初めて職務経歴書を書こうとしている方はもちろん、何度か書いたことのある方であっても、「職務経歴書って何が目的で作るのか分からない」「とりあえず作ろうと思ったがうまくいかなかった」という方は多いでしょう。職務経歴書に関する前提知識がない状態で、書くための材料集めをしないまま書き始めても、良い職務経歴書を作ることはできません。職務経歴書の具体的な書き方を解説する前に、そもそも職務経歴書とはどういったものなのか、そして職務経歴書を書くために必要な準備について解説します。

職務経歴書とは、これまでの職歴と業務経験をまとめた書類です。「職歴」ではどういった会社のどの部署で何年間勤務したかを記載し、「業務経験」は職歴ごとにどのような業務に従事したのかを具体的に記載します。経験者や即戦力を募集する求人の場合、書類選考の合否、つまり採用面接に呼ぶかどうかの判断材料として、かなりの部分を職務経歴書の記載内容が占めます。そのため、職務経歴書をきちんと書くことができれば、それだけ採用面接に進むことができる可能性も高まるでしょう。

何の準備もせずに職務経歴書を書き始めると、メリハリやまとまりのない職務経歴書になってしまいがちです。書き始める前の準備として、自分のこれまでの職歴と業務経験の棚卸しをするとよいでしょう。

ここでは、会計事務所へ転職する際の職務経歴書の書き方について、次の2点を中心に解説します。

なお、職務経歴書の目安となる文字数や、会計事務所以外へ転職する際の職務経歴書の書き方などについては別記事で解説しています。合わせてこちらの記事もご覧ください。

職務経歴書には、これまでの職歴や業務経験、取得した資格などを記載します。会計事務所への転職においては税理士資格の有無（合格科目含む）が特に重要ですので、漏らさず記載するようにしましょう。

良い職務経歴書を作成するためのポイントは、できる限り具体的な内容を盛り込むことです。この点について、大手会計事務所から同規模の会計事務所への転職を希望する場合と、小規模会計事務所から同規模の会計事務所への転職を希望する場合を例にご説明します。

まず、大手会計事務所から同規模の会計事務所への転職を希望する場合について、現職のXX税理士法人でシニアアソシエイトとして主に申告書作成業務と国際税務業務を担当している人の文例を見てみましょう。大規模な会計事務所は高度に分業化されており、専門性の高いスタッフがチームを組んで業務にあたります。そのため、「①どの立場で」「②どのような規模のクライアントに対して」「③どのようなサービスを提供していたか」を、守秘義務に反しない範囲で具体的に職務経歴書に盛り込むとよいでしょう。

【文例】

次に、小規模会計事務所から同規模の会計事務所への転職を希望する場合について、現職の○○税理士事務所で勤務している人の文例をご紹介します。小規模な会計事務所で税理士有資格者に期待される役割は、大規模会計事務所におけるパートナー（共同経営者）とマネージャー（現場責任者）を兼ねたものです。そのため、これを踏まえた文例となっています。

【文例】

職務経歴書を応募先ごとに作成する必要はなく、同じものを使い回すことも可能です。ただし、応募先の事務所が強みにしている分野や求人票の記載内容に応じて内容や記載の順序を少し変えると、より良い職務経歴書になります。

例えば相続税や贈与税に強みを持っている小規模事務所に応募するなら、上記文例を下記のように変更すると、より応募先への印象が良くなるでしょう。

また、求人票に「マネジメント経験必須」と書いてある場合は上記文例を下記のとおり変更すると、マネジメント経験を応募先にアピールすることができます。

ここまで、会計事務所へ転職する際の職務経歴書の書き方を解説しました。自分の職務経歴書が応募先に響く内容か不安を感じている方、あるいは職務経歴書の書き方についてアドバイスがほしいという方は、マイナビ税理士の職務経歴書添削サービスのご利用がおすすめです。マイナビ税理士では、転職を考えている税理士の方の職務経歴書を無料で添削しています。職務経歴書の書き方で不安や疑問がある場合も、気軽に相談してみてください。

職務経歴書を応募先へ提出する前に、次の3点をチェックするようにしましょう。

また、これらの点について客観的に確認をしてもらう意味で、上記の職務経歴書添削サービスを利用したり、家族や友人などに一読してもらったりすることをおすすめします。一生懸命に書いた職務経歴書であるほど、自分ではうっかりミスに気づきにくいものです。

会計事務所への転職を成功に導くための、職務経歴書の書き方について解説しました。実務経験が重要視される会計事務所への転職では、具体的かつ応募先にマッチした職務経歴書を書くことが大切です。そのためには、職務経歴書添削サービスを活用して、職務経歴書をブラッシュアップすることをおすすめします。