SPCは会計だけでなく税務も必要。SPCの仕事ができる転職
税理士さんなら、特別目的会社を意味するSPCという言葉はご存じでしょう。しかし、実際にSPCを手掛けた経験がある方はあまり多くないと思います。SPCは、M&Aや資金調達などのビジネススキームで活用され、一般の会計事務所では扱う機会が少ないのです。一方、M&Aや投資の分野で働く場合にはSPC関連のスキルが強みとなります。
一般の会計事務所ではあまり扱われないSPCに関する経験を活用して、新たなキャリア形成を検討する際は、是非一度マイナビ税理士のキャリアアドバイザーへご相談ください。新しいキャリアを切り拓くためにキャリアアドバイザーがサポートいたします。
監修
マイナビ税理士編集部
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SPC(特別目的会社、特定目的会社)に関わる仕事
SPCの概要
SPCは、1998年(平成10年)に制定された資産流動化法(SPC法)により、法制化されました。
資産や債券を移行して保管するための会社で、事業の実態を持たず、ペーパーカンパニーに近い形態です。SPCの目的は、リスクを資産の範囲に限定すること(倒産隔離機能)や、生じる利益に対する二重課税を回避することです。
SPCを手がける会計事務所や法人としては、青山綜合会計事務所、税理士法人令和会計社、東京共同会計事務所などが知られています。
SPCの業務内容(会計業務、税務業務)
SPCは、譲渡された資産や債券をもとに資産担保証券やコマーシャルペーパーの発行や不動産所有など、資金の流動化を行うことができます。M&Aや資金調達、債券の発行、投資家への利益配分などに利用され、それらに関わる会計処理や税務が主な業務となります。
SPC設立の登記に始まり、各種支払い手続き、記帳代行、税務申告、監査対応、書類の保管など、SPCに関わる業務全般が対象です。実際に会計事務所を本店所在地として、登記されているSPCも珍しくありません。
たとえば、資金調達を目的としたSPCでは以下のような業務が想定できます。
・SPCの事業体(ビークル)の選択と設立
・資産流動化計画(資金調達計画)の策定
・債券の発行
・投資家向けのレポート作成
・記帳代行
・税務申告
・目的を終えたSPCの清算・解散手続き など
SPC業務のクライアントとなる会社
SPC業務のクライアントに業種などの制限はありませんが、基本的には資本力がある大手企業や団体が中心になります。不動産開発や太陽光発電などのプロジェクトで、SPC活用が進んでいるため、ディベロッパーやエネルギー関連のクライアントは多いようです。
一方、特別目的会社がマネーロンダリングや脱税などに悪用される実例もあります。不明瞭な関係先をもつクライアントには注意が必要です。
<ココまでのまとめ>
・SPCの目的は、リスクヘッジと、利益に対する二重課税の回避
・税理士の仕事はSPCの設立目的に関わる会計、税務業務から解散手続きまで
・クライアントは資本力がある大手企業や団体が中心
増加が予想されるSPCの市場動向と求められるスキル
SPCの市場動向
近年、都市開発プロジェクトやエネルギー関連の事業では、SPCによる証券化、資金調達が定着し、大規模な投資案件ではSPCは常識となっています。さらに、増加が見込まれている中小企業の事業承継でもSPCが利用されるようになると、SPCの市場はさらに拡大するでしょう。それに伴い、SPCの経験や知識をもつ人材へのニーズは高まっていくと考えられます。
SPC関連業務で求められるスキル
SPCは税制や会計が複雑です。一般的な会社設立や会計、税務の知識のほかに、高い専門知識も求められます。
・租税特別措置法(支払配当の損金算入制度)
・所得税の要件(ペイスルー、パススルー)
・証券化のスキームと関連税法
・資産流動化法(SPC法)
・SPC運営に関する規制(金融商品取引法) など
また、海外の金融機関、ファンドなどとの折衝も多いため、専門知識に加えて、語学力を求められる場合があります。クライアントのニーズをふまえて、最適なSPCの事業体や体制を立案する企画力や、多くの人と連携するコミュニケーション力も必要です。
SPC関連業務の魅力とやりがい
SPC業務を通して、ランドマークとなるような不動産開発や日本経済を代表するビッグプロジェクトにも関わることができます。多くの会社や人が関わるプロジェクトに参画できるのも魅力のひとつです。また、事業としての収益性が高く、クライアントに資本力があるため、一般の税理士業と比較すると高待遇であるといわれています。
<ココまでのまとめ>
・SPC市場は発展途上。SPCの知識や経験をもつ人材へのニーズも高まる
・資産流動化法(SPC法)などのSPC関連の法体系のほか、語学力を求められる場合も
・SPCのやりがいと魅力はビッグプロジェクトと高待遇
SPCを扱う会計事務所に転職する方法
転職に必要なスキル、経験
SPC未経験の方でも採用される可能性はありますが、金融商品取引法や資産流動化法、租税特別措置法などのSPCに関連する法令への理解は必須です。選考でSPCに関する理解度を確認するために、ペーパーテストが行われることもあるようです。
加えて、SPCを構造的に理解できているとよいでしょう。そのためには、SPCの事例やノウハウをケーススタディとして勉強しておく必要があります。
不動産投資のSPCを専門にしている転職先では、不動産に関する知識や業界知識があると有利になる場合もあります。
SPC関連業務の適性
法令に従って進めることが主体の一般の税務と異なり、SPCでは関連法令や規制の範囲内で、税理士にも収益を最大化するためのアクションが求められます。
プロジェクトの目的やニーズに応じて、弁護士や公認会計士、行政書士などほかの分野の専門職と連携して、SPCの立ち上げ、運営に取り組まなければなりません。ビジネスの企画やプロジェクトで働くことに興味がある方に向いています。
キャリアプラン
SPCは税務や会計が特殊で複雑ではありますが、事業の実態がないため、仕訳は単純であることが多いです。一般の事業会社の会計業務とはギャップが大きいので、SPC業務からのキャリアプランとしては、M&Aや事業承継などSPCを活かせる分野のスペシャリストが順当です。転職先には、M&Aや事業承継を専門とする会計事務所や投資会社、コンサルタントとしての独立起業などが考えられます。
<ココまでのまとめ>
・SPCに関連する法令への理解は必須。選考でペーパーテストを行う会社もある。
・SPCの企画やプロジェクトでの仕事が好きな人が向いている
・SPCの経験を活かせるのはM&Aや事業承継など
まとめ
SPCは、巨額の資金が動く事業や企業買収のリスクヘッジなどを目的として考案されたしくみです。SPCを専門とすることで、日本経済に影響力をもつような事業やグローバル展開のビッグプロジェクトなどに関わる機会があります。
弁護士やコンサルタント、経営層などの優秀な人材と一緒に働けることも魅力のひとつです。税務にとどまらず、幅広い経験を積みたい方はやりがいを感じられるでしょう。
SPCの実務経験を持つ人材は少ないので、未経験からでもチャンスはあります。興味がある方はSPC業務に携われる転職を考えてみるのもよいと思います。
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