税理士法人・事務所への就活におすすめの時期は8月?それ以降?注意点も解説

税理士法人・事務所への就活におすすめの時期は8月?それ以降?注意点も解説

就職活動では、大学3年生の3月に就活サイトをオープンしてエントリーを開始し、大学4年生の春~夏にかけて面接を受けて秋頃までに正式内定を得るのが一般的です。

一方で、税理士を目指す方の就職活動は、8月の税理士試験、11月の合格発表というスケジュールに合わせた業界独自のタイミングとなります。一般的な流れとは異なることから、せっかくの機会を逃してしまったり、焦って望まない就職をしてしまったりするケースは後を絶ちません。

そこで本記事では、税理士を目指す方に向けて業界特有の就活時期と、メリット・デメリットを詳しく解説します。「タイミングを逃さずに就活を進めたい」「自分が求める条件の職場を見つけられる可能性を高めたい」という方は、ぜひ最後までご一読ください。

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新卒でもOK!税理士業界は『売り手市場』

税理士業界の求人倍率は、厚生労働省(2024年8月調べ)によると一般的な職種の平均1.23倍を上回る約2.4倍という状況で『売り手市場』だといえます。売り手市場とは、求職者(売り手)よりも求人企業(買い手)の方が多い労働市場のことです。

採用意欲が高いため、社会人・大学生に限らず就職できないという心配は無用です。むしろ、税理士事務所や会計士事務所は慢性的に人手が足りない状況のため、年間のシーズンを問わず、採用活動を行っているところも少なくありません。

以前は税理士試験の5科目合格者のみを採用していたところも、1科目だけ合格している人も採用対象にするなど、昔と比べて採用のハードルは確実に下がっているといえるでしょう。

参照:一般職業紹介状況(令和6年8月分)について|厚生労働省

参照:税理士|厚生労働省 Job tag

税理士法人・事務所が多忙な時期でも求人はある

2月から3月の確定申告期、そして5月の法人税申告時期や10月の法人税申告期限は税理士業界の繁忙期として知られています。こうした多忙な時期であっても求人は途切れることなく、むしろ大学生を含め採用を積極的に行う事務所も少なくありません

税理士業界では、税務・会計の実務経験を持つ人材が不足しているため、即戦力となる人材を常に求めています。一部では繁忙期に向けた準備として、または繁忙期を乗り越えた後の体制強化として、年間を通じて採用活動を行っています。

近年は、電子申告(e-Tax)の普及や会計ソフトの進化により、業務効率化が進んでいます。それでもなお、専門的な判断や顧客とのコミュニケーションが必要な場面は多く、人材需要も衰えていないのです

では、就職時期が通年ある中でも、どのタイミングがもっともよい時期なのか。次では、税理士を目指す方にむけて就職におすすめの時期を紹介します。

税理士法人・事務所への就活におすすめの時期は8月(試験直後)

税理士法人・事務所への就活におすすめの時期は、閑散期にあたり、採用活動に注力している8月(試験直後)です。ライバルは多いものの、税理士試験を受験した人材の多くがこの時期から就活をはじめるため、新卒・未経験者も同じスタートラインに立てます。

また新卒の方の場合は、一般企業のように4月入社にこだわる必要はありません。むしろ、欠員募集の場合は4月まで待てないケースも多く、即戦力として早期入社を望む事務所もあります。

なぜここまで税理士法人・事務所への就活におすすめの時期に8月をおすすめするのか。以下では、その理由を2つに分けて解説します。

選べる求人が多いから

8月から11月にかけては、税理士業界の求人のピークシーズンです。確定申告や決算業務が一段落し、新たな人材の採用・育成に時間を割ける閑散期だからです。

同時期には、大手税理士法人から個人事務所まで、さまざまな規模・特色を持つ事務所の採用活動が活発化します。特に9月から10月にかけては、年間でもっとも求人数が多くなる傾向にあり、複数の事務所を比較検討しながら、じっくりと選考を進められる時期といえます。

