転職を成功させる!税理士の履歴書の書き方
履歴書は職務経歴書とともに、転職の第一関門となる書類選考で、採用担当者が判断材料とする重要な書類です。履歴書は職務経歴書とは異なって決まった書式があり、記入する内容もある程度決まっているため、書きやすいと思われがちですが、押さえておくべきポイントがあります。
そして、決められた項目の中で他の応募者との差別化を図り、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる履歴書を作るためには、どのようなことを注意すればいいのでしょうか。
ここでは、税理士の転職を成功に導く履歴書の書き方について紹介します。
監修
マイナビ税理士編集部
マイナビ税理士は、税理士・税理士科目合格者の方の転職サポートを行なう転職エージェント。業界専門のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランをご提案いたします。Webサイト・SNSでは、税理士・税理士科目合格者の転職に役立つ記情報を発信しています。
税理士の履歴書はどう見られるのか?
履歴書は、あなたが税理士としてだけではなく、学歴や職歴などを含めてどのような人生を歩んできたのかを表す書類です。
数多くの履歴書に目を通している採用担当者は、その履歴書の書き方からあなたの性格をくみ取ります。読みやすく簡潔にまとめられた履歴書なら、相手に対する心配りがあり、仕事も効率良く進めることができる人物だという印象を持ちます。
反対に、誤字や脱字が多かったり、丁寧に書かれておらず読みづらかったりする履歴書では、仕事を任せても粗雑に扱う人間ではないかという印象を与えてしまいます。履歴書は、あなたの人柄を表す書類として見られるのです。
税理士の履歴書を書く際の基本ルール
履歴書には決まった書式があり、記入する際に守るべき基本的なルールがいくつか存在します。
まず書式としては、市販の履歴書用紙にあるようにB5(B4二つ折)もしくはA4(A3二つ折)の用紙1枚にまとめるのが基本です。特に「手書きで」という指定がない限り、WordやExcelで作成した履歴書で構いません。フォントのサイズは10ポイント以上に設定します。
もちろん、誤字・脱字はNGです。手書きの場合は、黒の水性ペンかインクの“消せない”ボールペンで記入しますが、間違えた場合、修正液などは使用せず、もう一度新しい用紙に書き直す必要があります。
履歴書で一番求められるのは、見やすく読みやすい、書かれている内容が短時間で理解できる書き方です。転職への熱意を伝えたいあまり、自己PR欄などにびっしりと書き込んでしまいがちですが、職務経歴書との使い分けを意識して、履歴書では必要最低限の内容を簡潔にまとめることを心掛けましょう。適度に余白を持たせると、読みやすい履歴書に仕上がります。
税理士の履歴書に書く項目は?
次に、履歴書の項目別に、書き方のポイントを解説します。おもな項目は、作成日、氏名・連絡先、学歴・職歴、免許・資格、本人希望記入欄などになります。
(1)作成日
作成日は、履歴書を作成した日付です。WordやExcelなどでデジタルファイルとして作成した場合は、古い日付のままになってしまうことがありますが、応募提出日に修正更新するよう、提出前に必ずチェックしてください。
また、西暦と和暦のどちらを使うかというルールはなく、学歴・職歴の欄などとともに、どちらかに統一します。ただし、外資系企業などでは和暦は使われていないことや、和暦は元号の変わり目などで誤記が生じがちなので、西暦を使用するのがおすすめです。
(2)氏名・連絡先
氏名は、姓と名のあいだに1文字分スペースをとって空けるようにします。また、注意したいのが漢字での表記で、本来苗字が旧漢字で、普段は利便性から常用漢字を使っていても、履歴書では戸籍上の表記に準拠してください。
連絡先は、最近は家に固定電話がない場合も増えているため、連絡先として携帯電話の番号を書くだけでも問題ありません。メールアドレスに関しては、携帯電話のメールアドレスはPCからのメールをはじいてしまう場合があるため、PC用のメールアドレスを記入します。
(3)顔写真
履歴書をデジタルファイルで作成し、メールに添付して送る場合などは、写真は必須ではない場合もありますが、応募先によって写真添付を求められる場合もあるので、準備をしておくと安心です。撮影時には清潔感のある身だしなみを心掛け、スマートフォンなどによる片手での自撮りは避け、真正面からカメラで撮影します。
(4)学歴・職歴
学歴は、一般的には高校卒業から記入します。留学経験がある場合には、大学の学部などに通ったもののみを記入し、短期語学留学の経歴などは資格欄に記載します。
職歴欄は、入退社の事実と年月日だけを記載しますが、基本的に正社員として勤務したものだけを記載します。派遣勤務の場合には、派遣先の社名ではなく、登録先の派遣会社名を記入します。
税理士の場合、税理士試験の勉強に専念した時期があるため、経歴にブランクのある人も少なくありません。そうした事情は、採用側の事業所も十分理解しているので、1〜2年のキャリアブランクがあっても、その後に科目合格などをしていれば、試験対策に専念していたものと推測してもらえます。
ただし、ブランクの期間が5年を超え、その間に1科目も合格していないといった場合は、ブランクの理由を簡単に書き添えてください。
