答えが分かっただけでは合格できない?税理士試験で持ち込める文房具と文房具の重要性
試験に向け毎日必死に勉強し、ついに迎えた試験当日。出された問題の解き方や回答が分かっても、それだけでは合格できません。合格するには、当然ながら頭の中にある回答を用紙へ書くことが必要です。ここでは、そのための相棒となる文房具についてご紹介します。
文房具は試験本番で使える唯一のアイテム
資格受験において、試験勉強と同じくらい大切なものが文房具です。なぜなら、文房具は試験本番で自分の実力を表現するために使える唯一のアイテムだから。税理士試験に合格するには、答えが分かることだけでは不十分です。その頭の中にある答えを、適切に用紙へ書くことが求められます。答えを導き出すには、日々の勉強が大切。そして適切な回答をするには、文房具の準備が重要なのです。
試験というと知識を頭に入れることばかり意識しがちで、最後の「解答用紙に書く」ことは意外と意識されないもの。しかし、ここで少しだけ想像してみてください。もし試験当日にペンケースを忘れてしまったり、解答を書こうとしたのにペンのインクが切れていたり。あるいは使うつもりだった文房具が、実は使用できないもので回答ができなかったら。何か月、何年も頑張って勉強してきたのに、悔やんでも悔やみきれないでしょう。ですから回答を導き出すために日々勉強することはもちろん、その回答を用紙に記載するために使う文房具も大切になります。
受験年度によって持ち込みの不可が変わるので注意
持ち込める文房具を確認
試験当日に使う文房具の準備、確認は合格に向けて大切な準備のひとつです。そこでまず、税理士試験で持ち込める文房具を確認しましょう。なお、ここでは電卓について省略しています。
執筆時点で直近に行われた令和3年度(第71回)の税理士試験において、使用可能・持ち込み可能だった文房具は次の通りでした。
・答案の作成は黒又は青インキの筆記具のみ可能。
・黒又は青インキの筆記具以外のもので記入した答案は採点されません。
・鉛筆、消せるボールペン等の修正可能な筆記具の使用できない。
・修正液又は修正テープの使用は認められる。
・問題用紙及び計算用紙に限り、鉛筆、色付ペン及びプラスチック製消しゴムの使用を認めます。
・ホチキスの持込みは認められません。(令和3年度(第71回)の試験から)
試験本番で使える文房具なのかを確認
前述の通り税理士試験では、回答に使えるペンや持ち込んで使用可能な文房具が限定されています。当然、認められない文房具は使用や持ち込みができませんので、受験前に一通り確認したほうが良いでしょう。
もしかしたら、「使用可能な筆記具や道具なんて間違えないだろう」と思う方がいるかもしれません。もちろん確認しなくても、結果的に合否に影響はないでしょう。しかし、税理士試験では年度によって、使用可能・持ち込み可能な筆記用具が変わっています。十分に注意しないと、思わぬ結果を招きかねません。
年度によって使える文房具が変わる
税理士試験で使用可能・持ち込み可能な文房具は、年によって変わることがあります。例として、私が最後に受験した平成24年度(第62回)と令和3年度の試験では、次の点が変わっていました。
◎修正液や修正テープの使用
・平成24年度:認められていない
・令和3年度:使用可能
◎ホチキスの持ち込み・使用
・平成24年度:持ち込み・使用可能
・令和3年度:持ち込み不可
平成24年度の試験では、書き間違えると二重線で消して空いたスペースに書くしかありませんでした。二度三度と書き直すと読みづらく見た目も良くないので、なるべく書きなおさないようにと気を使ったものです。また、問題用紙が十何枚になることもあり、何度もめくり返すうちにバラバラになって気が散ります。そのため、開始と同時に問題用紙の端をホチキスでとめて、バラバラにならないようにしていました。しかし上記2点は、それぞれ直近の試験では事情が違います。
このように使える文房具に変更があれば、それによって回答の仕方や回答テクニックが大きく変わることも考えられるでしょう。もし変更があっても、資格受験の専門学校で講義を受けている方であれば、学校や講師からアナウンスがあるので心配ないかもしれません。しかし、独学や数年前の受験以来で久しぶりに受験する場合は、念のため確認されたほうが良いでしょう。
勉強の質を向上させるために文房具を考える
ペンは腱よりも強し?
ここまで、使用可能・持ち込み可能な文房具について、注意点を含めてまとめてきました。続いて、実際に何を使うべきかについて解説します。
「ペンは剣よりも強し」という言葉があります。この言葉にかけて、私が税理士試験を受けていた頃に資格の専門学校で聞いたのは、「ペンは腱よりも強し」という言葉でした。もしかしたら、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。その意味は、「ペンで文字を書きすぎて腱鞘炎になってしまった」ということです。
税理士試験の回答は記述式ですので、常に数字や文字を書くことを要求されます。書くのは、試験本番や模試のときだけではないでしょう。普段勉強しているときでも、常にペンを持って書いているはずです。
特に理論問題に関しては、試験においてある程度の分量や文字数が求められます。また、試験時間内に必要な記述をしないといけないため、分量を書くには文字を書くスピードも必要です。そのため、本番を見据えて分量とスピードを意識して書く練習が多くなるので、その分だけペンをもって書くことが増えます。人によっては、一日に数千文字書くこともあるかもしれません。これを毎日続けていると手の腱に負担がかかり、腱鞘炎になる受験生が少なくないのです。
私は幸い、腱鞘炎にはなりませんでした。しかし、ずっと文字を書いていると手に負担がかかり、非常に疲れたのを覚えています。
手が疲れない工夫も大切
勉強を頑張った結果、腱鞘炎になって文字が書けないため、勉強ができなくなってしまっては本末転倒です。そこで税理士試験合格のため、手の負担を少なくする工夫も有効でしょう。そのひとつが、書いていても疲れにくい、書きやすい自分に合った書きやすいペンを使うことです。これについては、次項で詳しくお伝えします。
自分に合う文房具を見つけよう
日々の勉強で疲れにくい自分に合ったペンを使った方が良いことは、これまでの内容でご理解いただけたのではないでしょうか。また、試験本番では、誰しも非常に緊張するものです。緊張から普段よりも書くスピードが遅くなったり、手の疲れや書きづらさを感じたりするかもしれません。そのため、普段の勉強の質を向上させる、あるいは試験本番で実力を発揮するためにも、使用する文房具が特に大切。その中でも、使用頻度が圧倒的に高いペン選びは重要です。
人によって合うペンは違います。普段から問題集や模試を解くとき、色々なペンを試してみるのが良いでしょう。ペンの種類は多様であり、例えば次のような違いがあります。
・グリップの太さ
・グリップの柔らかさ
・インクのなめらかさ
・ペン先の太さ
この中で、自分に合うペンは人によって千差万別です。高いペンが必ずしもいいとは限りません。どこにでもある、コンビニで売っている一番安いペンが合うという人もいます。
ちなみに私は、理論問題用のペン、計算問題用のペンと問題によってペンを変えていました。理論問題はペン先が太くて、かつ滑りが良いペン。計算問題ではペン先が細いものを使うという具合です。これは色々と試す中で、私なりに見つけた最適解でした。試験まで時間があるうちに色々なペンを試し、自分に合ったペンを探してみることをおすすめします。
まとめ
税理士試験において、文房具は合格のために大切な道具です。一年間ずっと頑張ってきた勉強の成果が、文房具ひとつで台無しになるのは悔やんでも悔やみきれません。たかが文房具と侮らず、日々勉強するときから確認や準備を行い、万全の状態で試験に臨みましょう。
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