SUCCESS CASE

【必見!】エンジニアから税理士へ転職できた成功体験

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【必見!】エンジニアから税理士へ転職できた成功体験

この記事では、当時エンジニアであった松井様が、税理士として個人会計事務所で勤務するまでの、きっかけから税理士になるまでのノウハウを様々な視点からご紹介します。

エンジニアでなくてもこれから未経験で税理士を目指す方には有益な情報だと思いますので、ぜひ御覧ください。

税理士をめざそうとした経緯

学生時代・エンジニア時代と合わせて14年間の理系畑

 私は高校生の頃、数学や物理が得意だったので理系を選択し、大学は工学部に進学しました。母校の工学部の学生は4年間の大学生活の後、8割以上が進学するので、私もその流れに乗って、さらに2年間の大学院生活を送りました。大学院で自分が担当していた研究は自動車部品の性能向上につながるものだったことから、研究を活かせる仕事がしたいと考え、大手メーカーを希望し就職しました。

 会社では設計・開発を担当するエンジニアとして、地球温暖化防止プロジェクトを担当するチームに属し、日本国内のみならず海外でもシェアを取れる世界一の製品を作るべく日々奮闘していました。
 学生時代の6年間と会社員時代の8年間。合わせて計14年間、理系畑を歩んだことになります。

大企業時代に自分の頑張りが成果としてわかる環境に憧れる

 会社に入社してからは、技術を身につけるためにがむしゃらに仕事しました。機械設計の技術を中心としてプログラミングなども経験でき、またプロジェクトを動かすためのマネジメント業務も経験できました。大企業ということもあり、世界規模の事業に携わることができたほか、会社が安定しており給料が良く福利厚生もしっかりしている点や、社外の人にも仕事を理解されやすかった点などには大きなメリットを感じていました。

しかし、その一方で大企業ゆえ自分の担当業務の希望が通りにくい点や、歯車のように働いても自分の頑張りが業績にどう反映されているかまったくわからない点などには不満を感じるようになりました。そして、何よりも自分の裁量で仕事ができないことが嫌だったのです。

実家の税理士事務所へ転職

 年数が経つにしたがい、もっと自分の裁量を発揮できる仕事がしたい、クライアントに貢献できた実感をもてる仕事がしたいと思うようになり、徐々に会社から気持ちが離れていきました。30歳を過ぎて焦りに近い気持ちを感じるようになり、自分の人生にどのような可能性が残されているか考えたところ、1つの選択肢に思いあたりました。

 私の実家は祖父の代から税理士事務所を営んでいたのです。税理士という資格を取れば、事務所を運営する側に回れると考えました。しかし、税理士の資格を取るには時間がかかりますし、取れない可能性のほうが高いことも何となくわかっていました。それに、ずっと理系畑を歩んできた自分に、文系の職業である税理士が務まるのかわかりませんでした。

また、すでに結婚して子どもが生まれたばかりだったこともあり、会社に残って嫌なことは我慢するか、会社を辞めて新たな挑戦をするか相当に悩みました。悩んだ末、人生の舵を切る最後のチャンスだと考え、「税理士になる」という新たな挑戦をするため、34歳を目前にして会社を退職したのでした。エンジニアから税理士事務所員に転職というのはそれほど多くない事例だと思っています。

税理士になったいま、やって良かった3つのポイント

資格取得のための勉強と、実務を切り離して考える

 税理士になると決めたものの実務経験はゼロでした。そして、何よりも資格を取得しなければいけません。家庭があるので働きながら税理士をめざすことにし、税理士事務所での仕事に就くと同時に試験勉強も始めました。

 理系出身で税理士試験の受験資格がなかったので、まずは日商簿記1級に合格し受験資格を取得する必要がありました。その後の税理士試験では、会計2科目、税法3科目の計5科目に合格する必要があります。

 ここで選択肢の1つになるのが、大学院で税法論文を書き国税庁の認定を受けて税法2科目を免除する方法です。税理士になろうとする人は最初は5科目合格をめざす人が多いのですが、私は、最初から会計2科目合格後に大学院に進むことを決めていました。税理士試験3科目合格と大学院での税法2科目免除で税理士になるというプランです。その理由の1つは確実性が高いほうが良いと考えたからです。

 また、エンジニア時代に製図検定という社内の資格を受験するために、図面を描く練習を重ね試験に合格することができましたが、試験に合格するだけではそのスキルが実務で使えるわけではありませんでした。試験に合格しても、実務での経験を重ねないと使えるスキルとしては身につきません。そして、それは税理士業界でも同じだと考えました。

 このように、資格取得は実務とは別物と考え、大学院進学も含めできるだけ早く資格を取り税理士としての土俵に立つことを考えたのがポイントだったと思います。

エンジニア時代の「考える習慣」が資格取得の戦略を立てるうえで役立った

 試験勉強にはブランクがありました。社会人になってからは、机に座って問題を解く勉強はほとんどしてこなかったからです。まずは、試験勉強の感覚を取り戻す必要があり、予備校の通信講座を受講することにしました。

