簿記3級とは?試験内容や資格のメリット、活かせる仕事を解説します
就職や転職、ビジネスにおいて役立つため、人気の資格である簿記。そんな簿記資格の中でも、初めて簿記を勉強する人なら日商簿記3級から挑戦することが多いでしょう。今回は簿記3級の試験概要や難易度、取得するメリットや簿記を活かせる仕事などをご紹介します。
監修
マイナビ税理士編集部
マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。
目次
日商簿記3級の試験とは?
日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する簿記検定です。日商簿記3級は受験資格の制限がないので、誰でも受験できます。試験時間は60分で、合格基準は70%以上とされています。
試験科目は商業簿記に限定されています。商業簿記とは、購買活動や販売活動など企業外部との取引を記録・計算して、企業の関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対して適切で正確な報告を行うためのものです。なお、日商簿記3級の受験料は2,850円(消費税込み)です。
受験方法、受験日程
簿記3級の受験方法は2通りあります。
統一試験(ペーパー形式)
統一試験は、全国各地の商工会議所や大学などの会場で実施されます。解答方法は、問題用紙とともに配布される解答用紙に記載するものです。統一試験は年3回で例年6月・11月・2月に実施されます。
ネット試験
ネット試験は統一試験のように用紙ではなく、パソコンで解答する試験方式です。パソコンといっても自宅のパソコンではなく、全国にある指定のテストセンターで行われます。テストセンターの空き状況に応じて随時試験を実施しているので、6月・11月・2月以外でも受験が可能です。指定の会場で実施する点では統一試験と同じですが、好きなタイミングで受験できるのが統一試験との大きな違いと言えるでしょう。ただし、ネット試験は年4回試験の休止期間があり、その期間は受験できません。
合格率・難易度
直近の合格率は次の通りです。
・統一試験
回 | 実施日 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
164 | 2023年6月11日 | 31,818名 | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
163 | 2023年2月26日 |
37,493名 |
31,556名 |
11,516名 |
36.5% |
162 | 2022年11月20日 |
39,055名 |
32,422名 |
9,786名 |
30.2% |
161 | 2022年6月12日 |
43,723名 |
36,654名 |
16,770名 |
45.8% |
160 | 2022年2月27日 |
52,649名 |
44,218名 |
22,512名 |
50.9% |
・ネット試験
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年4月~2023年9月 | 102,672名 |
40,046名 |
39.0% |
2022年4月~2023年3月 | 207,423名 | 85,378名 | 41.2% |
2021年4月~2022年3月 |
206,149名 |
84,504名 |
41.0% |
2020年12月~2021年3月 |
58,700名 |
24,043名 |
41.0% |
出典:商工会議所の検定試験 2級・3級受験者データ(ネット試験)
回や年によって多少の違いはありますが、最近の合格率は統一試験で30%台、ネット試験で40%程度となっています。簡単に合格できるとは言えませんが、しっかり対策をしていれば、極端に合格が難しい試験ではありません。
簿記3級のメリット
簿記3級を取得するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
仕事や社会人としての一般常識を学べる
簿記では、世の中の経済取引を数字で表す方法やルールを学びます。ビジネスの一般的な流れや常識にも触れることになりますので、社会人経験のない方が就職前に簿記3級を勉強するのもおすすめです。また、会社の経営成績や財務状態をまとめた「財務諸表」の読み方を理解できるようになるので、自社や取引先の経営判断にも役立ちます。
就職や転職に役立つ
簿記3級は履歴書に記載できる資格であり、就職や転職の際に役立ちます。簿記3級を取得していることで、経理や会計の基本的な知識があることをアピールできるでしょう。ビジネスにおいて、経理や会計は切っても切れない関係にあります。そのため、それらの知識を持っている人は、どこの業種・業態でも重宝されるものです。特に経理関係の仕事においては、簿記の資格を持っている人が優遇されやすくなります。
上位の資格取得に活かせる
簿記3級で学習した内容は、より上位の資格取得に活かすこともできます。簿記2級や1級、さらには税理士や公認会計士といった会計の上位資格も、簿記3級が基礎となっているのです。会計に興味を持った方、ダブルライセンスを目指した方なら、簿記3級をきっかけにキャリアアップを目指せます。
勉強方法
実際に簿記3級の合格を目指すにあたり、おすすめの勉強方法をご紹介します。
学習スケジュール
簿記3級に合格するためには、一般的に100時間程度の勉強時間が必要とされています。なお、経理業務の経験がある、商業高校出身で簿記の学習経験があるなど、既に知識のある方は100時間より短い時間で合格が可能かもしれません。資格試験は「時間さえかければ確実に合格できる」とは限りませんが、一つの目安として試験までのスケジュールを検討されるとよいでしょう。仮に、1日3時間ほど勉強時間が確保できるなら、1か月から2か月ほどで100時間の勉強が可能です。
また、仕事が忙しいなど勉強時間の確保が難しい方は、3か月程度の期間でスケジュールを組むとよいでしょう。特に仕事があって平日になかなか勉強できない方は、土日など休日を使って勉強時間を確保してください。週に合計で8~9時間ほど勉強できれば、3か月で100時間の勉強が可能です。
