経理の代表的なキャリアプラン3選 取得したい資格やスキルを解説
現在経理業務を担当している方の中には、「新卒でなんとなく経理部に配属されたが、今後どういったキャリアを歩めばよいか知りたい」「経理業務に慣れてきたので次のステップに進む準備を始めたいが、何から始めればよいかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。この記事では、経理の代表的なキャリアプランを3つご紹介します。それぞれのキャリアプランで求められるスキルや取得しておくべき資格、メリット・デメリットも解説しますので、経理としてのキャリアを考えるうえで参考にしてください。
監修
マイナビ税理士編集部
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目次
経理の代表的なキャリアプラン3選
経理の代表的なキャリアプランとしては、以下の3つが挙げられます。
- 一つの勤務先でゼネラリストになって経営幹部を目指す
- 経理分野に特化したスペシャリストとして複数社での勤務を経験しながら専門性を高める
- 公認会計士や税理士などの資格を取得して独立開業する
以下で、それぞれのキャリアプランの概要を紹介します。
ゼネラリストになるキャリアプラン
新卒で入社した会社で、経理だけでなく総務や人事など幅広い業務を経験しながらゼネラリストとして成長し、最終的に役員といった経営幹部を目指していくというものです。高度経済成長期からごく最近までは、このキャリアプランが日本企業の主流でした。そのため、終身雇用を前提とするメンバーシップ型雇用と高い親和性を持っています。
スペシャリストになるキャリアプラン
新卒で入社した会社で経理職員として一定の経験を積んだ後、別の会社へ転職します。そして、転職先でさらに専門性の高い業務を担当しながら経理職としての専門性を高め、ヘッドハンティングを受けてCFOや経理部長としてさらに別の会社に入社するというものです。このキャリアプランは、経理や法務といった専門性の高い職種であるからこそ選択できるものと言えるでしょう。欧米諸国で広く見られる、ジョブ型雇用と高い親和性を持っています。
独立開業するキャリアプラン
新卒で入社した会社で、経理業務の経験を積みつつ会計士や税理士の資格を取得します。その後、監査法人や税理士法人へ転職して専門家としての経験を蓄積し、一定程度の職位(多くはシニアマネージャーやマネージャー)に達した後で独立開業するというものです。このキャリアプランは、独立開業して食べていける資格でしか成立しません。そのため、経理職においては、会計士もしくは税理士の資格を取得することが一般的です。
各キャリアプランで求められるスキルや取得したい資格
このセクションでは、各キャリアプランで勤務先や周囲から求められるスキル、キャリアプランを順調に駆け上がるために取得したい資格をご紹介します。**
ゼネラリストになるキャリアプラン
ゼネラリストを目指す場合、各業務に対する高度な専門性はさほど求められない傾向にあります。その代わりに、これまでとはまったく異なる分野の業務に対応できる柔軟性、多様なバックグランドを持つ部下を管理するマネジメント能力、会社組織のなかで上手く立ち回れるコミュニケーション能力が求められるでしょう。
また、ゼネラリストになるキャリアプランでは転職を前提としません。そのため、自身の持つスキルを証明する必要性が薄いことから、「スキルの証明」という観点で資格を取得する必要はないでしょう。一方、汎用的なスキルを身に付けたり、自己研鑽に励むという点からは簿記2級を取得したり、TOEICで高得点を獲得したりすることが有効です。
スペシャリストになるキャリアプラン
スペシャリストを目指すなら、経理業務(会計業務、税務業務)や財務業務に関する高度な専門性や、転職先の会社で即戦力になることができるための適応力が求められます。スペシャリストというと、専門性にのみフォーカスされがちでしょう。しかし、何度かの転職を経てステップアップするうえでは、転職先の新しい環境に早く慣れ、入社後すぐに自分の価値を発揮することも専門性と同じくらい重要です。
また、このキャリアプランでは、転職活動で自身が持つスキルを客観的に証明する必要があります。そのため、簿記2級以上を取得したり、会計士や税理士などの専門資格をチャレンジしたりするのもおすすめです。
独立開業するキャリアプラン
