20代税理士の市場価値と主な転職先は?市場価値の高め方もご紹介
20代で税理士資格を持つことは大きなアドバンテージですが、市場価値を最大限に引き出すためには、適切なキャリア戦略が必要です。この記事では、税理士登録者の年齢構成をもとに20代税理士の市場価値を分析し、その価値を更に高めるための具体的な方法を解説します。さらに、主な転職先と転職先ごとのメリットを紹介し、20代税理士が自信を持ってキャリアを築くためのヒントを提供します。
監修
マイナビ税理士編集部
マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。
目次
20代税理士の市場価値は?
まずは20代税理士の市場価値について、税理士登録者の年齢構成や20代税理士の強みと弱みにも触れながらご紹介します。
税理士登録者の年齢構成
税理士登録者のうち、20代の登録者は何人くらいなのでしょうか。日本税理士連合会が2014年に実施した調査によると、税理士32,742人のうち20代の登録者はわずか187人で、割合にして0.6%でした。30代の登録者を合わせても全体の10.9%に過ぎず、登録者の過半数(53.8%)は60代以上が占めています。この年齢構成から考えると、20代の税理士登録者は非常に希少だといえるでしょう。
一方、税理士と同じ会計専門職である公認会計士では、20代の登録者が2,236名です。全体に占める割合は6.3%となっており、税理士と比べると20代の登録者が多いことがわかります。税理士の年齢層が公認会計士よりも高い理由としては、税理士に「OB税理士」と呼ばれる元国税職員が多いこと、税理士試験が長期にわたる難関試験であることが影響していると考えられるでしょう。
出典:日本税理士連合会ホームページ
出典:金融庁ホームページ
20代税理士の強みと弱み
20代税理士の強みとしては、若くてバイタリティがある点や、新しい知識の吸収力が高い点が挙げられます。確定申告や3月決算といった税理士業界の繁忙期には、残業時間が増えがちです。そうした際、20代税理士は体力が続きやすいことが強みとなるでしょう。また、新しい税制や税制改正の内容を習得することに長けており、他の年代の税理士と比べても、これらの変化に対応する能力が高い傾向にあります。
一方、弱みとしては、税理士としての知識はあるものの経験が不足している点や、業界内ネットワークが不十分であるといった点が挙げられます。税理士として活躍するためには、税法の知識に加えて税務調査の現場で調査官と交渉する力、顧客からのクレームや過度な要求に対処するコミュニケーション能力などが必要です。しかし、これらのスキルは一朝一夕で身につくものではありません。やはり、長く業務に従事してきた、経験豊富な税理士の方が優れています。また、20代税理士は業界経験が浅いため、税理士業界内でのネットワークを構築するのにも時間がかかるでしょう。
20代税理士の市場価値
20代の税理士には上述した弱みがあるものの、年齢構成から見ると希少な存在です。また、専門知識を持つプロフェッショナルであると同時に、将来性の豊かなポテンシャル人材でもあります。そのため、20代税理士の市場価値は非常に高いといえるでしょう。転職先としては税理士法人のほか、事業会社やコンサルティングファームなども考えられます。
しかし、Big4と呼ばれる税理士法人や大手の事業会社には、常に多くの転職希望者がいます。そのため、これら人気企業への転職を実現するためには、20代税理士を含むライバルとの競争に打ち勝たなくてはいけません。
20代税理士が更に市場価値を高めるための方法
20代税理士が、さらに市場価値を高めるための方法をご紹介します。
管理職の経験を積む
20代のうちに管理職(マネージャー)の経験を積んでおくと、専門家だけでなく管理職としての評価も加わるため、さらなる市場価値の向上が期待できるでしょう。管理職経験からは、単に業務を遂行するだけでなく、チームのマネジメントや意思決定、戦略的な視点を養う機会を得ることができます。これにより、専門分野における知識やスキルに加え、組織運営やリーダーシップの能力も備わるため、転職市場において非常に魅力的な人材となるのです。
特に、管理職経験があることで、大手企業やグローバル企業など、より高いレベルのポジションに挑戦する際の競争力が増してキャリアの選択肢が広がります。20代でこうした経験を積むことは、将来的なキャリアパスにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。
他の資格を取得する
20代は知識の吸収力が高く、他の年代と比較して勉強時間を確保しやすい時期です。この時期に会計士試験や司法試験に挑戦し、税理士に加えてプラスアルファの資格を取得できれば、税務に留まらずさまざまな分野へ進出が可能となります。たとえば会計士資格を持つことで、企業の財務やコンサルティングの分野においても活躍できる機会が増えるでしょう。また、司法試験に合格すれば税務訴訟や法律に関する業務にも携わることができ、さらなる専門性が加わります。
こうした資格を20代のうちに取得しておくことで、専門家としての市場価値が大幅に向上し、より多くのキャリアオプションが開かれるでしょう。早い段階で複数の資格を手に入れることは、今後のキャリアを踏まえて市場価値を大きく高められる手段です。
英語の勉強に取り組む
Big4税理士法人や大手の事業会社では、日常業務で英語を使用する機会が少なくありません。そのため、採用時には英語力が重視されます。英語の勉強に取り組み、TOEICやTOEFLで高い点数を取得することができれば、英語力を求める転職先から高い評価を得られるでしょう。
特に、国際的なクライアントを持つ企業や海外とのやり取りが頻繁にある職場では、英語力が大きな武器となります。英語でのコミュニケーション能力を証明することができれば、採用やキャリアの面で有利になるだけでなく、より高いポジションや責任ある業務を任される可能性も高まるはずです。
20代税理士の主な転職先
ここまで、20代税理士の市場価値について、さらに高めるための方法とあわせてご紹介しました。最後に、20代税理士の主な転職先と、各転職先を選択するメリットについて確認しておきましょう。
税理士法人
