会計事務所の離職率は高い?統計データと働きやすい事務所に転職するポイント

会計事務所の離職率は高い?統計データと働きやすい事務所に転職するポイント

会計業界への転職を検討する際、「会計事務所は離職率が高い」という噂を耳にし、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。試験勉強との両立や繁忙期のハードワークなど、厳しさが語られがちな業界ですが、実際の統計データはどうなっているのでしょうか。

本記事では厚生労働省の公的統計に基づき、会計事務所が含まれる産業区分の離職率・入職率を詳しく分析します。全産業平均との比較や地域ごとの傾向を明らかにするとともに、現場の実感として離職率が高いと言われる背景や、長く安定して働ける優良事務所の見極め方を解説します。納得感のあるキャリアを築くための判断材料として、ぜひお役立てください。

内山 智絵

内山 智絵

公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナー

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所で上場企業の法定監査などに10年ほど従事した後、出産・育児をきっかけに退職。2021年春に個人で会計事務所を開業し、中小監査法人での監査業務を継続しつつ、起業女性の会計・税務サポートなどを中心に行っている。

目次

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会計事務所の離職率はどれくらい?

まずは厚生労働省が行っている調査の統計データから、会計事務所を含む区分の離職率と入職率をご紹介します。

会計事務所の離職率に関する統計

労働者の離職率や入職率に関する公的な統計としては、厚生労働省が毎年実施している「雇用動向調査」があります。雇用動向調査は、「主要産業における入職・離職及び未充足求人の状況並びに入職者・離職者に係る個人別の属性及び入職・離職に関する事情を調査し、雇用労働力の産業、規模、職業及び地域間の移動の実態を明らかにすることを目的」とした調査です。全国の5人以上の常用労働者を雇用する事業所から、無作為に選んだ約15,000事業所を調査対象としています。

雇用動向調査は日本標準産業分類の16大産業を調査対象としており、このうち会計事務所(公認会計士事務所、税理士事務所)は「学術研究、専門・技術サービス業」という区分(大分類L)に該当します。なお、この大分類Lには会計事務所が含まれる「専門サービス業(他に分類されないもの)」という中分類の他に、法律事務所、デザイン業、広告業なども含まれます。

※会計事務所単体の離職率を示す公的統計は存在しないため、本記事では「会計事務所が含まれる学術研究、専門・技術サービス業」のデータをもとに傾向を読み取っています。

参照:雇用動向調査:調査の概要|厚生労働省ホームページ

参照:日本標準産業分類(令和5年7月告示)|総務省ホームページ

会計事務所が含まれる大分類の離職率

雇用動向調査における「離職率」とは、常用労働者数(期間を定めずに雇われている者と1か月以上の期間を定めて雇われている者の合計数)のうちに離職者が占める割合をいいます。具体的な計算式は、次のとおりです。

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参照:雇用動向調査:調査の結果|厚生労働省ホームページ

2025年8月に公開された2024年雇用動向調査において、「学術研究、専門・技術サービス業」及び全産業の離職率の数字は次のとおりです。

学術研究、専門・技術サービス業 全産業
性別 離職率 性別 離職率
男女計 11.1% 男女計 14.2%
10.5% 12.6%
12.7% 16.0%

この結果から、会計事務所が含まれる「学術研究、専門・技術サービス業」の離職率(11.1%)は全産業平均(14.2%)よりも3.1ポイント低いことが分かります。

また、地域別に見る「学術研究、専門・技術サービス業」及び全産業の離職率の数字は次のとおりです(男女計)。

学術研究、専門・技術サービス業 全産業
地域 離職率 地域 離職率
北海道 26.7% 北海道 19.7%
東北 19.2% 東北 14.2%
北関東 12.6% 北関東 14.5%
南関東 10.4% 南関東 13.5%
北陸 8.4% 北陸 12.5%
東海 9.7% 東海 13.2%
近畿 10.0% 近畿 14.7%
京阪神 11.6% 京阪神 15.1%
山陰 4.4% 山陰 15.6%
山陽 3.3% 山陽 13.3%
四国 7.8% 四国 16.6%
北九州 9.3% 北九州 15.7%
南九州 10.5% 南九州 13.2%

専門・技術サービス業の離職率を地域別で見ると、北海道や東北では全産業平均を上回っています。しかし、その他の多くの地域では全産業平均を下回っており、比較的定着率が高い傾向にあるといえるでしょう。

また、同時期の入職率と離職率の比較は次のとおりです。

学術研究、専門・技術サービス業 全産業
性別 入職率 離職率 性別 入職率 離職率
男女計 12.5% 11.1% 男女計 14.8% 14.2%
10.4% 10.5% 12.9% 12.6%
17.3% 12.7% 16.8% 16.0%

