税理士法人でマネージャーになるには? その後のキャリアについて
税理士法人への就職を考えるなら、入社後のキャリアについても知っておいたほうが良いでしょう。税理士法人のマネージャー職は、実際の業務を取りしきるポジションであり、入社後すぐに身近に接する管理職でもあります。税理士法人でマネージャーになるために必要なスキルや経験、その後のキャリアのイメージなどをご紹介します。
監修
マイナビ税理士編集部
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税理士法人のマネージャーについて
税理士法人の組織体制
税理士法人は、2人以上の税理士が一緒に設立する法人で、個人経営の税理士事務所や会計事務所と異なり、会社組織となっています。ただし、税理士法人と税理士事務所の間に事業上の線引きはなく、事業内容の違いはそれぞれの経営方針の違いによるものです。両者は実質的には同じ業務を行うことができます。
税理士法人の社員は税理士のみと定められており、税理士以外の従業者は職員と呼ばれます。同じ税理士法人でも、規模や事業内容によって組織体制は変わってきます。BIG4などの大手税理士法人の社員は下表のような役職で構成されていることが多いですが、役職名などは法人によって異なります。
ポジション | 役職名 |
---|---|
役員 | パートナー(共同経営者) |
管理職 | ディレクター、サラリーパートナー |
マネージャー、シニアマネージャー | |
一般職 | スタッフ、シニアスタッフ(アソシエイツ) |
マネージャーというポジション
税理士法人の多くでは、一般職であるスタッフ(アソシエイツ)とシニアスタッフが実務に携わるポジションです。シニアスタッフはスタッフが担当した業務のレビューと実務を兼ねる監督職にあたります。
マネージャーは、担当案件とチームを管理する責任者のポジションです。表現を変えると、スタッフ、シニアスタッフで構成される自身のチームを率いて、担当案件の業務に責任を負う立場ということになります。税理士法人においては、実際の業務を取りしきる現場の責任者であり、経営幹部と一般職の間に位置する中間管理職というポジションにあたります。
マネージャーの仕事内容、待遇
業務内容や規模によって、役職ごとの役割には違いが生じます。中小規模の会計事務所は役職者もプレイングマネージャーとして実務に携わる傾向がありますが、BIG4などの大手税理士法人では、マネージャー以上の管理職が実務に携わることはほぼありません。
マネージャーの仕事は部下のマネジメントやレビューが中心となります。受託している案件の業務遂行とあわせて、新規案件やクライアントを獲得することがマネージャーの重要な役割となります。
待遇面では、マネージャー、シニアマネージャーでは年収800~1200万円程度といわれています。ただし、マネージャーからは管理職となるため、残業代が支給されなくなります。一般職として膨大な残業をこなしていた人は、マネージャーに昇格した年は前年より年収が下がってしまうケースもあります。残業代はつかなくなりますが、業績に連動した成果報酬やボーナスが得られるため、年収1000万を超えるマネージャーも珍しくないそうです。
<ココまでのまとめ>
・マネージャーの役割は担当案件の責任者とチーム全体を管理すること。
・新規案件やクライアントを獲得することもマネージャーの役割。
・業績に連動した成果報酬やボーナスで年収1000万を超える人も多い。
税理士法人のマネージャーになるには
マネージャーになるための道のり
税理士法人の多くでは、経験3年程度までのスタッフ(アソシエイツ)が実務に携わり、スタッフが担当した業務のレビューと実務を兼ねる監督職として、入社4~6年程度のシニアスタッフが業務にあたります。
シニアスタッフとして経験を積み、マネージャーへと昇格します。早い人では、経験7年、年齢でいうと30歳前後からマネージャーに昇格する人が出てくることになります。ただし、BIG4などの大手税理士法人はいわゆる年功序列型の人事制度ではありませんので、一概にはいえません。
マネージャーになるための条件
シニアスタッフまでは、経験に見合った成果を出していれば比較的スムーズに昇格できますが、シニアスタッフから管理職であるマネージャーへの昇格にはハードルがあります。
シニアスタッフとマネージャーでは、役割や仕事の質が大きく変わります。マネージャーは、チームをコントロールして、案件全体を管理する能力が求められます。シニアスタッフまでは税務の知識やスキルが優先されますが、マネージャー昇格にはマネジメント力や顧客折衝のための交渉力、営業力を備えていることが条件となります。
<ココまでのまとめ>
・早い人では経験7年くらい、30歳前後からマネージャーに昇格する。
・マネジメント力や交渉力、営業力などが求められる。
マネージャー経験後のキャリア
マネージャー経験後、事業会社に転職
事業会社に転職する場合、税務部門がある大手企業では税務に特化した仕事ができますが、ない場合は会計・決算などの経理業務に携わる可能性があります。
事業会社での仕事は、社外のエキスパートの立場でアドバイスするのとは異なる視点や配慮が必要になります。勝手が違う部分もありますが、会社の一員として会社の発展に貢献できる手応えを感じることができるでしょう。
マネージャー経験後、他の税理士法人・会計事務所に転職
大手税理士法人のマネージャー経験者は、中堅・中小規模の税理士法人・会計事務所ではより上位の役職で迎えられる場合があります。実務経験に加えて、大手税理士法人で築いた人脈などを期待されることも多いです。
転職先によって年収が下がり、クライアントや案件の規模は小さくなる可能性はありますが、経験できる業務の幅は広がります。独立開業に向けた経験を積むにも適しています。
マネージャー経験後、コンサルティングファームに転職
特殊かつ高度な税務知識や税務コンサルティングの経験が、M&Aアドバイザリー、企業再生のコンサルティングで税務の知見を活かせます。コンサルタントとしてのキャリアをめざす場合は、税務だけでなく、ファイナンスや経営、金融など税務以外の業務にも携わることが求められるでしょう。
パートナーをめざす
大手税理士法人のパートナーは、マネージャーよりさらに狭き門です。パートナーをめざす場合は、業績への貢献や社内外への影響力など、税理士としてではなく、ビジネスパーソンとしての能力や資質が問われるようになります。
独立開業
中小企業をクライアントとする会計事務所を開業する場合には、大手税理士法人で携わる機会が少ない一般的な会計や決算業務の知識が必要になります。中小規模の会計事務所などで経験を積んでから、独立開業を考えるとよいでしょう。
<ココまでのまとめ>
・税理士法人以外の転職先では、税務以外の業務に携わることができる。
・M&Aアドバイザリー、企業再生のコンサルティングで税務の知見を活かせる。
・パートナーをめざす場合はビジネスパーソンとしての能力や資質が問われる。
・独立開業をめざす場合は中小規模の会計事務所などで経験を積むとよい。
まとめ
税理士法人は大手から中堅中小までさまざまな規模の法人があり、業務内容などの差異が大きい傾向があります。事業承継や相続に特化する法人や大手企業などのクライアントを中心とする大規模の税理士法人など、どのような法人で経験を積むかでその後のキャリアは変わってきます。
マネージャーとしてマネジメントや営業を経験することで、さらにキャリアの選択肢は広がります。マイナビ税理士では、キャリアアップのサポートをお手伝いいたします。
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転職された方の声
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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