会計事務所の筆記試験・適性検査

会計事務所の筆記試験・適性検査

会計事務所では、会計の知識や経験を重視して人材を採用しているイメージがあります。最近、採用選考に筆記試験を取り入れる会計事務所が増えているそうです。会計事務所への就職や転職を考えている方は、筆記試験対策が必要になるかもしれません。少なくとも、どのような筆記試験が行われているかを知っておくとよいでしょう。

筆記試験の内容に合わせて準備する際には、マイナビ税理士へご相談ください。キャリアアドバイザーが会計事務所の採用傾向に合わせた対策やアドバイスでサポートいたします。

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会計事務所の選考で筆記試験を実施するところも多い

筆記試験を実施する目的

筆記試験を実施する目的は、より多角的に応募者を評価することです。

たとえば、会計補助としての採用であっても、帳簿の数字に向き合う仕事だけではありません。チーム単位での仕事が多い会計事務所では、チーム内の円滑なコミュニケーションは不可欠であり、ゆくゆくはクライアントとの連絡や調整などを任せられることも期待されます。将来的に税理士として働くことになれば、クライアントに対する助言や指導、チームのマネジメントなど、さらに会計以外のスキルが必要になっていきます。

会計事務所に限りませんが、企業の採用活動にはコストがかかっていますので、採用した人材には安定して能力を発揮してもらいたいと考えます。せっかく採用した人材が短期間で退職してしまったり、能力を発揮できなかったりしては、採用活動への投資が活かせなかったことになります。だからこそ、社会人としての常識や能力、性格的な傾向など、会計以外の部分でもバランスよく、能力を発揮できる人材を採用したいと考えるのは自然な流れです。そのために書類や面接だけでは見きわめきれない部分を補うために筆記試験を行います。

筆記試験の種類

会計事務所の筆記試験というと、会計の知識に関するものというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしも会計分野にかぎりません。むしろ、一般常識のテストや適性検査を行う場合が多いようです。

もちろん、筆記試験の内容や構成は会計事務所によって異なります。一般常識、適性検査、会計などの実務知識のいずれかひとつの場合もありますし、これらの中から複数を組み合わせて実施される場合もあります。筆記試験の実施方法はペーパーのほか、PCで行う場合もあります。Webの筆記試験も増えています。

<ココまでのまとめ>

・筆記試験を実施する目的は、より多角的に応募者を評価すること。
・筆記試験は、一般常識、適性検査、会計などの実務知識のいずれかもしくは複数の組み合わせで実施されることが多い。

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一般常識系の筆記試験

一般常識系の内容

ここでは広く一般常識系とくくっていますが、一般常識と適性検査とでは、内容もその目的も異なります。SPIなど、能力検査と性格検査を組み合わせた適性検査も広く普及しています。仕事内容に対しての適性、職務遂行能力などを示す資料となります。面接だけでは難しい部分を補完する判断材料として使用されることが多いです。

<一般常識>
社会人としての常識や時事問題などが出題されるもので、社会人として知っていて当然のことが身についているかを判定する内容。

<適性検査>
能力、興味・価値観などのパーソナリティ、性格・気質、学力、コンピテンシー(行動特性)、職種適性、ストレス耐性などを定量的に測定する各種検査。統計分析や心理学に基づく検査で、能力検査と性格検査から構成される場合が多い。

適性検査の代表例

名称 内容
SPI ①能力検査(言語分野、非言語分野)
②性格検査(日ごろの行動や考え方に関する質問)
CUBIC ①適性検査(性格・適性、ストレス耐性)
②モチベーション測定
③能力検査
クレペリン検査 1桁の足し算の回答結果、作業曲線などから、処理能力の程度や性格・行動面の特徴を測定する検査

試験対策

<一般常識>
中学から高校レベルの国語や数学などを含む一般教養、社会や政治の時事問題、ビジネスマナーなどから出題される傾向があります。自社オリジナルの問題を用意して、自社のカラーをアピールする企業もあります。一般常識の試験対策本やWebサイトもありますので、不安がある場合は試しておくのもよいと思います。会計事務所の一般常識試験は、それほど難易度が高くないともいわれています。また、一般常識の結果だけで合否が決まることは少ないと考えてよいでしょう。

もっとも有効な試験対策は、日常的に新聞やニュースに目を通し、政治や経済、国際情勢などへの関心を高くすることです。さまざまな社会問題に対して自分なりの意見を持てるようになっておけば、面接対策にもつながります。

<適性検査>
一般常識や実務知識と違い、「正解がわからない」という理由で適性検査を苦手とする方もいらっしゃるようです。適性検査の設問は自身の行動や思考のパターンを回答するものが中心で、そもそも「正解」はありません。一つひとつの設問に正解を出そうとしすぎると、思考に偏りがある、回答に整合性がない、あるいは虚偽の回答と診断される可能性があります。

適性検査の結果をどのように採用基準に反映するかは、会社によって異なります。面接の参考程度に考える企業もありますし、書類選考の合否基準として重視する場合もあります。

過度な試験対策によって結果が偏ってしまうリスクもありますが、適性検査を経験したことがないまま臨んで、本番で戸惑ってしまって自然体で臨めないのも困ります。SPIなどは対策本や対策を紹介するWebサイトも数多くありますので、慣れる程度に試しておくとよいでしょう。

<ココまでのまとめ>

・一般常識系のほか、能力検査や性格検査を組み合わせた適性検査がある。
・一般常識の試験対策は日常的に新聞やニュースに目を通し、関心を持つこと。
・適性検査は試験対策をしすぎず、慣れる程度に試しておくとよい。

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実務知識系の筆記試験

実務知識系の内容

会計事務所における実務知識は、税務や会計に関する問題になります。

応募者のレベルにあわせた試験が用意されず、簿記3級から税理士試験で出題されるレベルまで幅広く出題される可能性があります。このような場合は、履歴書に記載された保有資格や実務経験と、実際の知識が一致しているかを確認することが目的と考えてよいでしょう。

応募者のスキルによっては歯が立たない問題にあたることがあるかもしれませんが、試験の結果とご自身の資格や経験がマッチしていていることが求められます。現時点では難しい内容でも、課題に取り組む姿勢をアピールできれば好印象につながるでしょう。

試験対策

保有資格や実務経験に即した実力を発揮することが重要ですので、実務経験があれば、それほど試験対策は必要ないかもしれません。

実務経験が少ない場合は、簿記や税務など勉強している内容を復習しておくとよいでしょう。会社によっては、仕訳や税務などの実践的な問題が出される場合、筆記試験に電卓を持参するよう指示されることがあります。電卓がなくて困ることがないよう、忘れずに持参しましょう。

<ココまでのまとめ>

・保有資格や実務経験と実際の知識が一致しているかを確認する目的が多い。
・課題に取り組む姿勢をアピールできれば好印象。
・簿記や税務など勉強している内容を復習しておくとよい。

まとめ

採用試験として筆記試験を行うことが募集要項などに記載されていても、詳しい内容については明記されていないことも多いです。ひと口に筆記試験といってもさまざまなタイプがあります。

初めての試験形式にとまどってしまって時間が足りなくなったり、ケアレスミスをしたりということがないよう、できれば試験対策はしておきたいものです。転職エージェントから紹介される場合は、エージェントを通して事前にどんな筆記試験が実施されるのかを聞ける場合が多く、対策がしやすくなります。

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