 それと同時に試験に合格するための計画や戦略を考えるための情報収集を行い、合格するためには何が必要かよく考えるようにしました。物事を進めるうえで、やみくもに進めるのではなく計画と戦略がどれだけ大事か、エンジニア時代に経験していたからです。

 いまの時代は税理士試験の受験体験がネット上の掲示板やブログにたくさん書かれています。地方の通信講座で受験仲間がいなかったので、そういうネット上の情報は貴重なものでした。そして、情報を集め続けたところ税理士試験に合格するための最重要事項といえるくらい大事なことがわかりました。

 税理士試験は競争試験であり、各科目の合格率はだいたい10~15% 程度です。問題は基本的な問題と応用的な問題が混ざっていますが、応用的な問題は本番の試験ではじめて見るものもあり、得点するのが難しい場合が多いのです。

難しい問題は多くの受験生が得点できないのであまり配点が割り振られないことも多いのです。反対に、基本的な問題にはかなりの配点が割り振られていると考えられます。つまり、基本的な問題を取りこぼさずに得点することが、どの科目にも共通する合格のための王道なのです。

試験勉強を進めて力がついて難しい問題も解けるようになると、この点を忘れてしまう人が多いと思います。私はとにかく基本的な問題の正答率を上げることを意識するようにしました。

 また、税理士試験は3回受験しましたが、毎年節目ごとに計画を立てるようにしました。特に8月の受験が終わった後から12月の結果発表までの期間の勉強内容は次の受験に大きく影響します。合格か不合格かわからない状況で次のことを考えるのは大変ではありますが、受験後の自己採点の結果をふまえてしっかりとプランを立てる必要があります。

自分の5年後・10年後を思い浮かべて、追い込む

 さて、私がエンジニアを辞めて税理士試験の前段である日商簿記1級の勉強を本確的に開始したのは34歳のときで、その後の税理士試験の初受験が35歳のときでした。会社に残っていれば年齢的にも中堅どころとして働いていた頃です。当時の自分の同期は会社で着実にステップアップしていました。それに対して、まだ何にもなっていない自分に、どうしても焦る気持ちはありました。

 しかし、税理士になるには順調にいってもある程度の期間がかかるものなので、焦る気持ちをもちつつも現状にじっくりと向き合うことが大切です。それに、大企業を辞めて30代半ばから税理士になろうとすること自体がそもそも普通ではないので、人と自分を比べても仕方がないと思うようになりました。

 次のステップに進むための長い助走期間と考えるようにしました。いまはまだ何ものでもない自分だけど、5年後にはすでに税理士となっており、活躍している自分を毎日毎日強くイメージするようにしました。そして、そこに向かえるように自分を追い込みました。

官報合格までの3つのノウハウ

税理士試験・大学院ともすべて Web 受講

試験勉強をするにあたり、近くに予備校の校舎がない環境でしたので、通信講座を受講することにしました。日商簿記1級、税理士試験3科目すべて通信講座です。試験勉強を始める前は教室で講義を受講できないのは不利だと思っていましたが、実際に勉強を始めてみると通信講座で良かったと感じることがたくさんありました。

 まず、通学時間がないから無駄が省けて効率的ということがあります。予備校が職場の近くにあったとしても、通うとなればおそらく毎回30分は通学のための移動時間になると思うので、それが積み重なると1年間でかなりの時間になります。

そのぶんの時間を捻出できたことは、働きながら受験する立場としてはとてもありがたかったです。

 また、通信講座の場合、講義の配信日以降であればいつでも講義を視聴することができました。基本的には配信日に必ず受講するようにしていましたが、都合が悪いときは受講する日にちを変えたり、朝晩の時間帯を変えたりなど、その都度調整していました。

 また、予備校の質問電話でわからないことを講師にダイレクトに聞けるシステムがあったので、これを頻繁に利用することで講義の内容に対する理解を深めることができましたし、ほかの受験生の実力を教えてもらうことで全体の受験生の中で自分のレベルがわかるようになりました。こういうシステムを上手に使えば通信講座でも十分に戦うことはできるようになります。

 ただ、通信講座の欠点は、模擬試験の際の臨場感を経験できないということです。ふだん、通信講座で勉強をしていると周囲に人がいないので、本番の試験で急に周りにほかの受験生がいる状況になると緊張してしまうのです。税理士試験初受験の年に、本番でこの緊張を経験することになったので、次の年からは模擬試験だけは休日に東京の予備校の校舎まで行って受験するようにしました。往復の新幹線代がかさみましたが、本番の試験に対する対策は必要なので仕方がありません。実際にお金をかけて東京まで通ったかいがあったと感じております。

 さて、私は税理士試験のみならず税法論文を執筆するために通った大学院も通信制でした。地方在住であるため、仕事との両立を考え、社会人に人気がある通信制の大学院に入学し、2年間をかけて卒業しました。

