「経理は年収が低い」は本当か?経理職の年収データと市場価値を高めて年収アップを実現するためのポイント

「経理は年収が低い」は本当か?経理職の年収データと市場価値を高めて年収アップを実現するためのポイント

「経理の仕事は専門的なのに、なぜ他の職種と比べて年収が低いの?」という疑問を抱いたことはありませんか?実際に厚生労働省の統計データを見ても、経理職の平均年収は営業職や企画職を下回る傾向にあります。

経理職の年収が伸び悩む背景には、バックオフィス特有の評価の難しさなど、構造的な理由が存在します。しかし、自らの市場価値を高めることで、大幅な給与アップを勝ち取っている経理経験者も少なくありません。

本記事では経理の給与に関する統計データを紹介した上で、年収アップを実現するための具体的なアプローチや、転職活動を成功に導くポイントを分かりやすく解説します。

内山 智絵

内山 智絵

公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナー

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所で上場企業の法定監査などに10年ほど従事した後、出産・育児をきっかけに退職。2021年春に個人で会計事務所を開業し、中小監査法人での監査業務を継続しつつ、起業女性の会計・税務サポートなどを中心に行っている。

目次

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経理の年収は他職種と比べて低い?給与が決まる構造的な理由と現状

経理職の年収に関する公的な統計として、厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」があります。令和7年賃金構造基本統計調査の結果によると、経理職(経理事務員)である「会計事務従事者」の平均年収は約512万円でした。営業職(その他の営業職業従事者:約660万円)、法務職・広報職(その他の一般事務従事者:約528万円)、企画職(企画事務員:約738万円)、あるいは総務職・人事職(庶務・人事事務員:約525万円)と比べると、経理職の年収はこれらよりも低いという結果が出ています(年収額は、企業規模計(10人以上)、男女計、「きまって支給する現金給与額」を12倍したものに「年間賞与その他特別給与額」を足して、百万円未満切り捨てで計算しています)。

参照:令和7年賃金構造基本統計調査|厚生労働省ホームページ

参照:令和7年賃金構造基本統計調査 業種別主な職種早見表|厚生労働省ホームページ

経理の年収が他職種と比べて低めになりやすい背景には、職種特有の「評価の難しさ」と「業務の性質」に起因する構造的な理由がいくつかあります。

まず、経理は売上を直接生み出す部署ではないため会社への貢献度が見えにくく、成果評価が給与に直結しにくい側面があります。業務自体も「ミスなくこなせて当たり前」という減点方式で評価されがちなため、加点による昇給が狙いにくいのが現状です。

さらに、税金計算や決算などの専門業務を税理士へ外注している企業では、社内経理の仕事がルーティンワーク中心となり市場価値が上がりにくくなります。そもそも利益を創出する部門ではないことから、会社全体として人件費の割り当てが少なく抑えられがちな点も、年収が伸び悩む大きな要因といえます。

年収アップを実現する経理経験者の特徴とは?

経理職はルーティンワークの比率が高い仕事です。ただ目の前の業務を現状維持のままこなし、自己研鑽もせずにいるだけでは、大幅な年収アップを勝ち取ることは難しいでしょう。自身の市場価値を上げて年収アップを実現している経理経験者には、次のような特徴があります。

  • 税理士や公認会計士などの難関資格の取得に挑戦し、これらの資格を取得することで会計・税務の高度な専門性を客観的に証明できた人
  • 連結決算や税務申告といった難易度の高い実務において主担当を担い、監査法人や社内関係者とのシビアな折衝を経験してきた人
  • 日頃の実績が認められて管理職へと昇進し、マネジメントの経験とスキルを身に付けた人

実際、令和7年賃金構造基本統計調査の結果によると、課長以上の管理職である「管理的職業従事者」の年収は約966万円、公認会計士・税理士の年収は約810万円と、いずれも「会計事務従事者」の年収である約512万円を大きく上回っています。このことから、管理職や専門家になることによって大きな年収アップが期待できます(統計データの出典は上記と同じです)。

このように「専門性」「高度な実務経験」「マネジメント経験」のいずれか、あるいは複数を強みとして磨き上げることが、市場から高く評価され年収アップを実現するための方法です

年収アップのための3つの方法とメリットデメリット

経理職が年収アップを実現するための方法としては、主に3つの方法が挙げられます。

1つ目は、現職で成果を上げて管理職へ昇進する、あるいは昇給が期待できる部署へ異動する方法です。慣れ親しんだ環境で、人間関係を維持したままキャリアを築ける安定感があります。ただし、一方で企業の給与規定や評価制度の上限に縛られることや、能力があっても組織構成の都合で昇進や異動を実現するために数年待つケースもあることなど、大幅な年収アップにはどうしても時間がかかるというデメリットがあります。

2つ目は、より給与水準の高い会社へ転職する方法です。基本給の高い業界や大手企業、外資系などを狙うことで、短期間で大幅な年収アップを勝ち取れる点が最大のメリットです。ただし、新しい職場環境や独自の業務フローに適応するために、労力やリスクを伴います。

3つ目は、税理士や簿記などの資格を取得して市場価値を高める方法です。資格手当や専門性の高さによって長期的な高年収につながるメリットがある反面、膨大な勉強時間を確保しなければならない点がネックとなります。もし現在の職場で仕事と勉強の両立が難しい場合は、試験休暇や受験予備校の学費補助といった資格取得支援制度が充実している企業へあらかじめ転職し、万全な受験環境を整えた上で合格を目指すのも有力な選択肢です

転職で年収アップをするためのポイント

転職活動を通じて年収アップを実現したり、資格取得支援が充実している企業への転職を成功させたりするためには、応募先企業との条件交渉が欠かせません。しかし、交渉を有利に進める上で重要となる自身の客観的な市場価値や他者と差別化できる強みを、自分一人で正確に把握することは非常に困難です。日々の実務に追われていると、自らのスキルを過小評価してしまったり、アピールポイントを見誤ってしまったりすることも少なくありません。

そこでおすすめなのが、転職エージェントのサポートを活用することです。「マイナビ転職 税理士」にご登録いただければ、業界の動向や経理・税務職の採用トレンドに精通したプロのキャリアアドバイザーが、あなたのこれまでのキャリアを客観的に棚卸しいたします。自分では気づけなかった強みや市場価値を明確にした上で、言い出しにくい給与交渉や面接日程の調整までトータルでバックアップいたしますので、働きながらでも安心して転職活動することが可能です。

まとめ

経理職の年収水準の現状、給与が上がりにくい構造的な背景、そして現状を打破して年収アップを実現するための具体的な方法について解説しました。経理職として年収アップを実現するためには、「現職での昇進・異動」「より好条件の企業への転職」「難関資格の取得」という3つの選択肢があります。いずれの方法を選ぶにしても、まずは自身の市場価値や強みを客観的に把握し、戦略的にキャリアを築いていくことが重要です。

しかし、日々の業務に追われる中で、自分ひとりでスキルの棚卸しや条件交渉を行うのは容易ではありません。「現在の年収に不満がある」「資格取得の支援が手厚い環境でキャリアアップしたい」とお悩みの方は、ぜひ「マイナビ転職 税理士」にご相談ください。業界の採用トレンドを熟知したプロのキャリアアドバイザーが、あなたの強みを最大限に活かせる求人のご提案から条件交渉まで、理想のキャリア構築に向けてじっくり伴走いたします。

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