大阪府で働いている税理士は、どんな職場で活躍しているのでしょうか。税理士や税理士事務所の数など、最新データを基に税理士の業界事情を解説します。

大阪府で働いている税理士は、どんな職場で活躍しているのでしょうか。税理士や税理士事務所の数など、最新データを基に税理士の業界事情を解説します。

国税庁が発表した2018年の税理士試験結果によると、大阪府の合格者数は113人、一部科目合格者数は495人で、合計で608人となっています（国税庁「平成30年度（第68回）税理士試験結果表（試験地別）」）。
また、全国の税理士が加盟している日本税理士会連合会によると、近畿での税理士登録者数は14,931人で、全国のおよそ2割の税理士が、大阪府を含む近畿エリアで働いている計算になります（日本税理士会連合会「税理士登録者・税理士法人届出数」2019年9月末日時点」）。

税理士の多くが就業している税理士事務所の数で見ると、大阪府は2,537社となっています（総務省「平成28年経済センサス－活動調査（事業所に関する集計 産業別集計 サービス関連産業Bに関する集計）」）。東京都に次いで税理士事務所の数が多く、税理士の求人も豊富なエリアとなります。
また、日本税理士会連合会に登録している近畿の税理士法人は合計1,000（本店692、支店308）あり、全国の税理士事務所数6,139社‬（本店4,068社、支店2,071社）のうち、約16％が近畿エリアに事務所を構えている計算になります（日本税理士会連合会「税理士登録者・税理士法人届出数」2019年9月末日時点」）。
ほかにも、転職先としては大手税理士法人やコンサルティングファームなどもあり、転職市場が活発なエリアといえます。

税理士のクライアントとなる企業は、どのくらいあるのでしょうか。大阪府内にある事業所数は42万2,568社で、東京に次ぐ全国屈指の事業所数を誇っています（総務省「平成28年経済センサス－活動調査（確報）」）。
産業分類別で事業所数が最も多いのは「卸売業、小売業」で、99,493社と全体の約24％を占めており、全国的にも特に卸売業・小売業の事業所が多いのが大阪府の特徴といえます（総務省「平成28年経済センサス－活動調査結果（産業別集計・卸売業・小売業）」）。

商業圏として発展している大阪府では、税理士はどのような職場で活躍しているのでしょうか。転職状況や職場環境、年収面などをチェックしてみましょう。

大阪府の公認会計士・税理士の平均年収は、およそ884万円（厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」2019年6月時点）で、全国でもトップクラスの高年収となっています。特にM&Aや財務コンサルティング、事業承継、国際税務など、特定の分野に特化した業務を扱う税理士は、専門知識やスキルに応じて年収も高くなる傾向があります。

大阪府は、東京都に次いで多くの税理士が活躍しているエリアです。大企業や製造業も多く、相続税や決算書作成などの税務全般を手掛けることが多いといえます。多くの税理士をかかえる大手税理士法人もあり、BIG4税理士法人も大阪府に事業所を置いているため、税理士法人でキャリアアップを目指したい場合は求人が充実しているのがメリットです。
近年、大阪府ではアジアからのインバウンドが急増しており、国際税務などでもインバウンドに対応できる税理士は人気です。めまぐるしく変化する国際情勢や法改正に対応するため、社内税理士を採用するケースも増えています。
ただし、日本税理士会連合会の調査によると、大阪府を含む近畿エリアは税理士の半数以上が60代以上となっており、高齢化が進んでいるエリアでもあります（日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」）。今後も慢性的な税理士不足は続くと見られ、各業種で税理士が活躍できる可能性は高いでしょう。

大阪府は商業都市として発達しており、さまざまな業種・形態の企業があります。東京都は日本の中心地で、大手企業とスケールの大きな案件を担当する可能性は高くなりますが、その分スピードや高度なスキルが求められやすい傾向があります。一方、大阪府では中小規模の事業所とじっくり関わる機会も多く、税理士としてのキャリアを確かなものにできるのが魅力といえます。
また、大阪府は全国で3番目に人口が多いエリアで、JRや私鉄、地下鉄、路線バス網などが発達しているため、兵庫、和歌山、奈良、京都、滋賀からも通勤が可能です。ワークライフバランスを整えやすい住環境も魅力といえるでしょう。
どのような求人があるのか、エリア別の求人特集ページでぜひチェックしてみてください。