はじめに、税務コンサルタントとはどのような業務を行う職種なのでしょうか。ある税理士法人が掲げている税務コンサルタントの求人内容を見てみると、次のように記載されています。

・税務を中心に経営者の相談にのり、最良の提案をする
・税務調査に立ち会い、関係当局と適切に対応して顧客の満足を得る
・資産税、財産保全等の税務コンサルティングを通じて経営者の信頼を得る
・各種税務申告書等作成

これらの項目から税務コンサルタントは「経営者の税務面をサポートし、適切な方向へ導くパートナーのような存在」という見方ができます。

税務コンサルタントは税務に精通しているだけでは不十分で、より幅広い知識が求められる職種です。経営者から信頼を得て、パートナーとして認められるためには「経営の知識」も必要です。それがなければ「相談相手」になることはできません。

企業が発展していくためには財務内容を適切に把握し、そのうえで次の戦略を考えていくことが不可欠です。税務コンサルタントは企業の財務に関する正しい資料を制作するとともに、財務相談や経営相談を行います。

・税務コンサルタントは経営者の税務面のパートナー。
・企業が発展していくために財務相談や経営相談を行う。

税務コンサルタントは一般的に、高収入、ハードワークの職種です。働く意欲、稼ぐ意欲が強い人にとっては適した職種ですが、最近は「働き方改革」や「ワークライフバランス」ということがいわれているように、自分の働き方を見つめなおす税理士も少なくありません。

ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」のことで、税理士法人で働くだけでなく、さまざまなキャリアパスを描くことができる税理士はワークライフバランスを調整しやすい職種といえるかもしれません。

ここで実際に、税務コンサルタントを辞めて、ワークライフバランスを意識して自分のキャリアを切り開いた税理士の例をあげましょう。BIG4税理士法人で税務コンサルタントとして活躍していたAさんは、より経営者と身近な立場で仕事がしたいと考えていたそうです。

東日本大震災をきっかけにして「いま、やるべき」と気づいたAさんは税理士法人を退職。都心から郊外へと移り住み、フリーランスの税務コンサルタントとして地元企業や飲食店などのスモールビジネスのコンサルティング業務をはじめました。

仕事が軌道に乗るまでは苦労したものの、いまでは満足のいくワークライフバランスを手に入れ、充実した日々を過ごしているそうです。

税務コンサルタントのキャリアパスの1つに、Aさんのように独立してフリーランスの税務コンサルタントになるという方法があります。税理士は税理士事務所を開業するだけでなく、コンサルタントとして独立することもできる多様性のある職種です。

ただ、独立開業にリスクはつきものということも頭の片隅に入れておくべきです。会社に所属していたときは仕事が常にあり、それに忙殺される不満があるかもしれませんが、独立すると仕事は自分でつくらなければいけません。思いつきで飛び出す前に、自分はどちらが向いているか、熟考する必要があるでしょう。

・フリーランスの税務コンサルタントとして独立する道がある。
・独立にリスクはつきもの。事前に熟考する。

英語力を身に着けることでグローバルでも活躍できる可能性があるのが税務コンサルタントの魅力です。たとえば、BIG4のPwC税理士法人の税務コンサルタントの求人内容は次のような内容になっています。

・海外に派遣される日本人駐在員及び海外から日本へ派遣される外国人駐在員の税務申告コーディネーション
・個人所得税申告書の作成（日本、米国）、駐在員派遣のための人事施策構築
・国をまたぐ給与、報酬、福利厚生制度に関するコンサルティング
・投資、退職、不動産等を含む総括的税務設計と組み合わせた個人資産の管理
・要望に沿ったイミグレーション解決策の提供

日本企業のグローバル化が進み、現地で人材を採用するケースが増えることに伴い、現地で働く環境をいかに整えられるかがカギになるため、税務コンサルタントは英語力を駆使して上記の仕事を行います。

このほかにもBIG4を中心に、グローバルで活躍が期待される税務コンサルタントの求人募集はたくさんあります。英語を勉強している、英語力があってグローバルで活躍してみたい、いつか海外で働きたいと考えている税理士の方は、一度、求人情報をチェックしてみると関心のある情報が得られるかもしれません。

サイト上で気になる求人が見つからなかった場合でも、公開されていない求人もございますので、気軽にご相談ください。