未経験でも経理に転職できるか

一般的に、中途採用では即戦力が求められるため、30代以降の場合は経験者の方が有利です。しかし、20代の場合には将来的な成長も期待して採用することが多く、未経験でも十分に転職のチャンスがあります。そのため、経理の仕事は専門的な業務も多いですが、20代であれば未経験でも転職は可能といえるでしょう。

経理の仕事とは

経理の仕事は、企業のお金の流れを管理し、決算書を作成することです。主な業務は、以下の通りとなります。

• 日常業務

現金残高の管理、伝票起票（会計ソフトへの入力）、経費精算

• 月次業務

月次決算業務、預金残高の管理、債券債務の管理、資金繰り

• 年次業務

年次決算業務、開示資料の作成、税務申告書の作成・納税

企業のお金や決算の数字を管理するため、経営にも関わる重要な仕事です。ただし、会社の業種や規模によって、具体的な業務の内容は異なります。そのため、経理に転職する際には、会社の業種や規模をきちんと確認するようにしましょう。

業種別の経理の仕事

経理の仕事について、いくつか業種別で内容を見ていきましょう。

小売業

商品を仕入れて販売する業種で、比較的、馴染みのある業種です。一般的な経理業務に加えて、特に在庫管理と資金繰りが重要な業務になります。

製造業

機械や食料品、衣類など、さまざまな製品を製造・販売する業種です。製造業の特徴は、材料を仕入れて加工した製品の価格を決定するために、原価計算を行う必要がある点となります。

不動産業

土地や建物など取り扱う商品の単価が大きく、また、年度をまたぐような長期間のプロジェクトが発生することが特徴です。そのため、不動産業特有の会計処理の知識が必要となります。

金融業

金融業は、銀行や証券会社、保険会社など、「お金」を取り扱う業種が該当します。経理業務が他の業種と異なる部分も多いため、専門的な知識が必要です。

会社の規模別の経理の仕事

会社の規模によっても経理の仕事は異なるため、ここで確認しておきましょう。

大企業や上場企業

業務量が多いため、経理・財務など経理業務を細分化し、複数人で対応することが一般的です。また、四半期ごとに決算報告書を作成して開示する義務があるため、監査対応など、外部の人との関わりも多くなります。

上場企業の子会社や関連会社など

会社の規模の大小に関わらず、親会社と同様のレベルでの決算処理が必要となります。また、親会社の経理部門との連携が求められ、監査対応が必要となる場合もあるので、負担は大きくなりますがさまざまな経験ができる環境です。

中小企業

人手不足などにより、経理業務全般を一人で対応することも多いでしょう。その場合、一人ですべての業務をこなすのは大変なため、会計事務所など外部の専門家に業務を依頼することもあり、外部の方とのやりとりも重要になってきます。一人でさまざまな業務に対応しなければならないので、経験の積み重ねが重要です。

外資系企業

本社が海外にあるため、日本基準での決算書の他に海外の基準での報告書の作成も必要となります。また、海外とのコミュニケーションに必要なレベルでの語学力が必要となるのが特徴です。

経理に向いている人

以下に、経理の仕事に向いている人の特徴を挙げました。

会社経営に興味がある

経理は会社のお金や決算の数字など、経営にかかわる重要な情報を管理します。また、経営陣に会社の決算状況を報告する機会などもあり、会社の経営全般について知る機会が多い仕事です。そのため、会社経営などに興味がある人が向いているといえます。

数字に強い

経理では多くの数字を扱うため、数字に強い人の方が有利となります。また、決算の状況を分析・報告する必要があるため、分析力や資料作成のスキルがある人が向いているでしょう。

地道な作業が得意

経理の日々の業務には、単純な作業の繰り返しも少なくありません。ミスが起こらないように集中して業務を行う必要があるため、コツコツと地道な作業を集中してできる人が向いているといえます。

コミュニケーション能力が高い

経理職は、ほかの部署と連携をとる場面が多くあります。また、経営者だけでなく、取引銀行や税理士など外部の人間にも、会社の経営状況などをきちんと説明しなくてはいけません。そのため、コミュニケーション能力の高い人に向いています。

経理の仕事に役立つ資格

経理の仕事へ転職する場合は、以下のような資格を取得しておくと有利になるでしょう。

日商簿記3～1級

一般的な経理業務で求められるレベルとしては、2級を取得するといいでしょう。ただし、20代で初心者であれば、まずは3級からスタートとして、簿記に関する基本的な知識を取得することをおすすめします。

MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）

経理部門では会計ソフトを含めてPCを使用することが多いため、Excelやwordなど、基本的なPCスキルがあると業務に役立ちます。

FP技能検定（3～1級）

金融、税制、年金制度など、お金に関する幅広い知識を求められる資格です。個人の資産形成に役立つ資格ですが、経理業務に役立てることもできます。

まとめ

経理の仕事は専門的な業務も多いですが、パターン化されているものも少なくありません。また、基本的なPCスキルと学習意欲があれば、未経験の20代でも十分に転職可能な職種です。日商簿記2級などの経理職に役立つ資格を積極的に取得することで、未経験でも知識や意欲が評価され、採用される可能性が高まるでしょう。
もし、経理への転職をお考えであれば、キャリアアドバイザーへ相談することをおすすめします。マイナビ税理士のキャリアアドバイザーは、現状を丁寧にヒアリングし、適切なキャリアプランを提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。