東京都における税理士の転職・求人事情とは?
更新日:
東京都は、60万を超える多種多様な業種や形態の企業がある一大経済圏です。企業をクライアントとする税理士の求人も豊富で、自分に合った転職先を探すことができます。
ここでは、東京都の税理士業界の動向や年収の相場、転職・求人事情などについて、詳しく解説します。
東京都の税理士業界
-
日本経済の中心地である東京都は、税理士にとってさまざまな働き方が選べる地域です。まずは東京都の税理士業界について、データを基に確認しておきましょう。
税理士の数は?
国税庁が発表した2018年の税理士試験結果によると、東京都の合格者数は360人で、一部科目合格者数は1,779人、合計で2,139人となっています(国税庁「平成30年度(第68回)税理士試験結果表(試験地別)」)。全国の合計合格者数は4,716人なので、全体の約45%と半数近い数を東京都の合格者が占めている計算になります。
また、日本税理士会連合会によると、東京都の税理士登録者数は23,221人で、全国の税理士数78,508人のうち、約3割が東京で働いていることがわかります(日本税理士会連合会「税理士登録者・税理士法人届出数」2019年9月末日時点)。税理士事務所の数は?
税理士の多くが就業する税理士事務所の数で見ると、東京都は4,737社で全国でもトップの数となっています(総務省「平成28年経済センサス-活動調査(事業所に関する集計 産業別集計 サービス関連産業Bに関する集計)」)。
また、日本税理士会連合会に登録している東京都の税理士法人は、本店が1,248、支店が439、合計1,687あり、全国の税理士事務所数6,139(本店4,068、支店2,071)のうち、約27%が東京都に事務所を構えていることになります(日本税理士会連合会「税理士登録者・税理士法人届出数」2019年9月末日時点)。
東京都にある税理士事務所は、個人事務所から大手税理士法人まで規模はさまざまです。また、最近ではコンサルティングファームや一般事業会社の求人も増えており、東京都での税理士の職場は年々多彩になっています。事業所数は?
東京都には、日本経済をリードする老舗企業からベンチャー企業まで、多種多様な企業が存在しています。東京都の事業所数は2016年6月時点で68万5,615社あり、全国の約12.3%の企業が東京都でビジネスをしている計算となります(総務省「平成28年経済センサス-活動調査(確報)」)。
老舗企業や中小企業は事業承継、ベンチャー企業は新規ビジネスや資金調達、大手企業はグローバル化に伴う国際税務や財務コンサルなど、事業者の数と形態が幅広い東京都だけに、税理士の業務も多岐にわたります。
東京都の税理士の転職市場
-
東京都での税理士は、どのような条件の職場や職種の求人があるのでしょうか。年収、職場、職種などから、東京都の転職市場の動向を探ってみましょう。
東京都で働く税理士の平均年収は?
東京都は、求人数の多さはもちろんですが、多彩なクライアントに応じて専門知識やスキル、幅広い業務に対応できるキャリアが求められ、収入面も高くなる傾向があります。東京都の公認会計士・税理士の平均年収は、およそ983万円で(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」2019年6月時点)、全国でもトップの高収入となっています。
収入アップを目指して転職を考えるなら、東京都での勤務は最適ともいえますが、めまぐるしく変化する業界の中で最新知識をキャッチアップする必要があるため、勉強のための時間を確保するなどの努力が求められます。どんな勤務場所や職種の求人が多い?