全体的に入職率の方が離職率よりも高い傾向にありますが、学術研究、専門・技術サービス業においては男女差が顕著に表れていることがわかります。

参照:雇用動向調査|政府統計ホームページ

ここまでの結果を、次のとおりまとめました。

  • 会計事務所が含まれる「学術研究、専門・技術サービス業」の離職率は全産業平均よりも低い
  • 全産業平均との差異には地域差が見られる
  • 「学術研究、専門・技術サービス業」の入職率は離職率よりも高いが、性別によって顕著な違いがある

会計事務所の離職率が高いと言われている理由

会計事務所が含まれる「学術研究、専門・技術サービス業」の離職率は全産業平均を下回っていることから、統計上は定着率の良い業界に見えるかもしれません。しかし、現場の実感として「離職率が高い」と語られる背景には、会計業界特有の事情がいくつか存在します。

最大の要因の一つとして挙げられるのが、業務の繁閑差による繁忙期のハードワークです。12月の年末調整から3月の確定申告、そして5月の法人決算期にかけては業務量が極端に増加し、長時間労働が常態化しやすくなります。この時期の負荷が心身の負担となり、離職を検討する契機となるケースが少なくありません。

また、税理士試験合格を目指す受験生にとって、勉強時間の確保は死活問題です。試験に専念するため、あるいはより柔軟な働き方ができる事務所へ移るために、退職を選択する方も多くいます。

さらに、会計事務所の多くは数名から十数名規模の小規模組織であることも、離職率が高いという感覚に影響しています。狭いコミュニティだからこそ所長や同僚との相性問題が働きやすさに直結しやすく、一度人間関係が崩れると修復が困難になり、環境を変えるために離職せざるを得ないという側面もあります。

離職率が低い会計事務所の傾向

離職率が低く安定して働ける会計事務所には、共通するいくつかの特徴があります。業界特有の制度として注目すべきなのは、試験休暇の有無と実際の取得実績です。職員のキャリア形成を重んじる事務所では、試験直前の休暇や定時退社を組織として支援する体制が整っており、税理士試験受験生への理解が深い傾向にあります
また、求人サイトなどで過去の採用頻度を確認することも重要です。増員以外の理由で常に募集が出ている場合は、慢性的な離職が発生している可能性があるため注意してください。

待遇面では、近隣の相場や自身のスキルに見合った適切な給与額が提示されているかに加え、ITツールの導入状況も大きな指標となります。クラウド会計ソフトやチャットツール、ペーパーレス化を積極的に進めている事務所は、業務効率化によって無駄な残業を削減し、柔軟な働き方を実現しようとする姿勢がうかがえるでしょう。
インフラ整備への投資は、特に繁忙期の労働負荷軽減に直結します。こうした指標を総合的に判断することで、ミスマッチのない職場選びが可能になります。

ホワイトな会計事務所の見分け方は、下記の別記事で詳しく解説しています。合わせて、こちらも参考にご覧ください。

働きやすい会計事務所に転職するポイント

長く腰を据えて働ける職場を見つけるためには、求人票に記載された条件面だけでなく、一般には公開されていない実態を把握することが極めて重要です。例えば、実際の月平均残業時間や繁忙期の退社時間、職場のリアルな雰囲気、そして組織の鍵を握る所長の人柄などは、表面的な情報だけでは見えてきません。また、過去にその事務所に在籍していた方の退職理由を知ることは、入社後のミスマッチを防ぐ上で重要な情報となります。

しかし、こうしたデリケートな非公開情報を個人で収集するには限界があります。そこで有効なのが、業界に特化した転職エージェントの活用です。マイナビ転職 税理士では、各会計事務所との深いネットワークを通じて、通常表に出ないリアルな情報を蓄積しています。求職者様のご希望やキャリアプランを伺った上で、こうした非公開情報も踏まえた本当に働きやすい会計事務所を厳選して推薦することが可能です。一人ひとりに最適な職場環境をご提案し、納得感のある転職活動を全面的にサポートいたします。

まとめ

会計事務所の離職率に関する実態と、働きやすい職場選びのポイントについて解説しました。統計によれば、会計事務所が含まれる「学術研究、専門・技術サービス業」の離職率は11.1%となっており、全産業平均の14.2%を下回る水準です。数字の上では定着率の良い業界といえますが、実際には繁忙期の長時間労働や試験勉強との両立の難しさ、小規模組織特有の人間関係といった特有の事情から、数字よりも離職率が高いイメージが定着しています。

長く腰を据えて働ける優良な会計事務所を見つけるためには、試験休暇の取得実績やITツールの導入状況など、職員のキャリア支援や業務効率化に積極的な事務所を見極めることが重要です。「今の事務所は残業が多すぎて勉強ができない」「風通しの良い環境で長く働きたい」とお悩みの方は、ぜひ一度マイナビ転職 税理士にご相談ください。

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