一般企業で働く税理士 仕事の内容・年収・会計事務所との違いなど
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税理士の資格を保有している人は、会計士・税理士事務所で働いている人ばかりではありません。
税理士は1人ひとり、それぞれ多様なキャリアの歩み方があるのです。
では実際に、どのような働き方があるのでしょうか?
税理士のキャリアパス
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税理士のメインのキャリアパスといえば、税理士法人または会計事務所で働くことでしょう。ただ、このメインの道でさえも、求められる能力や培われていくスキルには大きな違いがあります。
たとえば、Big4と呼ばれる大手税理士法人で働いた場合、ある分野のスペシャリストの道を歩むことが多いようです。
一般的に、所属先が大手になればなるほど、仕事は細分化されるので、1つのことを掘り下げるキャリアになることがよくあります。M&Aに携わる部署に配属されれば、日々、M&Aの知識と経験を培い、M&Aのスペシャリストになっていくことでしょう。
一方で、中規模または小規模の会計事務所に転職した場合。クライアントは個人事業主や中小企業になることが一般的です。歯科医、飲食店、フリーランス稼業など、クライアントの業種・職種もさまざまなので、求められるスキルも多岐にわたります。
そのため、大手のように1つの道のスペシャリストというよりも、全方位型のゼネラリストの道を進むことが多くみられます。
ほかにも、「特化型の会計事務所」というものがあります。これは中小の会計事務所で「資産税」や「SPC(特別目的会社)」に特化している事務所のことです。その名のとおり、特化型なので大手と同様にスペシャリストをめざすことになります。
大手と違って、掘り下げる分野が明確なので、「自分が本当にその分野のプロになりたいか」を転職前に考える必要があるでしょう。このようにメインの道も細分化することができます。しかも、税理士はこれだけでなく、さらに幅広いキャリアパスも用意されているのです。
ココまでのまとめ
・税理士のメインのキャリアは税理士法人または会計事務所。
・そこでも大手、中小、特化型など、さまざまなキャリアパスがある。
税理士は一般企業で働くことも可能
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税理士は一般企業で働くことも可能です。
一般企業では経営企画部門や経理部門に配属されることが一般的で、最も多いパターンである経理部門では、各種決算業務や有価証券報告書の作成を中心に行うことになるでしょう。
税務だけでなく、幅広い分野のスキルを身につけたいと考える人は、税理士法人や会計事務所ではなく、一般企業を選択するようです。
収入は、企業規模によって異なることが多いといわれています。たとえば、一部上場企業の場合は高度な税務業務を行っていて、税理士として入社する場合はそれらを担当することになるので、収入面でも厚遇されることがあるのだとか。
中小企業の場合は、税理士法人や会計事務所と比べて、とりわけ高収入というわけではなさそうです。
税理士が一般企業で働く魅力の1つは、税務のプロフェッショナル以外の道で活躍するプロフェッショナルと共に働くことができる点でしょう。
また、福利厚生やワークライフバランスを重視して、税理士法人ではなく一般企業に転職するという人もいるようです。ベンチャー企業の場合はリスクがあるものの、税理士がCFOなどの役員クラスで転職するというケースも実際にあります。
「自分は一社員では終わりたくない。経営陣に名を連ねたい」と考える人にとっては魅力的な選択肢かもしれません。
ココまでのまとめ
・一般企業は税務だけでなく幅広い分野のスキルを身に付けたい税理士向け。
・ベンチャー企業では役員待遇で転職できるケースも。
満足するキャリアパスをつかむには?
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これまでに説明したとおり、税理士にはさまざまなキャリアパスがあります。
でも、その人が歩むことができるキャリアパスは1本の道でしかありません。その道は「違う」と思えば後戻りしたり、横道に入ったりすることができますが、成長を続けるためには明確に定めたキャリアの道をコツコツと歩み続けることが不可欠でしょう。
では、どうしたらキャリアの道を定めることができるのでしょうか?
それは、ビジョンをもつことです。税理士試験の勉強をしていた時代に「自分は税理士試験に合格したら、こんな税理士になるんだ」と夢を見たことが誰しもあったと思います。いま、その夢に近づいていっていますか?
その夢と違うほうへ行っていることが悪いということではありません。しかし、もし、何も考えることなく現状に流されているのだとしたら、それは一度考え直してみたほうがよいかもしれません。
ビジョンとは、自分のなりたい未来の姿をイメージすることです。「海外のクライアントとも仕事をする税理士になりたい」「個人に感謝される税理士になりたい」など、人によってそのイメージはさまざまでしょう。
だからこそ、自分が歩むべきキャリアの道が見えてくるのだと思います。この機会に一度、税理士としてのキャリアパスをあらためて考えてみませんか?
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