大阪府の「宿泊税」、課税下限額を1万円から7千円に引き下げへ
2018/09/05
大阪府が2017年1月から導入している「宿泊税」のあり方を検討する外部有識者会議が行われ、課税下限額の引き下げが答申書に盛り込まれた。
現在、大阪府は「1人1泊、1万円以上で100円、1万5,000円以上で200円、2万円以上で300円」の宿泊税を徴収しており、新たに年間約10億円の税収を予定していたが、17年度は約7億5,000万円程度にとどまっている。
その原因と考えられているのが、民泊の増加やホテル建設ラッシュにより年間平均宿泊費が1泊5,600円程度に下がったことだ。
この課題に対応するために、外部有識者海外では宿泊税の下限額を1人1泊1万円以上から7,000円以上に引き下げることが適切と答申書をまとめた。
実際に下限額が引き下げられると、課税割合は16%から53%にアップし、税収額は年間で19億8,000万円程度まで拡大する見込み。
引き下げは早ければ9月議会に条例改正案を提出し、2019年10月に実施されるという。
編集部からの一言
宿泊税の課税下限額が引き下げられることで影響を受けるのは、宿泊税を負担する宿泊者だけでなく、ホテルや旅館側も同様だ。
昨年から宿泊税が導入されたことで価格ごとに異なる宿泊税を徴収しなければならないので「事務作業が増えた」と不満の声が挙がっているところに、さらに追い打ちをかけることになる。
ちなみに、宿泊税の導入、変更に関する会計システムの変更費用は宿泊業者もち。
宿泊税が関係者全員にとって良い税制になるには、まだ改善が必要だろう。
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