国際税務を希望する税理士が転職を成功させるためには?
税理士法人において、「国際税務」は、どのような仕事をしているのでしょうか?
税理士試験ではほとんど出題されない分野のため、税理士の資格をもっている人でもイメージが湧かないこともあるかもしれません。そこで今回は国際税務について解説します!
監修
マイナビ税理士編集部
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国際税務の仕事
国際税務とは、国境をまたいで行われる取引で発生する課税について有効なアドバイスを提供する仕事を指します。
1つの国だけで行われる取引の場合は、所得にかかる課税権はその国にあり、その国の税法に従って税額が算定されます。いたってシンプルな話です。ところが、2つ以上の国が関わる取引の場合はこうはいきません。それぞれの国の税法や租税条約などを鑑みて、どの国に課税権があり、いくら課税できるのかを判断する必要があるのです。
たとえば日本企業のZ社が海外の“ある国”に進出することになったとします。その際、現地に支店をつくるケースと、子会社を設立するケースの2つの選択肢をもっていたとします。
支店をつくった場合、外国税額控除が適用できる前提でいくと、日本で定められている法人が支払う実効税率は約30%ですが、“ある国”の法人税率が10%とすると、その国に利益の10%を支払い、残りの20%を日本に納めることになります。
一方、子会社を設立した場合です。“ある国”で税金(10%)を支払った後の90%を日本国内の親会社に配当すると、日本では配当金額の5%が課税対象になります。仮に、全体の利益が10億円とすると、10億円×90%×5%(配当金額の課税対象)×30%(日本の法人税率)=0.13億円が日本に納める税金になります。
こうして比べると、海外に子会社を設立したほうが圧倒的に節税できることがわかりますが、実際はこの計算どおりに進むわけではありません。さまざまな状況が考えられるのが現実なので、国際税務の税理士はこの前提と状況を踏まえたうえで、クライアントにとって有効なアドバイスを行います。
これが国際税務の税理士が行う仕事の一例です。
ココまでのまとめ
・国際税務は国境をまたぐ取引にかかる課税についてアドバイスを行う。
・さまざまなケースを鑑みて有効なアドバイスをする。
国際税務への転職には英語が必須?
「国際税務の仕事をしたい」と考えると、やはり最初に気になるのは「英語力は必須なのかな?」ということでしょう。
実際のところ、グローバルで仕事をする業務のため、英語力はあるに越したことはないと思いますが「入社前から高度な英語力が必須ではない」ようです。Big4の1社の国際税務に関するページを見ても、入社前から英語が堪能だった人材は少数で、入社後に仕事を通して身に付けて国際税務の仕事をしている人が多数いるとあります。
必要な知識に関しては、税理士試験の分野でいえば「法人税」「消費税」が役に立つそうです。知識以外では、ロジカルに考えることができる能力をもった人、好奇心が強い人が向いているそうです。
ちなみに、より具体的にイメージできるように、現在求人サイトに掲載されているBig4系の国際税務の求人内容を下記に記載します。
<応募条件>
・税理士(または税理士試験科目合格者)、公認会計士、またはUSCPA
・会計税務経験(税理士法人、監査法人、一般事業会社、金融機関など)
・英語力(TOEIC700以上、あるいは同等程度の英語力があれば望ましい)
<歓迎するキャリア>
・税務コンサルティングおよび法人税申告書作成業務の実務経験者(3年以上)
・大手税理士法人での法人税務経験者
・大手監査法人で監査業務・内部統制構築支援の経験者
・一般事業会社・金融機関等における国際税務・移転価格業務の経験者(海外子会社管理業務を含む)
<求める人材像>
・クライアント対応力・コミュニケーション能力の高い方
・チャレンジ精神旺盛で、論理的思考力の高い方
やはり、英語力は「望ましい」になっていて、「チャレンジ精神旺盛」な人が求められていますね。国際税務に興味のある方はほかの項目などもチェックしてみてください。
ココまでのまとめ
・国際税務への転職で「英語力」は必須ではない。
・税理士試験では「法人税」と「消費税」の分野が役に立つ。
今後国際税務は税理士にとってマストになる?
グローバル化が加速している現在、近い将来、日本人税理士にとって国際税務のスキルはマストになる日が来るかもしれません。
国内大手企業の海外進出もめざましいですが、いまは海外企業が日本にどんどん進出してくる時代です。国内企業も、日本は少子高齢化の一途をたどっているため、より広いマーケットを求めて海外にさらに出ていくのは確実ですし、グローバル化の波によって国境を越えて当たり前のように仕事をする時代がやってくるでしょう。
つまり、国際税務のニーズはこれから高まっていくと考えられているのです。
そのため、若手税理士の方は早い段階から国際税務の分野に飛び込んで、キャリアを積んでおくのも将来に向けて良い方法かもしれません。国内だけで仕事をしていた人や英語力が乏しい人にとっては大きなチャレンジですが、そこで苦労した経験が将来、大きくなって自分自身に返ってくる可能性があります。
ココまでのまとめ
・グローバル化が加速する現在、国際税務はマストになるかもしれない。
・若いうちから海外に飛び込んでおくと、その経験が将来大きくなって返ってくる可能性も。
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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