税理士法人・事務所への就活で見逃せない給与条件や勤務地、専門分野など、自らの希望する条件にマッチする求人を見つけやすい環境が整っているのです。

早めに実務経験を積めるから

8月から税理士法人・事務所への就活をスタートできれば、年内や年明け早々の入社も可能になります。税理士になるためには2年以上の実務経験が必要ですが、早期に入社できれば実務要件を勉強と並行して満たすことができます

税理士は、一般的に11月から5月が繁忙期です。確定申告・決算・年末調整・法定調書などに追われる繁忙期前に入社できれば、業務の基礎を学んでから業務に携われるため、落ち着いた時期に親密になったチームとスムーズなスタートを切れます。

なお、税理士になるための実務経験について詳しくは、下記ページもぜひご覧ください。

学習する知識を補完できるから

試験直後から実務に携わることで、試験で学んだ理論と実務をスムーズに結びつけることができます。一般的に知識は時間を追うごとに抜け落ちてしまうため、記憶に残っているうちに実務経験を積むことでより深く知識として定着できるからです

また、多くの税理士法人・事務所では試験勉強と実務の両立に理解があり、試験前の休暇取得や業務量の調整など、試験を受験する所員への配慮も手厚いです。実務を通じて試験の知識を補完しながら、次の試験に向けた学習環境も確保できる点は、税理士法人・事務所への就活を8月にスタートする利点といえます。

経験者の就活なら12月(合格発表後)もあり

税理士業界の就活において未経験者をメインとしていた8月とは打って変わって、12月は経験者向けの求人が増加する時期です。税理士業界全体が年末調整や確定申告の準備で繁忙期に入り、業務のピークで人材を採用して対応しようというニーズが高まるからです。

具体的には、以下のような求人が増える傾向にあります。

  • 繁忙期対応のための即戦力採用
  • 年度末での退職に伴う欠員補充
  • 来期に向けた組織体制の強化

そのため、実務経験者や科目合格者が即戦力としての採用を目指す方にぴったりなタイミングです。また、来期に向けた組織体制の強化においては、大学生を筆頭とした4月の入社を目指した新卒採用を狙うこともできるでしょう。

税理士法人・事務所の就活に4〜5月は不利?

税理士法人・事務所の就活では、4〜5月であっても不利ではありません。8月の税理士試験直後に起こる求人の激戦を避けたい事務所では、4〜5月から積極的に採用をはじめることがあるからです

確定申告の繁忙期が3月で終わり、4月からは比較的落ち着いた時期に入ることから、事務所側も落ち着いて採用面接に時間を割ける時期です。未経験者や科目合格者にとっては、競合が少ない時期だからこそ、じっくりと面接に臨める利点もあります。

  • 税理士試験の受験勉強と並行して就職を考えている方
  • 実務経験を積みながらステップアップを目指す科目合格者
  • 税務・会計の実務経験者で転職を考えている方

上記のような方の場合は、むしろ4〜5月を戦略的な就活時期として活用できるでしょう。

税理士法人・事務所の就活時期における注意点

転職を考える方にとって「売り手市場」は「採用されやすいのでうれしい状況」です。これは間違いのない事実なのですが、あえて冷静な視点から指摘すると、「採用されやすい時期だからこそ深く考えることが求められている」ともいえます。

そのため、就活時期を検討する際は、以下の3つのポイントに注意が必要です

  1. 不合格でも諦めない
  2. 焦りでミスマッチを起こさない
  3. キャリアマップを決めずに動かない

不合格でも諦めない

税理士法人・事務所の就活に入る際、税理士試験に合格していなくても諦める必要はありません。試験勉強で培った専門知識や学習の経験はアピールポイントとなるためです。

例えば、自己採点結果をもとに「簿記論では80点を獲得し、特に精算表の作成について深い理解がある」といった具体的な強みを伝えられます。また、不合格という結果から「原価計算の分野に課題を感じ、実務を通じて理解を深めたい」といった、明確な目標と学習意欲のアピールも可能です。