(5)免許・資格
すでに税理士登録をしている場合は、登録年次だけではなく、どの科目にいつ合格したかを詳しく記入します。科目合格のみの場合は、合格している科目内容と合格年次を記入します。履歴書の提出時に合格発表を待っている科目や過去に落ちた科目についても、勉強したことが評価される場合がありますので、その場合は備考欄へ受験年次と科目名を記入します。
また、語学の資格や、地方の税理士事務所では必須となる運転免許なども、もれなく記入します。
(6)趣味・特技など
趣味欄に記入された内容で合否が決まることはほとんどありませんが、空欄のままにしておくと印象が悪いため、何かしら記入するようにします。ただし、税理士はクライアントの経理を預かる立場なので、競馬やパチンコといったギャンブル系の趣味の記入はNGです。
(7)本人希望記入欄
科目合格者の場合、本音としては勉強と業務の両立を希望したいと記入したくなるかもしれません。しかし、応募先がまずは業務をしっかりこなしてくれる人材を採用したいと考えている場合には、やはり良い印象を与えません。
転職エージェントなどを上手に活用すれば、あえて希望欄に記入しなくてもキャリアアドバイザーが先方にうまく伝えてくれたり、最初から勉強との両立を前提とした応募先を紹介してもらえたりします。将来、独立を希望している場合も同様で、わざわざ履歴書の希望欄に記入する必要はありません。
科目合格免除を受けている場合
税理士試験には「科目免除」の規定があり、大学院で「税法」または「会計学」に属する科目等の研究(おもに修士論文の執筆)を行った場合、税法科目の合格に必要な3科目のうち2科目を免除申請することができます。
この適用を受けた場合には、履歴書の学歴欄に大学院卒の学歴を記入し、免除を受けた科目については資格欄に特記事項として記入します。
また、国税専門官に対しては、勤続年数に応じて試験が免除される制度が設けられています。履歴書には何年にどこに配属されていたかを省略せずに記入し、担当した業務の詳細については職務経歴書に詳しく記入するなど、履歴書と職務経歴書の使い分けを心掛けてください。
履歴書の書き方のポイント
ここまで解説してきた履歴書の書き方のポイントをまとめると、以下のようになります。
履歴書は、人柄を表すものなので誤字脱字のないよう、丁寧に書く
税理士としての正確さや細かな心配りがチェックされるので、誤字・脱字はもってのほか
履歴書の書式は、B5(B4二つ折)かA4(A3二つ折)の用紙1枚にまとめるのが一般的
決められた項目(作成日、氏名・連絡先、学歴・職歴、免許・資格、本人希望記入欄など)に沿って書く
履歴書サンプルをダウンロード
マイナビ税理士では、転職を考えている税理士の方の履歴書を無料で添削しています。履歴書のサンプルとフォーマット(テンプレート)を下記のリンクからダウンロードして、前述した履歴書の見られ方や書き方を参照しながら、履歴書を作成してください。また、履歴書の書き方で不安や疑問がある場合も、お気軽にご相談ください。
※「マイナビ税理士」の履歴書のサンプルです。
税理士の人材市場の概況とトレンド
税理士業界では、現在、高齢化が進む一方で、税理士試験の受験者・合格者の減少傾向が顕著です。一方、税理士法人の数は増加しており、売り手市場が続いています。
さらに近年では、マイナンバーの導入や相続税法の改正など、大きな法令改正が相次ぎ、さらに2019年には消費税率が改定されて軽減税率も導入されるなど、企業の会計にまつわる仕事量全体が増加しており、それに伴って税理士の求人も増えています。
こうした市場の状況を受けて、BIG4法人では1~2科目の科目合格者を採用するケースが出てきたり、中堅税理士法人でも実務経験のある即戦力だけではなく、未経験や実務経験1~2年目の人材の獲得にも積極的に動いたりしています。
個人事務所や中小の税理士事務所の場合は、小規模ならではの小回りの良さを活かして働き方改革に積極的に取り組む事務所が増えています。そうした事務所では、試験勉強との両立や、ワークライフバランスがとれた働き方が可能なため、転職者の人気を集めています。
マイナビ税理士で転職に成功する履歴書づくりを!
優れた経験やスキルのある税理士でも、転職に際して履歴書や職務経歴書に不備があれば、面接までたどり着くことはできません。そのため、応募書類はとても重要です。マイナビ税理士では、税理士業界に精通したキャリアアドバイザーが、履歴書づくりで的確なアドバイスをいたします。希望される方には、履歴書の添削等のサポートもいたします。
また、独自の「推薦状」を、応募者が作成した履歴書や職務経歴書とともに応募先に提出しています。推薦状は、応募者と面談したキャリアアドバイザーの視点から作成し、履歴書や職務経歴書だけでは表しきれない長所や、ご自身では履歴書に書きづらいご要望などを記載します。そのほか、転勤の可能性がない案件を事前に絞り込んで転職先を紹介したり、キャリアアドバイザーがご希望の年収額などを採用先企業にお伝えしたりすることも可能です。
税理士のバックグラウンドは実に多様で、転職を希望する方の年齢やキャリアも千差万別です。また、求人企業の事業規模の幅も広く、地域性も豊かです。効率的でスムーズな転職を成功させるためにも、マイナビ税理士にぜひご相談ください。
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