エンジニアから税理士業界に転職、税理士の魅力とやりがい
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私は、学生時代から理系畑を歩み、そのまま大手メーカーにエンジニアとして就職して8年間働きました。現在は、会社を辞めて実家の税理士事務所で税理士として働いています。少し異色の経歴を持つ私の目から見た、「税理士の魅力とやりがい」についてお話しさせていただきます。
大企業のエンジニアが税理士をめざした理由
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大企業にいたときは、自動車部品の設計・開発を担当しておりました。給料が良く福利厚生が充実している点には満足しており、また、グローバルに展開している事業の一翼を担えるという点ではやりがいを感じておりました。
しかしその半面、会社が大きいため会社の調子が良くても悪くても実感が湧かない点や、たまに褒められても全然ピンとこない状態に、悶々とした日々を送っておりました。また、組織の歯車として働き、自分の裁量が発揮できないことにも徐々に不満を感じるようになりました。
30代も半ばに入りかかった頃、このまま会社に勤め続けるか、キャリアを変えるか、相当に悩みました。どうすれば、一生を終えるときに自分は精一杯やったと言いきれるか? そう考えた結果、このまま会社に勤めていたらそうは思えないだろうという結論に達しました。
そして、実家が税理士事務所を営んでいたこともあり、一念発起して税理士をめざすことにしたのでした。
業界の違い、活かせることと新しく覚えること
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税理士事務所に転職してからは、実務経験を積みながら税理士資格を得るための勉強を開始しましたが、簿記も税務も理系畑を歩んできた自分にはまったく経験がない分野のことだったので苦労しました。資格を取得するまでの5年弱の期間は、仕事と勉強以外の記憶がほとんどありません。
資格取得については背水の陣で挑み必死になって勉強し、なんとか日商簿記1級、税理士試験3科目、大学院での修士論文作成の過程を経て税理士となりました。
実務も思考が重視されるエンジニアの仕事と、知識が重視される税理士業界の仕事内容の違いに慣れるのに苦労したり、大企業にいた頃は大きな流れを意識する仕事の仕方だったのに対して、町街の税理士事務所では数字をきっちり合わせるなど細かい仕事に変わったことで戸惑ったりという日々でした。
それでも、なんとか慣れていかなければならないので、日々試行錯誤しながら税理士事務所の仕事を一つひとつ吸収していきました。
異業種からの転職だと上記のような苦労もありましたが、悪い点ばかりではなく、前職の経験が活きているところも多分にありました。「既存の仕事のやり方が合理的か?」「もっと効率的なやり方はないか?」と疑問に思い、ITを使って改善したり、「顧問先に説明する内容をもっとわかりやすくするにはどうすればよいか?」と考えて改善したりと、前職で身につけた習慣と能力が役に立つ場面もありました。
地方の街の税理士としての仕事の魅力とやりがい
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私がいる税理士事務所は地方にあるので、都会の税理士事務所のように、法人専門、相続専門などと何かの業務に特化しているわけではありません。むしろ、地方の街の税理士として幅広く仕事を受けなければならない立場です。顧問先も法人と個人事業主の両方がおりますし、顧問先に相続案件が発生した場合には対応させていただいております。
また、新しい取り組みとしてはネットでの発信を通じてオンラインセミナーを開催したり、個別のコンサルを実施したりするようになりました。
毎月、月末近くなれば申告に追われるので余裕がない状態になりますし、年末調整や確定申告の時期はどうしてもドタバタします。しかし、個々の顧問先と直接向き合い、事業をより良くしていくためのサポートをさせていただいている立場であることを日々実感できておりますし、顧問先から感謝していただけたときには本当に税理士になって良かったと感じております。
大企業にいた頃には感じられなかったような人の温かみを感じたり、自分が実施した仕事がどう役に立っているか実感できたりすることが、やりがいにつながっているのだと思います。
今後のこと
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税理士業界も、時代によって仕事の仕方が変わっていくのは当たり前のことだと思っています。AI化の波により、やがてなくなる仕事と言われることもありますが、AIに取って代わられる仕事はそうなるのが自然の流れであり、税理士の作業的な仕事がAIによって減るのは仕方のないことだと思います。
税理士の仕事も、従来やっていたことと同じではなく、よりコンサル面に力を入れるとか、教える仕事にシフトしていくなど、少しずつ仕事のスタイルが変わっていくのではないでしょうか。
仕事が取られる取られないではなく、便利になる部分には抗う必要はなく、税理士も時代に合わせて仕事の内容を吟味していけばよいのではないでしょうか。それは、税理士業に限った話ではなく、どの業種でもそうだと思います。何十年か経った後も、時代の変化に対応した税理士として活躍していたいです。
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