税理士法人・事務所側にも、試験に真摯に取り組む姿勢や、実務を通じて成長したいという意欲を高く評価してもらえるでしょう。

焦りでミスマッチを起こさない

税理士法人・事務所の就活での「とにかく早く就職したい」という焦りは、深刻なミスマッチを引き起こす原因となります。売り手市場の現在は、「求人情報が出ているから」と、何となく採用試験を受けた税理士事務所から内定を得られる可能性が増えるということです。

ここで転職を決めれば、大学生を含め転職にかける労力を省くことができるのでメリットはあるでしょう。ただ、残念ながら「採用されやすい」=「理想の転職先が見つかる」ではありません。

  • 残業が少ないと聞いたのにとても多かった
  • 所長や他のスタッフとの折り合いが悪く、いつもストレスがかかる
  • 部分的な業務しか任せてもらえず成長できない

上記のように、表面的な条件だけで判断すると、実態とのギャップに苦しむことになります。「事前にちゃんと調べていれば防げた」という状態に陥らないようにしましょう。

キャリアマップを決めずに動かない

先に伝えたミスマッチを防ぐためにも事前の準備をしっかりして、「転職活動の手間を省ける」ではなく、「理想の転職先が見つかる」に変えましょう

そのためには、転職先でどんな仕事がしたいのか、大学生であっても5年後または10年後にどのような税理士になりたいのか、などキャリアマップを明確に描くことが重要です。「5年後までに相続税の実務経験を積み、10年後には相続専門の税理士として独立したい」といった具体的なビジョンがあれば、相続案件を多く扱う事務所を重点的に検討するなどの目標を持った就活が可能になります。

税理士の就活で第一歩となるのは『自己分析』

税理士の就活で、まずあなたに行ってほしいのが『自己分析』です。自分の強みや価値観を明確にすることで、特性を活かせる税理士法人や事務所を的確に選べるからです。

キャリアマップを描くために、以下に挙げた3つの観点から自己分析を行ってキャリアを整理しましょう。

  • 税理士としての強み
  • 働き方の希望
  • 将来のキャリアビジョン

「よくわからない」「どうしても客観的に自分自身を見られない」など、独力での自己分析には限界を感じたら、税理士業界に特化した転職のプロとの対話で、より具体的な方向性を見据えるのもおすすめです。

マイナビ税理士では、業界に精通したキャリアアドバイザーが、経験や志向性を丁寧にヒアリングします。ぜひお気軽にお声がけください。

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税理士の就活時期に関するよくある質問(FAQ)

最後に、税理士の就活時期に関するよくある質問へ回答します。

税理士を目指している人の就職先は?

税理士を目指す人の就職先は、主に「税理士法人・会計事務所」「一般企業の経理部門」「金融機関」の3つに大別されます。中でも税理士法人・会計事務所は、税務の実務経験を積める環境として挙げられます。

また、Big4(デロイト、EY、KPMG、PwC)や大手税理士法人では専門性の高い業務に携われることで、キャリアの幅を広げやすいという特徴があります。一般企業の経理部門も、安定した就業環境で実務経験を積めることから注目に値するでしょう。

より詳しくは、ぜひ下記ページも一緒にご覧ください。

税理士は大学3年から就活すべき?

大学3年からの就活は、必須ではありません。とはいえ、税理士を目指すなら早めに実務経験を積みはじめることをおすすめします。

例えば、税理士補助としてのアルバイトや、会計事務所でのインターンシップは、将来の税理士としてのキャリアに直結する経験となります。学業との両立が必要になることから、自身の状況に合わせて無理のない範囲で活動しましょう。なお、税理士補助について詳しくは、下記ページをご覧ください。

まとめ

税理士業界の就活は、8月の税理士試験直後と12月の合格発表後が採用のピークとなり、この時期を逃さず活動できれば、より多くの選択肢から自分に合った職場を見つけられます

ただし、4〜5月の就活も決して不利ではありません。むしろ、確定申告期の終了後という比較的落ち着いた時期に、じっくりと面接に臨めるメリットもあります。

大切なのは、時期にこだわりすぎず、自身の状況に合わせて最適なタイミングを選ぶことです。まずは自己分析からはじめ、税理士としての強みと目指すキャリアを明確にしてみてはいかがでしょうか。

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