税理士法人とは、税理士が2名以上集まって設立される法人のことです。税理士法人には、Big4と呼ばれる大手税理士法人から中小規模の税理士法人まで、さまざまな規模のものがあります。ただし、一般的に税理士事務所と比べると人員が多く、クライアントも法人が中心です。そうした税理士法人に転職するメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
1 年功序列が緩い
税理士法人では事業会社に比べて年功序列が緩い傾向があり、税理士であれば20代でも管理職(マネージャー)を経験できる可能性が高いでしょう。これにより、若いうちからリーダーシップやマネジメントスキルを磨くことができます。
2 早期昇進とパートナーへの道
20代のうちに税理士法人に転職すると、若いうちに昇進するチャンスが増え、将来的に税理士法人の経営者である社員(パートナー)に就任できる可能性も高まります。パートナーシップを目指すキャリアパスを描くには、税理士法人での経験が有利に働くでしょう。
3 事業会社への転職にも有利
税理士法人のクライアントは法人が中心であるため、将来的に事業会社への転職を考える際に、事業会社が求める知識や経験を積むことができます。これにより、事業会社でのキャリア構築にも有利となります。
税理士事務所(会計事務所)
税理士事務所(会計事務所)は、所長である税理士とその他のスタッフで構成される、比較的小規模な組織です。税理士法人と比べると少人数で運営されていることが多く、クライアントも個人が中心となっています。税理士事務所に転職するメリットとしては、以下の2点が挙げられるでしょう。
1 個人相手の税目に触れる機会
税理士事務所では個人をクライアントとすることが多いため、所得税や相続税など、個人相手の税目に関わる機会が豊富にあります。将来独立を考えている税理士にとって、これらの経験は非常に貴重であり、独立後に役立つ知識やスキルを身につけることが可能です。
2 顧客基盤の引き継ぎの可能性
税理士事務所で働くことにより、現在の所長が引退する際に、その顧客基盤を引き継ぐことができる可能性があります。自身が所長となった際にゼロから顧客を開拓する必要がないため、安定した事業基盤のもとで腰を落ち着けて事業に専念することができます。
事業会社
事業会社に転職する場合、経理部に配属されると、主に法人税や消費税、所得税などの計算や申告を行う税務業務、月次・年次決算の作成、財務諸表の作成などの会計業務を担当することになります。また、将来的には、経理部以外の職種へ異動する可能性も考えられるでしょう。例えば財務部や経営企画部など、他の部門での経験を積むことができる場合があります。
事業会社に転職するメリットとしては、税理士法人や税理士事務所と比べるとワークライフバランスを取りやすい傾向にある点や、顧客対応の必要がない点が挙げられます。事業会社にも繁忙期や業務の締め切りはありますが、顧客対応がない分、計画どおり有給休暇を取得しやすい傾向にあるでしょう。
まとめ
20代税理士の市場価値や市場価値をさらに高めるための方法、20代税理士の主な転職先についてご紹介しました。基本的に20代税理士は希少で市場価値も高い存在ですが、転職難易度の高い人気企業への転職を実現するためには、管理職経験や英語の勉強に取り組むとよいでしょう。また、人気企業への転職を実現するためには、信頼できる転職アドバイザーのサポートを受けることをおすすめします。サポートを受けたいとお考えの方は、ぜひマイナビ税理士の転職支援サービスにご相談ください。
マイナビ税理士を利用して
転職された方の声
-
進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
-
求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
マイナビ税理士とは?
マイナビ税理士は税理士として働く「あなたの可能性」を広げるサポートをいたします。
特集コンテンツ
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
-
【20代】税理士科目合格者
【30代】税理士科目合格者
【20代】税理士
【30代】税理士
税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
-
一般事業会社
会計事務所・税理士法人
コンサルティングファーム
税理士・科目合格者の転職成功事例
税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
-
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
カテゴリから記事を探す
特集コンテンツ
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
-
【20代】税理士科目合格者
【30代】税理士科目合格者
【20代】税理士
【30代】税理士
税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
-
一般事業会社
会計事務所・税理士法人
コンサルティングファーム
税理士・科目合格者の転職成功事例
税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
-
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
カテゴリから記事を探す
税理士業界専門転職エージェント
担当キャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。
特集コンテンツ
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
-
【20代】税理士科目合格者
【30代】税理士科目合格者
【20代】税理士
【30代】税理士
税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
-
一般事業会社
会計事務所・税理士法人
コンサルティングファーム
税理士・科目合格者の転職成功事例
税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
-
会計事務所
税理士法人
コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
カテゴリから記事を探す
税理士業界専門転職エージェント
担当キャリアアドバイザーが
相談~内定後までご支援いたします。