税理士を40代から目指すのは可能?勉強のコツや転職のポイントを解説
「40代だけど税理士を目指す」。そう考える人は実はめずらしくありません。ただ、20代や30代ほど楽な道のりではないのも事実です。40代から税理士を目指し、合格するにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、税理士になりたい40代の方向けに、税理士試験の勉強のコツや転職のポイントをお伝えします。
目次
40代から税理士を目指すためのステップ
税理士になる方法はいくつかあります。40代から税理士を目指す場合、次の2つをクリアするのがもっとも現実的です。
税理士試験
1つ目は税理士試験の合格です。ここでいう税理士試験の合格とは、会計科目2つ、税法科目3つに合格することを指します。具体的には次のような内容です。
会計科目(必修科目) | 税法科目(選択必修科目) |
---|---|
必修科目...この科目には、必ず合格しないといけない。 |
選択必修科目...この2つの科目のうち最低1つは合格しないといけない(2つとも合格してもよい) |
税法科目(選択科目) | |
※両方とも受けることはできない。どちらか一方のみ。 |
必修の会計科目2科目、選択必修の税法科目1~2科目、選択の税法科目1~2科目、合計5科目に合格すれば晴れて税理士試験合格です。一度合格した科目は永久に有効です。そのため、10年かけて合格することもできます。また、大学院に通って研究をし、論文を書いて認定されれば一部の会計科目・税法科目が免除となります。
なお、以前の税理士試験には厳しい受験資格がありました。しかし2022年度税制改正で大幅に緩和されています。2023年度税理士試験から、会計科目は誰でも受験できます。税法科目は、社会科学系の単位を取得していれば受験可能です。
実務経験2年以上
税理士になるには、税理士試験の合格だけでは不十分です。税務や会計に関する実務経験を通算2年以上、積むことが求められます。
多くの場合、会計事務所で勤務することとなりますが、会社の経理で税務実務に従事してもかまいません。また、正社員だけでなく、バイト・パートとして実務経験を積んでもよいとされています。ただし、登録の際には、実務経験の証明書だけでなく、ほかの書類も必要です。
40代で税理士を目指すための条件
40代の多くは、会社での管理職の仕事や、子育てや介護で忙しく過ごしています。こういった状況で税理士になるためには、次の条件を備えている必要があります。
家族の理解と協力が得られる
勉強できる環境が整わなければ、勉強に集中できません。実務経験を積むために転職が必要なら、生活そのものが変わる可能性もあります。ここで妻や夫、子どもたちや両親などにサポートしてもらえば、税理士になる可能性がぐっと高まるはずです。
税理士になりたい意志を家族に伝え、理解と協力を得られるようにしましょう。
コツコツと努力ができる
税理士試験は長丁場になりがちです。5~7年で合格する人が多いですが、10年を超えるケースもときどきあります。また、会計事務所での経験も楽しいことばかりではありません。こういった中、どんな状況であってもコツコツと地道な努力を重ねることが税理士になる第一歩となります。
趣味や人づきあいの時間が減ることを覚悟する
税理士試験に合格したいのなら、勉強時間を可能な限り確保しなくてはなりません。また、確定申告期など、会計業界ならではの繁忙期もあります。40代から税理士を目指すと、趣味や人づきあいを楽しむ時間は今までよりも確実に減ります。つらいですが、こういったことを受け入れないと税理士にはなかなかなれません。
40代が税理士試験に合格するための勉強のコツ
40代は、20代や30代よりも学習能力は劣りがちです。また、まとまった時間を確保するのも難しくなります。そんな中でも税理士試験の合格を目指すなら、次の点を意識するといいでしょう。
こま切れ時間を活用する
忙しい40代は、こま切れ時間をフル活用しましょう。通勤時間だけでなく、トイレ、歯みがき、お風呂の時間など、ちょっとした時間で理論暗記や計算練習を行います。1回当たりの時間は3分、5分、10分と短くても、積もれば膨大な時間となります。また、こま切れ時間の活用は、勉強の習慣化にもつながります。
定時に帰る
税理士を目指すということは、専門学校や大学院に通ったり、自習したりする時間が必要だということです。残業をしていては、その時間は取れなくなります。また、残業で疲労がたまってしまっては、勉強に集中できません。周囲が残業をしていても、定時に帰るようにしましょう。
ひたすら繰り返す
勉強するときは繰り返しを心がけるようにしましょう。3時間机に向かうよりも、5分や10分の暗記や計算を定期的に繰り返す方が身に付きます。
ドイツの実験心理学者エビングハウスが行った実験によれば、学習した情報は1時間後には56%、1日後には約74%忘れるそうです。言い換えれば「最初に学習したときから間隔を空けずに復習した方が効率はいい」ということになります。最初は短期間で繰り返し学習し、記憶が定着したら間隔を空けて覚えなおす方が効率的なのです。
限られた時間を有効に使って学習するためにも、繰り返しを意識しましょう。
大学院通学を視野に入れる
40代から税理士を目指すなら、大学院免除も選択肢として考えましょう。5科目合格を目指すと時間がかかるからです。大学院での論文作成は大変ですしお金はかかりますが、税理士登録までの時間を短縮しやすくなります。
40代が税理士に転職するときのポイント
40代が税理士になるために会計事務所に転職するのなら、次の点を心がけましょう。
どういう税理士になるかを考える
転職する前に、自分のなりたい税理士像を思い描きましょう。イメージができると、積むべき経験や進むべき分野も明確になります。「街の税理士になるなら、一般的な会計事務所に転職して現場の感覚を磨く」「資産税専門になりたいのなら、資産税特化型の会計事務所に転職し、相続税や贈与税の申告、税務相談で業界ならではの知見を深める」といった具合です。
目指す税理士像を考えてから転職する方が、望む経験や人脈を得やすくなります。次の転職や将来の独立でも有利になるはずです。
常に勉強する、わからないことは素直に聞く
税理士の業界には、いくつか特徴があります。次のようなものです。
- 税務・会計の知識が必須
- 11月下旬から5月末までは繁忙期になりやすい
- 定期的に税務申告などの期限があり、原則延長はできない
- 認識不足で賠償問題になることもある
- 税制改正が毎年あるため、常に勉強が求められる
会計事務所に転職すると、常に税法の知識や理解が問われるようになります。税制改正など、定期的に勉強するようにしましょう。そして、わからないことは素直に周囲に聞くといいでしょう。
40代ならではの人間力を強みにする
40代は20代・30代よりも気力や体力が劣りがちです。しかし、仕事や育児、介護などを通じて人間力はみがかれています。社交力や傾聴力、共感力は40代の方が優位です。
会計業界は専門知識が問われる業界ですが、同時に対人力も必要です。巡回監査や税務相談では常に人と接します。「専門用語ばかりで難しい税務をいかにわかりやすく伝えられるか」で顧客満足度が変わります。相手の立場になって考えながら説明し、相手の悩みに耳を傾ける能力は40代の方が強いです。
税務の専門性のブラッシュアップを大事にするとともに、これまで人間関係の中で培った対人能力を活かして仕事にあたるようにしましょう。
40代から税理士を目指すなら転職にプロに相談を
今回は40代が税理士を目指すときのポイントについてお伝えしました。税理士になるには、2年以上の実務経験が必要です。そのため、転職を考える人もいるでしょう。ただ、一人だとうまくいかないことがあります。特に40代の転職は20代、30代よりも難しくなりがちです。
しかし、転職のプロを味方につければ、自分にあった職場を探しやすくなります。「40代の自分に合う転職先を見つけたい」。そう思ったら、マイナビ税理士にご相談ください。
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