年収1000万円超の高収入税理士になる方法 税理士法人の年収は?

年収1000万円超の高収入税理士になる方法 税理士法人の年収は?

高収入を目指している税理士さんは多数おられることでしょう。それでは、実際に現在の税理士の平均年収はどのくらいなのでしょうか?

本記事では、税理士の平均年収や、年収1000万円以上を目指すために行うポイントについてご紹介します。税理士で高収入を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

将来の収入を増やしたい税理士の方や、現在の年収・将来性に不安を感じている方は、ぜひマイナビ税理士のキャリアアドバイザーへご相談ください。幅広い視点でサポートし、強みを引き出しながら最適な転職先をご提案いたします。

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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター

2000年中央大学法学部法律学科卒業。㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て、2012年税理士登録。税金の正しい知識を広めるべく、WEBを中心に多数の記事執筆・税務監修を行う。分かりやすい解説に定評がある。共著「海外資産の税金のキホン」(税務経理協会、信成国際税理士法人・著)。

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税理士の平均年収って?

現在の税理士の平均年収はどのくらいでしょうか?気になって調べてみたところ、合格までに数年かかることが一般的な難易度の高い国家資格だけあって、「サラリーマンの平均年収よりも高い」ようです。


その額は約700万円と言われていて、小規模の税理士法人で600万円、大規模なところで900万円ぐらいのようです。
これでも十分に高額ですが、税理士を含む「士業」の魅力は、実力があればさらなる高収入を得られるという点ではないでしょうか。

実際に、開業税理士の平均年収はもっと上といわれていますし(約3,000万円という話も)、勤務型税理士でも大手税理士法人の役員クラスにまでのぼりつめれば、年収1,000万円以上も夢ではない世界です。
要は、税理士は自分の努力次第で夢を掴める職業ということです。
でも、ただガムシャラに頑張るよりも、先人たちが築いた方法を知っておいたほうが近道を選択できる可能性があります。

そこで今回は、高収入を掴む方法を探ってみたいと思います。

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高収入税理士になる方法①「BIG4に入社する」

1つ目の方法は「BIG4や大手の税理士法人に入社する」です。
BIG4とは、世界4大会計事務所のことです。具体的には「デロイトトウシュトーマツ(略称:デロイト、DTT)」「プライスウォーターハウスクーパース(略称:PwC)」「アーンスト・アンド・アング(略称:EY)」「KPMG」を言います。


この4大会計事務所は、日本に税理士法人を持っています。
税理士業界でいうBIG4はこの4大税理士法人を指し、それぞれ次のようになっています。

  • ・デロイトトーマツ税理士法人(デロイトトウシュトーマツ)
  • ・税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(プライスウォーターハウスクーパース)
  • ・EY税理士法人(アーンスト・アンド・アング)
  • ・KPMG税理士法人(KPMG)

この4大税理士法人は、給与が高いといわれています。
BIG4全体での平均年収は800万円だと見られますが、キャリアによって年収は次のようになる模様です。

  • ・スタッフ(20代前半)…450万~650万円
  • ・シニアスタッフ(20代後半~30代前半)…550万~800万円
  • ・マネージャー・シニアマネージャー(30代後半~40代前半)…800万~1,000万円以上
  • ・ディレクター、パートナー(40代後半~50代前半)…1,500万円以上

もちろん、そのぶん、仕事のハードルは高くなります。
しかし順調にいけば管理職で1,000万円、役員で1,500万円と、さらなる給与アップが可能です。
実際に、BIG4には30代の管理職もおり、「30代で年収1,000万円は実現可能」ということになります。


ですから、「何としても高収入を狙いたい」と考える人は、BIG4に入社することがそれを実現するための1つの方法といえるでしょう。
ただ、当然ですが、BIG4の入社倍率は高く、入ってもずっと高収入が確約されているわけではありません。
管理職、役員になれるのはほんの一握り。高収入を手にするためには、厳しい出世競争があります。

「入社したくてもできない」「それでもキャリアを積みたいし、高収入を狙いたい」というのであれば、山田&パートナーズや辻・本郷税理士法人といった国内の大手税理士法人も選択肢に入れるといいでしょう。


