デジタル化が進むいまこそ、税理士に「人間力」が求められている!?

2018/05/02
業界トピックス
デジタル化が進むいまこそ、税理士に「人間力」が求められている!?

AIやロボットに仕事を奪われる――。

近年、税理士に対するこのような言葉が盛んにネットで見られます。

でも、これって本当なのでしょうか?

「AIに仕事を奪われる」といわれて

オックスフォード大学のAI研究者、マイケル・オズボーン准教授が2014年に発表した『雇用の未来──コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文。とても有名なものなので、みなさんも一度は聞いたことがあると思います。

論文では、90%の確率で10年後になくなる仕事、計37種類の中に「簿記、会計、監査の事務員」と「税務申告代行者」が入っています。このことが日本でも大きな話題になり、税理士や会計士は10年後にはなくなる仕事、という論調で語られてきました。

たしかに、クラウド会計ソフト「freee」など、会計ソフトが普及し、以前よりも個人が会計や税務処理を身近に感じている状況は出てきています。freeeは「300人規模の企業であれば、経理担当は0.8人で済む」と試算しており、現在、同規模の企業は、平均3.7人の経理担当を雇っているため、約3人が減るという計算になります。

危機感を抱いている税理士も少なくありません。

以前は税理士が当たり前のように行ってきた記帳代行業務などはクラウド会計ソフトができるようになっているため、「実際に仕事が減っている」という声を聞きます。そのため、ほかの稼げる道を模索して、M&Aサポート業務の副業をはじめる税理士など、新たな動きも出てきているようです。

でも、本当に税理士はAIやロボットに仕事を奪われてしまうのでしょうか? そもそも、税理士の仕事の核となるものはクラウド会計ソフトにもできる「記帳代行業務」などの単純業務なのでしょうか?

いえ、そうではないはずです。

<ココまでのまとめ>

・オズボーン准教授の論文の影響で、税理士がなくなる仕事として取り上げられている。
・クラウド会計ソフトの出現により、実際に危機感を抱いている税理士も少なくない。

税理士の仕事の核は何か?という話は最後に詳しくするとして、最近、世の中で起こっている1つの現象に注目して税理士の仕事を考えてみます。

その現象とは、デジタルからアナログへの回帰傾向です。

たとえば、2015年に東京・中目黒にオープンしたカセットテープ専門店「waltz」。いま音楽を聞くのはiTunesやSpotifyのデジタルが主流にありますが、そこで扱っているのは、CDも飛び越して、カセットテープです。

カセットテープといえば、「The昭和の音楽ツール」。テープはすり減って音質が落ちてしまったり、モノとしてかさばったりと、いまの便利なデジタルツールに比べれば、さまざまなデメリットがありますが、それでもいままた“テープ好き”が増えているそうです。

これはデジタルに疲れた、または飽きた人たちが原点であるアナログの良さや魅力を再確認しているからでしょう。テープはデザインがかわいい、録音するのが楽しいなど、「じつはこんな良いところがあった」と思い直している人が多数いるからこそ、都心にカセットテープ専門店が生まれ、テープ好きの存在が表出化しているのです。

このように過去を振り返ってみると、“原点回帰”や“揺り戻し”が起きることは少なくありません。

税理士の世界も、またしかりです。たしかにいまはクラウド会計ソフトに代表されるようにデジタル化が急激に進んでいます。そんななか「税理士はもういらない」「AIやロボットで済むんでしょ?」と心ない言葉を放つ人もいるでしょう。

しかし、デジタル化される=税理士の仕事がなくなる、はイコールではありません。なぜなら、税理士の仕事のすべてがデジタル化できるものではないからです。きっと、カセットテープが改めて注目を集めたように、人間にしかできない税理士の仕事の核に注目が集まるときがやってくるはずです。

<ココまでのまとめ>

・デジタルからアナログへの回帰傾向が現れている。
・税理士の仕事もデジタル化されるからなくなるというものではない。

人間力を見直す時代

では、税理士の仕事の核とは何か? という本題に入ります。

この答えは税理士の一人ひとりがもっているものですが、1つあげるとすれば「相手の懐に深いところに入り込んで、柔軟な判断、アドバイス、コンサルティングをすること」ではないでしょうか。

シンプルな入力作業や確実に答えが出ているものであれば、それはAIやロボットでも代替可能な仕事です。でも、人間対人間のコミュニケーションはそうではありません。日常会話からはじまり、何気ないきっかけから“本音の相談”がポロッと出てくることもあるものです。

デジタルは今後、ますます活性化していき、さらに便利な世の中になっていくでしょう。だからこそ、人間はより一層、このような「アナログ力」を高めていく必要があるはずです。

人対人で、心と心を通わせるコミュニケーションをクライアントとできれば、その一方でAIやロボットには正確な仕事をさせる「アシスタント」として有効活用することができます。逆に、AIやロボットがメインになって、自分がアシスタント側に回ってはいけないともいえます。

デジタル化が進む時代だからこそ、私たち人間は何をできるか、何をするべきかを考え、明確に「ポジショニング」をすることが求められているのかもしれません。

<ココまでのまとめ>

・雑談から本音を引き出すことは、AIやロボットには、まだできない。
・AIやロボットはアシスタント。人間がアシスタントになってはいけない。

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