようになりました。結果「税理士がいなくても自分で何とかなる」と考える人が増えているようです。
<ココまでのまとめ>
・税理士試験の受験者数の減少で税理士制度の将来を懸念する声がある
・会計のクラウド化や無料情報により納税者自らが記帳・申告しやすい雰囲気になってきた
税理士自ら「税理士に将来はある」と言う理由
税理士である筆者は、上記の事情を踏まえても「税理士に将来性がある」と考えています。次の理由からです。
税理士試験のハードルが下がった
1つ目は税理士試験のハードルが下がったことにあります。2022年度税制改正により、税理士試験の受験要件が緩和されました。
大学院を選択する人が増えている
最近は、税理士試験で全科目合格を目指すのではなく、大学院で科目を履修して税理士資格を取得する人が増えています。税理士試験はその難しさから長丁場になりやすいため、時間短縮の一つとして選択する人が多いようです。また、税理士試験にはない知識も得られることから、大学院を積極的に選択する人も少なくありません。
税制は年々複雑化
税金のしくみは年々複雑化しています。最近だと、所得税は2020年分から一気に難しくなりました。基礎控除額の引き上げや配偶者控除制度の改正などがあったためです。また、2023年10月からはインボイス制度も始まります。それまで消費税にかかわりのなかった小規模事業者も消費税の申告・納税を無視できなくなるのです。
こういった複雑な制度は、無料のネット情報では太刀打ちできません。ポイントを押さえて全体を把握し、的確な処理と助言ができる税理士が必要なのです。
税務・会計の知識がないと記帳は難しい
クラウド会計などの普及で、一般の人でも記帳ができるようになりました。しかし、だからといって記帳業務がなくなるわけではありません。正しい記帳には税務・会計の知識が必要だからです。
クラウド会計が一般の人に普及したのは「入力しやすい画面だから」です。仕訳日記帳のような借方・貸方に分かれている画面でないだけの話です。また、正しく入力しようとするなら、勘定科目の種類や経費になるかどうかの判断、消費税の区分の知識が必要です。さらに入力そのものもかなりの手間となります。正しい申告には専門知識が不可欠なのです。
<ココまでのまとめ>
・税理士試験が受けやすくなった
・大学院で科目を履修し税理士になる人が増えている
・税制の理解や記帳は一般の人にはハードルが高い
税理士として将来活躍する4つのポイント
「税理士の将来性はある」と言っても、何もせずに生き残れるわけではありません。今ある環境を活用したり、強みをみがいたりする必要はあります。
ITツールの活用による効率化
今、会計のクラウド化のほか、自動仕訳機能を備えた会計ソフトが増えています。取引データを金融機関口座から直接読み込んだり、請求書や領収書をスキャンしたりすれば自動的に仕訳を行えるのです。
こういった機能を活用すれば単純作業を効率化し、生産性の高い業務に注力できます。
特化する分野を決める
経済の多様化と税制の複雑化により、特定の分野に限定して税務を行う税理士が増えています。資産税・国際税務・M&Aなどが目立ちます。深い知識と経験値が求められますが、その分やりがいもあります。
自分の強みを活かす
税務以外に語学やIT技術など、特技があるならそれを活かすといいでしょう。語学であれば非居住者の税務に関わりやすくなります。また、ITツールを使うのが好きなら、業務の効率化で差別化できるかもしれません。
「あたりまえ」を愚直にこなす
社会人としてのマナーや礼儀を守るのも重要です。税理士業も接客業の一つです。「きちんと挨拶をする」「期日を守る」「ていねいにコミュニケーションをとる」などは、人としてかかわる業務なら必ず求められます。特殊な技能があっても、こういった社会人としての「あたりまえ」ができなければ信頼されません。
逆に言うなら「あたりまえ」を一つひとつ守れば、特別な強みがなくても、人から信頼され、顧客を増やすことができます。
<ココまでのまとめ>
・強みを活かしたり分野を特化したりすると差別化できる
・強みがなくても社会人としてのマナーや礼儀を守れば活躍できる
転職・就職先ごとの特徴
会計事務所ごとに業務や顧客の特徴は異なります。タイプ別で確認していきましょう。
資産税
資産税特化型の事務所は、相続税・贈与税の申告が業務の中心となります。顧客は、親の相続が生じやすい40~60代が比較的多いです。国内の非上場株式や不動産のほか、最近は海外資産の扱いが課題となる場面が増えている模様です。相続税法以外の知識や経験値も求められます。
国際税務
国際税務は、海外の現地の会計事務所や他士業との連携が重要となります。日本法だけでなく非居住者や法人、財産が所在する現地の法律も影響するからです。語学力は必要ですが、それ以上に法律や異文化への理解、調査能力が問われます。
事業承継・M&A
中小企業では最近、社長の高齢化により事業承継の問題が深刻化しています。親族内承継がこれまでの主流でしたが、最近はM&Aに注目が集まるようになりました。組織再編税制についての知識や判断力だけでなく、いかに円満かつ潤滑に物事を進めるかの力が試されます。
一般的な会計事務所
顧問業を主とする一般的な会計事務所では、法人・個人の記帳や税務申告のほか、年1~2回の相続税申告などがあります。最近では、インボイスや電子帳簿保存法にも対応しなくてはなりません。「特化型に比べてラク」ということはありません。常に勉強が求められます。また、顧客との関係を良好にすべく、人間力も問われます。
<ココまでのまとめ>
・特化型でも一般形でも、常に勉強が求められる。
・案件をとどこおりなくこなすには、人間力も必要だ。
まとめ
雑誌やメディアでは「税理士に将来性はない」と言われがちです。しかし、実際に業務や周辺動向を見ると、これからはますます税理士が必要とされることが分かります。ただし、何もしないでいいわけではありません。「どういう仕事がしたいか」「どのようなお客様に貢献したいか」などで自分の方向性を定め、自分の能力をみがいていくことが求められます。
自分自身の強みを探し、みがいていくためにも、まずは動きましょう。情報収集や転職活動をマイナビ税理士がサポートいたします。
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