独立開業というキャリアプランの場合、当然ながら会計士であれば監査業務、税理士であれば税務業務に関する高度な専門性が求められます。このほか、事務所の所長として重要な判断を下す決断力、顧客や従業員と円滑な関係を気付くためのコミュニケーション能力、顧客を獲得するための営業スキルも必要です。
監査法人や税理士法人での勤務時には、大半の業務時間を専門的業務に費やせていた人もいるでしょう。しかし、独立すれば営業活動や雑務、あるいは税理士会等の所属する士業の会務といった活動に時間を割かざるを得なくなります。こうした専門的な業務以外を効率的にこなすためには、瞬時の決断力、高いコミュニケーション能力、そして営業スキルなどが欠かせません。
なお、会計士や税理士はそれぞれ独占業務があるため、独立する場合には、いずれかの資格を取得した後の開業をおすすめします。
各キャリアプランのメリットとデメリット
このセクションでは、それぞれのキャリアプランを進むことのメリットとデメリットをご紹介します。**
ゼネラリストになるキャリアプラン
ゼネラリストになるキャリアプランのメリットでは、一つの企業に定年まで勤務することを前提とするため将来設計が安定し、転職による人間関係の再構築を行う必要がありません。昨今は転職が一般化しつつありますが、転職を決断する前に、新卒入社した会社に定年まで勤めることで得られるメリットも考えるとよいでしょう。
一方、ゼネラリストだからこそ個別業務に関する専門性が身に付きづらく、例えば何かの事情で転職せざるを得なくなった場合、満足のいく転職先を見つけにくくなるデメリットがあります。ゼネラリストとはいえ、何か一つでも自分の強みとなる分野を見つけておくことで、万一の事態に備えることができるでしょう。
スペシャリストになるキャリアプラン
スペシャリストになるキャリアプランでは専門性が身に付きやすいため、転職先を比較的容易に見つけやすく、畑違いの業務への異動を回避できます。もし、畑違いの業務へ異動を命じされたり上司とそりが合わなかったりした際には、転職という選択を現実的に検討することが可能です。これは、ゼネラリストとの大きな違いと言えるでしょう。
一方、転職を繰り返すことによる市場評価の低下や、将来設計が不安定になる点はデメリットとなります。現代社会においても、あまりに転職回数が多かったり短期離職が続いたりすれば、次の転職先を見つけづらくなるでしょう。「どうせ次も転職先が見つかるから」と気軽に転職を繰り返せば、どこかで急に転職先が見つからなくなり、八方塞がりとなるリスクがある点には注意してください。
独立開業するキャリアプラン
独立開業するキャリアプランのメリットは、専門家として自分の裁量で仕事をできること、会社員よりも高い年収を目指せる可能性があることが挙げられます。
一方、顧客が獲得できないと生活が成り立たなくなる点はデメリットとなるでしょう。独立開業とは、経営者になることを意味します。そのため、黙っていても給料が振り込まれていた会社員時代とは異なり、仕事は自ら獲得しなくてはいけません。専門的な業務だけに携わりたいという方は、独立開業に向いていないでしょう。
まとめ
経理の代表的なキャリアプランとして、ゼネラリスト、スペシャリスト、独立開業の3つをご紹介しました。いずれのキャリアプランもメリットとデメリットがあり、どのキャリアを進むとよいかは個々人によって異なります。どのような働き方を望むのか、キャリアに求めるものを整理して十分に検討しましょう。キャリアプランにお悩みの方は、ぜひ以下のキャリア診断を受けてみてください。
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進路について適切なアドバイスをしてもらえました!自分の進路について明確な答えが出せていなかったものの、どの業種に進んだら良いかなど適切にアドバイスをしてもらえました。どういったキャリアを積んでいけばより市場価値を高められるのか、候補の会社がどう違うのかを具体的に説明していただけました。(30代/税理士)
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求人の提案力と面接のフィードバックが良かった!タイムリーな求人の紹介とフィードバックの提供が良かったです。面接前の情報提供では、自分のアピールしたい強みが、面接先企業のどこに符号しており、今後の展開をどう捉えているかの思考の整理をする際に役立ち、安心して面接を迎えることが出来ました。(30代/税理士)
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