不動産業界から税理士を目指して転職する理由
税理士は、多様な業種のクライアントを担当する仕事だけに、さまざまなキャリアを有効に活かすことができます。そうした中で、親和性の高い業界のひとつに不動産業界があります。
税理士と不動産業界は、一見するとミスマッチのような印象を受けますが、相続税における土地評価などをする不動産鑑定士に税理士のキャリアが活かせたり、クライアントの資産運用に関するアドバイスをする場合にも、その力を発揮することができたりします。
そこで、不動産業界から税理士を目指すキャリアパスについて考えていきます。
監修
マイナビ税理士編集部
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不動産に関する知識のある税理士にはニーズがある
世界にも類を見ない超高齢社会に突入している日本ですが、それだけに多くの人にとって相続税対策が大きな課題となっています。2015年には相続税・贈与税に関する税制改正が行われ、相続税の支払いを求められる方の絶対数も増加しました。そこで、相続事案が発生したときに、税理士を頼る方も増えています。
2016年10月に財務省より発表された「平成27事務年度 国税庁実績評価書」によると、相続税の申告手続に税理士が関与した割合は89.8%という高い数字となっています。ところが意外なことに、相続税に強い税理士は少ないのが現状です。それには、どういった理由があるのでしょうか?
相続税に強い税理士が少ない理由とは?
相続税に強い税理士が少ないことには、次のような理由があります。
・需要が一時的
所得税の確定申告や法人税の申告手続は、基本的に毎年継続して行うことになります。しかし、相続税の場合は、誰であっても人生の中で何度も発生するものではありません。そのため、相続税に特化して専門的に扱っている場合を除いて、通常一般の税理士でも、それほど多く経験する業務ではありません。また、経験があったとしても、次回に体験するころには税制が改正されているなど、スキルの蓄積が難しい業務でもあるのです。
・手続きが複雑で税以外の知識も求められる
遺産相続には、土地や建物、株式といったすべての資産や負債が含まれ、個別の関係法令や特例に沿って相続税評価を行う必要があります。また、「争続」といった言葉もあるように、相続は親族間の揉め事に発展する場合も多く、税理士にとってはとても手間のかかる仕事であることから敬遠されがちとなっています。
相続税業務で活きる不動産鑑定士の資格
相続税業務の中で、土地や建物の資産評価という点で活かされるのが不動産鑑定士の資格です。不動産鑑定士とは、その土地の適正な地価を判断し、不動産の適正な利用について評価する専門家です。相続税標準地の評価、固定資産税標準宅地の評価、裁判上の評価などは、まさに不動産鑑定士の業務です。
不動産鑑定士の資格を持つ税理士であれば、顧客の立場から見るとワンストップで相続税業務を依頼できる心強い存在となり、税理士の立場から見れば、他の税理士と差別化を図れるアピールポイントとなるわけです。
顧客の資産運用に対するアドバイスにも有効
不動産の持つ価値を正しく判断できる不動産鑑定士資格のある税理士であれば、不動産の有効活用を提案して、顧客の資産運用に適切なアドバイスを行うこともできます。
不動産の購入は、多くの方にとって一生で最も大きな買い物といわれています。つまり、不動産鑑定士資格を持つ税理士であれば、顧客の人生の一大事の手助けが適切に行えるわけです。
不動産業界からの転職で取っておきたい税理士試験科目
それでは、不動産業界から税理士への転職を目指すために知っておきたいことを、具体的にご紹介していきましょう。
税理士試験では、必須科目2科目、選択必須科目2科目、選択科目7科目の計11科目の中から、5科目に合格する必要があります。不動産業界での知識を活かして最短で合格するためには、どの科目を選択すべきなのでしょうか?
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→税理士試験概要
不動産業界出身者が狙うべきはこの科目!
