税理士試験の理論対策!科目ごとに異なる攻略法を解説

税理士試験の理論対策!科目ごとに異なる攻略法を解説

税理士試験において、受験者の多くが苦手とするのが「理論暗記」です。受験生を悩ませるこの理論暗記ですが、科目によっては「丸暗記」に頼るよりも、「理解」に重点を置いた勉強が合格の近道になるかもしれません。本記事では筆者の実体験をもとに、試験科目に応じた理論対策についてご説明します。

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佐山 和也(ペンネーム)

税理士、中小企業診断士、社会保険労務士

金融機関系シンクタンクに勤務し、会計・税務を中心とした企業からの経営相談やコンサルティング業務等に10年超にわたり従事。また、その傍らで開業税理士・中小企業診断士として執筆活動などを行っている。難解な税法や会計基準等の規定を分かりやすく伝えることがモットー。

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税理士試験における理論暗記

理論暗記が必要な試験科目

税理士試験の試験科目は全11科目ありますが、このうち、計算問題のみの簿記論以外の科目で理論問題が出題されます。理論問題と計算問題の配点割合は科目によって多少異なるものの、多くは5:5が目安です。ただし国税徴収法は理論問題のみ、酒税法は計算問題の割合が多くなっています。

理論問題とは大まかにいうと、税法(財務諸表論の場合は企業会計基準や企業会計原則)の理論に関する問いに、主に記述式で回答していく形式の問題です。税法の条文の内容を直接記載させるという問題も少なくなく、そのため受験生には受験科目の条文等についての「暗記」が求められます。

大手受験予備校のホームページを見ると、税理士試験の各科目の必要勉強時間の目安が示されていることがあるでしょう。しかし実は、ここに理論暗記のための時間は含まれていません。理論暗記には多くの受験生が苦しむこととなり、税法科目などは合格までに要した実際の時間が目安の2~3倍になることも珍しくないのです。

理論問題への一般的な対策方法

理論暗記の勉強法に、受験生の多くは受験予備校が作成している暗記用の冊子などを活用します。冊子に記載されている条文等を通勤・隙間時間を活用して黙読したり、自宅で机に向かって音読や筆記したりして覚えていくのです。

暗記の方法自体は人それぞれ異なりますが、予備校の教材のほかで筆者が活用して有意義だと感じたのが、受験予備校等が別に発売している条文等の暗記用の「音声データ」。これをスマートフォンにダウンロードし、通勤時間やプライベートの移動中などは常にこれを聞いていました。実際のところ、集中して聞く意識を持っていないと単に聞き流しているだけになってしまうのですが、それでも買って損はないと思います。

その他、実際の試験では解答用紙に大量の文字を書き込むことが必要です。そのため、暗記以外の理論問題への対策として、筆記スピードを高める訓練やボールペンの選択なども重要となるでしょう。

科目ごとに対応方針は異なる?

意味で無機質な勉強は、筆者にとってとても苦痛なものでした。そこで、何とか丸暗記に頼らずとも、力をつけていく術はないかと考えるようになったのです。遠回りになるであろうことは理解していましたが、それでもモチベーションを維持できる勉強方法を優先しようという考えでした。そのため、受験予備校の各授業前に行われる理論のミニテスト(条文などをべた書きするもの)では良い点数を取れないことがありましたが、あまり気にせず自分の勉強法を貫くことに。こうして、なるべく暗記に頼らない勉強方法を模索していたのですが、その中で気づいたのが、科目ごとに効果的な理論学習の方法(勉強する際の方向性)は異なるということ。筆者は理論問題のある科目として、財務諸表論、法人税法、消費税法、事業税の4科目を勉強していました。これら科目について筆者なりの理論学習法は、以下で説明していきます。

なお、筆者は税理士試験の理論対策として、暗記の重要性を否定しているわけではありません。合格のためには、最終的に条文などの暗記作業は絶対に必要となります。筆者のような勉強の仕方は、短期合格を目指すためには非効率であるかもしれません。しかし、できる限り勉強を楽しみながら合格を目指すための一つの術とお考えください。

財務諸表論の理論対策

まずは会計基準の「理解」を優先

まずは財務諸表論の理論対策からご説明しましょう。財務諸表論の理論は、企業会計基準や企業会計原則に関する事項が出題されます。しかし、これらは法律ではないため税法に比べてカッコ書きが少なく、一般的には読みやすく理解もしやすいのではないでしょうか。もちろん、中には難解な表現や特異な言い回しなどもあります。しかし、筆者は仕事で会計基準に触れる機会が多かったこともあり、税法に比べ抵抗はありませんでした。

また、出題内容も会計基準自体をべた書きすることはあまりなく、文章内に適切なキーワードを入れ込むいわゆる虫食い問題も多く出題されます。このため、財務諸表論の理論学習では重要な専門用語(キーワード)を覚えておく必要はあるものの、とにかく会計基準や会計原則の意味内容をよく理解しておくことが最優先でしょう。

しかし、会計基準に厳格に沿った決算書を作成する義務があるのは、上場企業などに限られます。そのため、一般の会計事務所に勤務する受験生には、あまりイメージが湧かない(実務で直面することのない)規定が多いかもしれません。筆者は仕事で上場企業の有価証券報告書を読み込むことが多かったため、会計基準の規定を理解することは仕事をこなすうえでも大きな意義がありました。財務諸表論の理論学習を進める中でイメージがつかみ辛いという方は、日常的に新聞の経済面や投資情報面、ときに有価証券報告書などにも目を通してみるとよいかもしれません

記述問題は作文大会?