東京都にはさまざまな業種や規模、形態の企業が存在しており、税理士に求められる業務も企業によって大きく異なります。近年では、記帳代行といった従来の税務と、国際税務や事業承継、M&Aなど専門知識を必要とする業務と、東京都での税理士の業務は二極化が進みつつあります。特に、税法改正の伴う相続税業務やグローバル化による国際税務、M&Aや事業承継に伴う組織再編の税務など、専門的な職種の求人が増えています。
税理士事務所で税理士としてのキャリアを積むか、高い専門知識を活かして幅広い業務を担当するか、自分の進みたい方向性に合わせて求人を選ぶことが可能です。また、税理士法人では税理士の人材不足が慢性化しており、売り手市場は今後も続くと考えられています。東京都はBIG4と呼ばれる大手税理士法人の拠点となっており、大手企業をクライアントとした案件を手掛けたい人にとっては最初に検討すべき転職エリアといえるでしょう。
ほかにも、一般事業会社でもグローバル化や業種の多様化、相次ぐ法令の改正に対してスピーディーに対応できる税理士の確保が急務となっています。税理士を社員として迎えたいという企業も増えています。
東京都で転職する税理士のメリット
-
近年は、企業などでクラウド会計ソフトの導入が加速しています。税理士の業務も、記帳代行や税務相談といった従来のものは需要が下がっています。一方で、M&Aに伴う組織再編や事業承継、海外進出による国際税務、ベンチャー企業での資金調達や財務コンサルなど、より専門性の高い業務が増え、そうした業務に対応できる人材の求人も増えています。
東京都ではその傾向が特に強く、会計事務所や税理士事務所などで税理士としてのスキルを高めることもできれば、コンサルティングファームや一般事業会社で税理士の知識を活かしてキャリアを積むこともできます。幅広い求人から転職先を探すことができるのが、東京都で転職するメリットといえます。高い専門知識やスキルがあれば、その分年収も高くなる傾向があり、常に最新情報をキャッチアップしたり勉強したりする態度が求められます。スキルを磨きながらチャレンジングな仕事を手掛けたい人には、東京都は最適の勤務エリアといえるでしょう。
どのような求人があるのか、エリア別の求人特集ページでぜひチェックしてみてください。

監修
マイナビ税理士編集部
マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。
-
確定申告期限延長による会計事務所への影響について
-
個人税理士事務所の良さ
-
どのような税理士事務所をめざすか!?
-
税理士事務所と在宅勤務
-
税理士事務所での繁忙期の業務
-
医療特化型の税理士法人へ転職するメリット・デメリットとは?
-
税理士事務所での仕事の進め方で心がけていること
-
会計事務所の仕事でミスを減らすためにできること
-
福岡県における税理士の転職・求人事情とは?
-
税理士のニーズが高まる資産税案件。資産税に強い求人特集
-
税理士を目指すオススメ求人!資格取得支援制度で働きながら科目合格 税理士を目指すオススメ求人!資格取得支援制度で働きながら科目合格
-
愛知県における税理士の転職・求人事情とは?
-
大阪府における税理士の転職・求人事情とは?
-
東京都における税理士の転職・求人事情とは?
-
エンジニアから税理士業界に転職、税理士の魅力とやりがい
-
企業サポートにおいて、役に立ったITによる業務効率化の方法
-
税理士になるまでの過程と税理士業界についての考察
-
税理士になるためにかかった勉強時間
-
税理士業務における IT を使った効率化
-
【必見!】エンジニアから税理士へ転職できた成功体験
- 税理士の転職Q&A
- 税理士の方の疑問や悩み、不安を解消します。
- 【20代】税理士科目合格者 【30代】税理士科目合格者 【20代】税理士 【30代】税理士 税理士業界全般
- 税理士の転職事例
- マイナビ税理士の転職成功者の方々の事例をご紹介します。
- 一般事業会社 会計事務所・税理士法人 コンサルティングファーム 税理士・科目合格者の転職成功事例 税理士・科目合格者が転職で失敗する4つの原因
- 税理士の志望動機・面接対策
- 面接のマナーを押さえ、あなたの強みを引き出す面接対策方法をご紹介
- 会計事務所 税理士法人 コンサルティングファーム
- はじめての転職
- 転職への不安を抱えた方々に向けて転職のサポートを行なっています。
- 税理士の転職時期
- 転職活動の時期や準備時期、スケジュールなどをお伝えします。
- 履歴書、職務経歴書の書き方
- 人事担当者から見て魅力的な職務経歴書を書く方法をご説明します。
- 女性税理士の転職
- 女性税理士の転職事情や成功するための秘策をご紹介します。
- 実務未経験の転職
- 実務未経験の税理士試験合格者の転職成功ガイドをご紹介します。