 このように日商簿記1級、税理士試験、大学院ともすべて通信講座で税理士になっています。これは私と同様に環境が整っていない地方在住の方におすすめできる方法だと思っています。

税理士試験の勉強法

 税理士試験の勉強は、とにかく勉強時間を確保できる人が有利なことは間違いありません。受験生の中には完全に勉強に専念している人もいます。働きながらの受験で専念している方々と戦えるようになるためには、少しでも多く勉強時間を捻出しなければなりません。

 私は1週間の勉強時間の目標を週ごとに定めて、毎日、勉強時間を記録するようにしました。そうすることで毎週目標まで残り何時間かわかるので、日ごとの勉強時間を調整できるようになります。こうして目標を立てて何としてもそれを達成しようとすることで、勉強するための強烈な起爆剤になりました。

 勉強する時間帯は、基本的には早朝と夜の仕事の後でした。ほかにも仕事の昼休みや、ちょっとしたすき間時間を見つけては勉強していました。

 さて、先にも書きましたように、税理士試験は基本的な問題を間違えると合格が遠ざかるので、簡単な問題の正答率を上げなければいけません。それゆえ、ケアレスミスの有無で合否が分かれることもあるので、ケアレスミスを減らすための努力は絶対に必要です。

 そのためには、まずケアレスミスをしたときにそれを記録していき、自分のミスの傾向を把握する必要があります。そして、同じケアレスミスを二度としないように対策をします。たまに自分が過去にやってしまったケアレスミスの記録を見直すとよいでしょう。そうすることで、間違えやすいところに意識が向くようになり、ケアレスミスをかなり減らすことができます。

 また、簡単な問題を取りこぼさないためには、取るべき問題・捨てる問題の見きわめも大事です。本番の試験で初めて見る問題に出くわすこともありますが、そのときにその問題のどこを得点できそうか、早く見きわめられるようにならなければなりません。これは難しいことで、しっかりと理解するための勉強をしたうえで、模試の対策などもある程度やって、やっとできるようになることなので時間がかかります。

 教材は予備校で配付されるもののみを使いました。たくさんの教材を購入する人もいるようですが、私はおすすめしません。同じ教材を繰り返し勉強したほうが効果的です。

通信制大学院での税法論文執筆

 大学院は1年次は講義が中心、2年次はゼミに所属し税法論文の執筆が中心でした。私が卒業したのは通信制の大学院でしたので、日頃は指導教授やほかの大学院生と会うことはありませんでした。論文指導での日頃の指導教授とのやりとりは、論文を郵送して、添削を返信いただくというものでした。年に数回東京に合宿形式で集まることがあり、そのときに直接論文の指導をしていただきました。また、ほかの大学院生の方々ともつながりができたのは、税理士試験の勉強を始めてからずっと受験仲間がいなかった私にとっては大きかったです。

 さて、税法論文の執筆について大事なことをいくつかお話しさせていただきます。まず、恥ずかしながら勘違いしていた点ですが、大学院に入学すれば卒業までのレールが敷かれているというわけではありません。税法論文の書き方を手取り足取り教えていただき、論文のテーマも指導教授が与えてくれて、中身も一緒に作り上げていくようなイメージをもっていましたが、それは甘い考えでした。

 もちろん、指導教授はその道の専門家であり適切に指導してくださいますが、あくまでも論文を書くのは自分自身なのです。指導を通じて論文をより良いものにしていただけますが、そのためのベースは自分が作らなければいけません。他人が何とかしてくれると考えずに、自分のものとしてやり遂げる気持ちは絶対に必要です。

 また、論文というのは自分の考えを述べるためのものであり、他人の考えや判例をまとめるものではありません。自分の考えが最重要なのです。その点を間違うと、調べたことだけを書き連ねるレポートになってしまいます。自分が主張したいこととその理由を論理的に整理して文章化することが求められます。その点では、私はエンジニア時代に日々、技術的なことを論理的に考える訓練をさせられてきたので、分野は違っても経験が役に立ちました。

 エンジニアに限らず、そういう経験をしてきた人には論文の執筆は合っていると思います。税法論文の執筆は、税理士試験よりも考える力が試されます。試験問題には正解がありますが、論文は自分オリジナルのものなので唯一の正解というものはありません。大変でしたが楽しみながら執筆することができました。

【プロフィール】

【プロフィール】

著者: 松井元

静岡県三島市の松井会計事務所に勤務する税理士。大学院で工学専攻を卒業後、自動車部品メーカーでエンジニアとして8年間働く。自分の頑張りが成果として見える環境で働きたいと考え税理士事務所に転職。34歳から税理士をめざして、働きながら税理士試験・大学院での税法論文作成を経て税理士登録。税務・会計と IT を使った経理効率化の両面でお客さまをサポートすべく奮闘している。

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