虫食い問題対策として、キーワードの暗記が重要なのは前述のとおりです。ただし財務諸表論には、会計基準など規定の解釈を問う記述問題も多く出題されます。では、この記述問題にはどのように対応していけばよいのか。高得点は狙いにくいものの、論点を整理してキーワードをうまく織り込めば、ある程度は自分の文章でも問題ないというのが筆者の考えです。税法科目とは異なり、財務諸表論の理論は作文的な要素が強いという印象があります。

とはいえ、作文的な回答では高得点を狙いにくいでしょう。また、どちらかというと財務諸表論は、理論よりも計算で点数を稼いでいくべき科目です。理論対策としてはキーワードをしっかり覚えつつ、会計基準などが求めていることを正確に理解し、それを自分の言葉も交えて表現できるようになればよいと考えます。

法人税法と消費税法の理論対策

条文の内容を「理解」することが最重要

続いて、法人税法と消費税法の理論対策について見ていきましょう。まず税法の条文を読み解くのは、とにかく難しいことです。言葉使いもさることながら一文が異常に長く、その中に非常に多くのカッコ書きが含まれていたり、2重否定が頻繁に用いられていたりと、慣れないうちは非常に戸惑います。

受験予備校の理論暗記用の冊子はコンパクトにまとめてくれていますが、それでも丸暗記することはとても苦しい作業です。特に法人税法はボリュームも多く、予備校の冊子とはいえ、一般人にすべて暗記することは不可能かもしれません。この点、筆者は最初から丸暗記しようとせず、まずは条文の意味内容を正確に理解し、ある程度自分の言葉で説明できるような勉強を心掛けました。

条文内容を正確に理解するためには、その条文が創設された背景や趣旨を知ることが近道でしょう。これらを知るためには、受験予備校のテキスト以外の税法学に関する書籍などを読むことが大変有効です。幸い筆者の勤務先には良書がたくさんあったこともあり、時折これらの書籍に目を通すことで、各条文に対する理解を深めることができました。

仕事や実生活での体験に落とし込む

法人税法や消費税法の理論問題は条文のべた書きに近い問題もありますが、事例形式の問題が出題されることも少なくありません。法人税法と消費税法を受験しようとする人は、おそらく法人をメイン顧客とする会計事務所などにお勤めの方が多いことでしょう。このような方々にとって、法人税や消費税に関する問題は日常的に検討している事項です。顧客からの相談や顧客が直面している状況を思い浮かべながら勉強に取り組むと、理解が進みやすいのではないでしょうか。事例形式の問題に回答する際のトレーニングにもなるという、副次的な効果も期待できます。

実際のところ、試験では実務ではなかなか直面することのない、特殊なケースが出題されることも多々あるでしょう。その辺りも「もし自身の顧客がこういった状況に直面したら、どのような助言を行うか」という視点を持つと、理解が深まりやすいはずです。

こうしたことは意識する・しないは別として、ある意味で受験生の多くが実践していることかもしれません。しかし、私は苦痛な暗記作業をなるべく避け、少しでも勉強を楽しみながら継続していくため、上記を実践することに人一倍注力していました。最終的に暗記作業が必要なのは前述のとおりですが、一つの手段として参考にしてください。なお、資産税に特化した事務所などで個人顧客が中心な方なら、所得税法や相続税法で同様のことがいえるのではないでしょうか。

事業税の理論対策

暗記色の一層強いミニ税法

最後に、いわゆるミニ税法の一つである事業税の理論対策についてご説明します。事業税を受験する人は多くありませんが、筆者は仕事上、外形標準課税や住民税均等割りの節税などを考える機会が多く、この科目を選択しました。事業税は法人税法と親和性が高く、法人税法学習者は有利であるという見解もあるようです。しかし、少なくとも試験に合格するという面で、特段そのようなことはないと感じました。

事業税の理論問題は、その多くがとてもシンプルです。若干は事例形式になっている設問があるものの、基本的には覚えた条文を書きなぐるといった回答の仕方となります。このため、条文の意味内容の理解は必要ですが、法人税法や消費税法に比べると暗記色が一層強い科目であるといえるでしょう。この点は、他のミニ税法にも概ね同様のことがいえるものと思います。

覚える条文数が少ないと「楽」は嘘?

事業税は法人税法や消費税法に比べると、実務で論点になることは稀といえます。そのため、法人税法や消費税法のような実体験への置き換えにより、記憶に定着させるという勉強方法が難しい科目であると感じます。筆者も事業税の理論の勉強は、。必然的に受験予備校の理論暗記用の冊子をひたすら暗記するという力技の勉強にならざるを得ませんでした。

事業税自体、覚えなければならない条文の数からいえば、法人税法に比べれば随分と少なくなります。とはいえ理論暗記が楽かというと、決してそういう訳ではありません。なぜならその分だけ、合格には高い暗記精度と筆記速度が求められるためです。

冊子に記載されている条文を一言一句暗記する心持ちで臨む暗記作業、そして筆記速度を高める訓練などを苦痛に感じない人は、この科目に向いているかもしれません。しかしそうでない人、特に丸暗記が苦手あるいは嫌いといった人は、受験を避けた方が良い科目ではないでしょうか。

まとめ

税理士試験における理論暗記は、誰もが苦しい思いをするする“鬼門”です。ただし、科目によって対策は人それぞれ異なります。遠回しかもしれませんが、テキスト以外の書籍にも目を通すなど、理解中心に勉強していくのも一つの方法といるでしょう。また、法人税法や消費税法などは、仕事や実生活の中での出来事を試験問題に例えて、記憶に定着させることも有効といえます。とはいえ合格のためには、最終的に暗記作業が不可欠です。この点で、いわゆるミニ税法は暗記色が一層強くなる傾向にあるため、暗記が苦手な人は安易に飛びつかない方が良いかもしれません。

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