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税理士の独立。リアルな失敗事例に学ぶ
2017/10/13
コラム
税理士の独立。リアルな失敗事例に学ぶ

「働き方改革」が叫ばれている昨今ですが、もともと税理士には、会計事務所やコンサルティング企業、一般企業など、多様な就職・転職先があり、さらには「独立」して一国一城の主として生きるという方法もあります。見方を変えれば、どこでどのように働くのか、税理士の先輩たちは、ずっと「働き方と向きあってきた」といえるでしょう。
独立自体が、正しいわけでも間違っているわけでもありません。しかし、高い志でチャレンジしても、事前の想定力が不足していれば失敗につながります。
そこで今回は、独立を夢見ている税理士、すでに計画段階に入っている税理士の皆さんに向けて、実際の失敗や、そうした失敗をしないための方法を、経験者から一緒に学びながら紹介したいと思います。

不可欠な「営業力」

税理士としての実績と経験を積み、開業資金も貯め、周囲の協力もあり晴れて独立――誰もが成功してほしいと思うものですが、税理士業務に限らず、すべての起業は「開いただけで仕事が来る」ものではありません。
箱だけつくっても、中に入るものを取ってこなければ、すぐに資金がショートして「事務所閉鎖」という悲しい事態を招きかねません。

数年前に独立した、当時30代後半のAさん。会計事務所で働いているときは仕事もでき、所長や所員、お客さんなど、多くの人から信頼される税理士でした。本人もまわりも独立すれば、きっと軌道に乗ってやっていけると思っていました。
ところが、Aさんは税理士業務を完璧にできても、自分で顧客を取ってくる方法を知りませんでした。前の事務所のお客さんはあくまで前の事務所のお客さんであり、引き抜いてよいものではありません。
前のお客さんの紹介が少しはありましたが、それだけでは長く事務所を続けられず、新たに顧客を獲得しなければなりませんでした。でも、Aさんは「ちゃんとした仕事をすれば、向こうから顧客はやってくる」と思っていたのです。

でも、税理士事務所はAさんのところだけでなく、街中にたくさんあります。Aさんの事務所は開業して半年後に潰れかけました。 そこで、そのことに気づいたAさんはWebやチラシ、知人に会いに行くなど「営業活動」を本格的にスタートしました。すぐに結果は出ませんでしたが、だんだんとお客さんが来るようになり、事務所の閉鎖は免れたそうです。独立には「営業力」も必要ということですね。

<ココまでのまとめ>
・税理士としての実績と経験のあるAさんは独立後、お客さんは向こうからやってくると思っていた。
・潰れそうになったが、本格的に営業を開始して、何とか最悪の事態を免れた。

単価の低い仕事ばかりを続けて疲弊

40代前半で独立したBさん。上記のAさんと違って営業が得意でした。そのため、お客さんは独立初期からたくさんいました。
それでも潰れそうになったのです。いったい、なぜでしょうか?
理由は「単価の安い仕事ばかり取っていたから」です。もちろん、Bさんも好んで単価の安い仕事を取っていたわけではありません。何としても独立を成功させようと、一般的な価格帯と比べて安くても仕事をすると決めていたのです。

この前向きな姿勢は、けっして悪くありません。ただ、この状態がずっと続くと、仕事が増える → 忙しい → 休む時間がない → 疲れる → でもお金にならない → 経営を続けるため、また安い仕事でも取ってくる、という地獄のループへと突入します。
実際にBさんはそうでした。働いても働いても事務所の経営は安定せず、それどころか1年後には過労で倒れてしまったのです。

Bさんから学ぶべき教訓は、「安いから頼む」という武器では続けられないということです。最初は安価で受けても、その実績をもとに少しずつ正常な価格の仕事を増やしていくなど、報酬アップの努力をしなければ、このループからは抜け出せません。独立したら、「誰かがやってくれる」ということはなく、自分で判断して動くことが求められるからです。
Bさんの事務所はその後、残念ながら潰れてしまったそうです。
独立を考えている方は、「料金」についても真剣に考えてみることをおすすめします。

<ココまでのまとめ>
・Bさんは独立初期からお客さんがたくさんいたが、安い仕事ばかりだった。
・料金を正常にすることができず、Bさんは過労で倒れて事務所は閉鎖に。

「親の介護」という壁

最後は「不測の事態」も起こりえるというケースです。
40代後半で独立したCさん。実績と経験、営業力、正常な料金で依頼するお客さんがあり、AさんやBさんと違って、独立に必要なものが揃っていたため、開業3年は順調に経営をしていました。
ところが突然、「父親が倒れた」という知らせが届いた頃から状況は一変しました。Cさんの父親は一人暮らしで、ほかに身寄りがないため、退院後はCさんが家に引き取って、介護をする必要性が出てきたのです。
Cさんは独身で、夫婦で家事を分担したり介護をしたりすることはできませんでした。ヘルパーの方に頼めることはあっても、常にお願いするわけにはいかず、税理士業務のかたわらで介護をすることになりました。
介護するCさんも、もうすぐ50歳という年齢。若い頃と違い、体力のいる介護をして、家事をして、一国一城の主として税理士業務を行っていくのは簡単なことではありませんでした。
介護を理由に新規の仕事を断ったこともありました。仕事自体は順調で、何の問題もなかったのですが、数ヵ月後には「介護をしながらの事務所経営は難しい」と判断し、事務所をたたみ、知人の事務所へ転職することになったそうです。

Aさん、Bさん、Cさんと3人のケースを紹介しました。独立を考えている方は、あと何があればよかったのか、自分だったらどうやって乗り越えるかなどと想定してシミュレーションしてみるとよいかもしれませんね。

<ココまでのまとめ>
・順調に経営を進めていたCさんだが、父親の介護もすることに。
・経営と介護の両立は厳しく、事務所をたたむことになった。

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