勉強方法
1つの参考書を読み終える
簿記は専門用語が多く、何も知らない状態でいきなり問題を解いても、問われている意味が分からないことがあります。まずは、わかりやすいと思った参考書を1つ選び、それを最後まで読み終えて簿記の知識を得ましょう。
なお、読み終わったからといって別の参考書に手を出す必要はありません。同じ参考書を2回、3回と繰り返し読み込んで、内容の理解を深めていきましょう。
過去問を解く
参考書を読んである程度簿記が理解できたら、過去問を解きましょう。ただし、あまり古い問題だと最近の出題傾向と異なるケースがあるので、直近3回~5回程度の問題にするのがおすすめです。
なお、簿記3級では類似問題や応用問題が出題されますので、過去問を丸暗記しても試験には対応できません。参考書で基礎知識を身につけ、過去問を解くことで知識を解答用紙に反映する練習を繰り返しましょう。
間違えた箇所を見直す
過去問で間違えた問題はそのままにせず、見直すことが大切です。間違えた原因を把握し、次に同じ問題を解く際は間違わないよう、参考書や解答解説を見て振り返りをしましょう。試験で類似問題が出題されても落ち着いて問題に挑めるように理解を深め、解答の精度を高めていってください。
簿記3級を活かせる仕事
簿記3級を取得すれば、以下のような仕事で活かすことができます。
経理
経理の業務は、会社のお金の管理や経費精算、財務資料の作成などがあり、いずれも簿記の知識を活かせます。特に、財務資料の作成は専門性が高く、簿記の知識が必要不可欠な業務です。そのため、簿記の資格を持っていると経理へ配属されやすくなり、経理職への転職も有利になります。業務に対する事前知識としても非常に役立ちますので、経理職を希望している方は、まず簿記3級を取得するとよいでしょう。
会計事務所
会計事務所の主な業務は、お客様の税金の相談や税務書類の作成、会計帳簿の作成などです。会計事務所は、税理士でなくても働くことができます。実際に、税理士以外の人が業務補助として税理士をサポートしています。
会計事務所の業務では、会計帳簿の作成で簿記の知識が活かせるでしょう。また、税金の計算や書類の作成においても、簿記の知識がベースになっています。そのため、会計事務所で働くにも簿記の知識があった方が望ましく、簿記3級を活かすことができます。
まとめ
簿記3級について網羅的にご紹介しました。簿記の知識はどんな業種、業務でも必要不可欠です。資格を取得することで、さまざまな場面で活かすことができるでしょう。特に、経理や会計事務所の業務では、3級以上の知識が求められることもあります。
また、3級を取得した後に2級の取得を目指す、簿記を入り口として公認会計士や税理士など、上位の資格に挑戦してキャリアアップを目指すことも可能です。そのためにも基礎である3級の知識が大切ですので、まずはしっかりと学習して知識を固めていきましょう。
マイナビ税理士を利用して
転職された方の声
-
進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
-
求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
マイナビ税理士とは?
マイナビ税理士は税理士として働く「あなたの可能性」を広げるサポートをいたします。
特集コンテンツ
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
-
【20代】税理士科目合格者
【30代】税理士科目合格者
【20代】税理士
【30代】税理士
税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
-
一般事業会社
会計事務所・税理士法人
コンサルティングファーム
税理士・科目合格者の転職成功事例
税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
-
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
カテゴリから記事を探す
特集コンテンツ
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
-
【20代】税理士科目合格者
【30代】税理士科目合格者
【20代】税理士
【30代】税理士
税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
-
一般事業会社
会計事務所・税理士法人
コンサルティングファーム
税理士・科目合格者の転職成功事例
税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
-
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
カテゴリから記事を探す
税理士業界専門転職エージェント
担当キャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。
特集コンテンツ
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
-
【20代】税理士科目合格者
【30代】税理士科目合格者
【20代】税理士
【30代】税理士
税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
-
一般事業会社
会計事務所・税理士法人
コンサルティングファーム
税理士・科目合格者の転職成功事例
税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
-
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
カテゴリから記事を探す
税理士業界専門転職エージェント
担当キャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。