平均年収はこういった税理士法人もBIG4に引けを取らない高度な税務を行っています。平均年収はやや下がりますが、管理職を狙えば1000万円超の年収が得られますし、今後の高収入につながるキャリアも積めるはずです。

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高収入税理士になる方法②「得意分野がある税理士を目指す」

2つめの方法は「“得意分野”を徹底的に磨き上げる」です。
「この分野はアイツに任せれば間違いない」と思われるような税理士になれば、年収アップにつながる可能性があります。

最近は、グローバル化の影響で「国際税務」のニーズが高まっています。また、少子高齢化や2015年1月以降の相続税の増税に伴い、資産税に強い税理士も求められています。国際税務や資産税は、どちらも難易度が高いのが特徴です。


国際税務は、租税条約や非居住者課税の取扱い、海外の取引の際の税務だけでなく、海外の税法もある程度知らなくてはなりません。資産税は、財産評価だけでなく、小規模宅地等の特例や譲渡所得の特例の適用の可否の判断がかなり細かく、一歩間違えるとトラブルの元につながります。

研究し、その道のプロとなるには、かなりの努力が必要です。ですが、その分、ほかの税理士との差別化が図れます。
なお、変化の速い現在はニーズが随時変化していきます。インターネットや新聞で情報収集を積極的に行ったり、あるいは同業者やクライアントとの会話から、強みにする分野を見定めていくといいでしょう。

また、税理士法人に入社してから最初の5年が得意分野を築くうえで大事な期間といわれています。この期間にさまざまな業務を積極的にこなし、「自分に何が向いていて、何が不向きか」を考えながら、強みとしていく分野を見定めるようにしましょう。

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高収入税理士になる方法③「大手の一般企業に入社する」

3つ目の方法は「あえて大手の一般企業に入社する」です。
「税理士になったら(あるいは税理士を目指すなら)会計事務所」と考えている人にとっては、意外な選択肢かもしれません。けれど、実は大手企業での税理士のニーズは非常に高いのです。

ヒト・モノ・カネが国境を越えて行き来するようになった現在、大手企業の事業もグローバルに展開されています。


ここで一つの壁となるのが「税務」です。海外の子会社からの仕入は現在、外部の取引先からの仕入と同じようには扱われません。また、海外取引が絡むと消費税の扱いは複雑になります。
仮に国内にしか事業を展開していないとしても、年々難しくなる税制は大手企業にとって高いハードルです。


特に、2023年10月からスタートするインボイス制度や2022年1月に始まった改正電子帳簿保存法は、内容が非常に細かく、普通の経理では太刀打ちできません。

こういった問題は、顧問税理士に相談すれば解決するかのように見えます。
しかし、税理士への相談は多くても月に1回、巡回監査のときくらいしかありません。一方、経理業務は日々行われます。


毎日会計ソフトに入力する仕訳も、一つ一つに税務判断が必要です。新たな事業を展開するのであれば、その都度、どういった税務上の問題があるかを見極めなくてはならないのです。

つまり、大手企業の現場は、「顧問税理士さえいれば安心」なわけではありません
変化の速い現在、スピーディに事業を進めていくには、税務に強いプロフェッショナルが社内に求められるのです。


大手企業の社内税理士となれば、大手ならではの高収入だけでなく、手厚い福利厚生も保障されます。
確定申告時期に残業をくりかえすこともありません。
それでいながら、「大手企業の社内税理士」という、めずらしい経歴も得られます。大手企業で税理士として活躍すれば、自分の時間を確保しつつ、高収入を得てキャリアを積むことができるのです。

まとめ

得意分野を築き、差別化につながるキャリを積み重ねていけば、独立開業をした後も明るいものとなります。

冒頭でも書いた通り、開業税理士の平均年収は勤務型税理士よりも高いのが一般的です。
ほかにない強みを手にし、高収入からコツコツ開業資金を貯めていけば、独立開業後の事業展開が早くなり、さらなる年収アップを図れるようになるでしょう。自分なりに戦略イメージを描けば、よりよい転職活動につながるはずです。


ぜひ、今回ご紹介した選択肢を検討してみてください。

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