税理士試験の中で必須科目となっているのは、「簿記論」と「財務諸表論」です。また、どちらか1科目の合格が必要な選択必須科目は「法人税法」と「所得税法」で、残り2科目の選択科目となるのが「相続税法」「消費税法/酒税法(どちらか1科目のみ)」「国税徴収法」「住民税/事業税(どちらか1科目のみ)」「固定資産税」となります。
この中で、不動者業界の出身者におすすめなのは、不動産に関する知識が役立つ次の科目となります。
・法人税法
・所得税法
・相続税法
・固定資産税
つまり、自分の得意分野に合わせて選択必須科目は法人税法と所得税法のどちらかを選び、選択科目は相続税と固定資産税を選ぶというのがベストな選択でしょう。
合格者の体験談では、固定資産税は暗記のボリュームが少なく、テストの配点も計算50%、理論50%で、さらに知識のベースがあるので勉強に取り組みやすいという理由から固定資産税をすすめる声が多くあります。
専門性に特化した税理士のキャリアパス
実は、税理士事務所にはさまざまなタイプがあります。事務所の規模による違いのほかにも、どんな分野の依頼にも対応する万能型や、特定の分野を専門的に扱う特化型といった違いもあります。
その中で、不動産業界出身という前職のキャリアを最大限に活かした働き方としては、やはり不動産業界に特化した事務所で働くという選択肢が最適です。不動産業界という専門性に特化した税理士のキャリアパスについて考えていきましょう。
特化型税理士事務所の強みとは
特化型の税理士事務所には、次のような強みがあります。
・業務を得意分野に絞り込むことで、そのマーケットの顧客をピンポイントで獲得できる
・中小・零細事務所の場合には、扱う分野を絞り込むことで限られたリソース(金・人)をロスなく活かせる
不動産業界を経験した税理士の場合、富裕層向けの資産税に特化した事務所などもおすすめです。このタイプの事務所は一般的に税理士の年収も高い傾向があり、年収1,000万円を超える税理士も少なくないといわれています。
特化型税理士事務所で働く難しさとは
特化型の税理士事務所の場合、特定の分野だけを扱うわけですから、万能型の事務所と比較して飛び抜けた専門性を備えている必要があり、そこで働く税理士にも高度な専門性が要求されます。
また、クライアントからの要求も当然高度で複雑な内容となるため、タフなネゴシエーターである必要があります。そのストレスから、一般的な税理士事務所と比較すると離職者が多いのも事実です。
独立開業で特化型税理士事務所でのキャリアは有利に働く?
独立開業する際に、特化型の税理士事務所でのキャリアが有利に働く場合が多くあります。現在の税理士業界は、顧客の獲得競争が激化しています。その中で、特定の分野に強みがある税理士事務所はアピールポイントが明確で、ニッチな需要を手堅く拾えるだけではなく、大手との競争にも埋もれずに済むという強みがあります。
特に顧客が個人で、相続税対策のために税理士に依頼をする場合、普段の確定申告は会社頼みで、税理士との付き合いがないという方も少なくありません。そうした場合、現在ではインターネットで検索をかけて税理士事務所を探す方が多いものです。自社のウェブサイトに「不動産」に強いことをうたっていれば、キーワード検索をされた際に上位表示も期待できます。
特化型の税理士事務所への転職には転職エージェントの活用を!
どの税理士事務所でもいいから入りたいというのであれば、求人情報を幅広く得ることができます。しかし、特化型の税理士事務所の中で、さらに不動産関係に特化している事務所の求人をピンポイントで探すことはなかなか難しいのが現状です。
そんなときに活用したいのが転職エージェントです。転職エージェントには、サイトで公開されている求人のほかにも、業界事情に精通しているからこそ集まってくる非公開求人が数多くあります。また、専任のキャリアアドバイザーがマンツーマンで対応しており、不動産業界にいたキャリアを活かして働きたいというあなたの希望に沿った求人を紹介してくれます。税理士業界には、まだまだ不動産に強い税理士が少ないだけに、あなたの強みを活かした転職先を探すことも、比較的たやすいでしょう。
マイナビ税理士を利用して
転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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