国の税収総額が7年ぶりに前年度を下回る
2017/07/12
「2016年度決算概要」によると、国の税収総額は55兆5千億円と7年ぶりに前年度を下回ったことがわかった。名目国内総生産(GDP)は1.1%増だったが、税収は1.5%減。税収全体の8割を占める「所得税」「消費税」「法人税」の全てが前年割れという結果だった。法人税は2年連続減少の10兆3千億円で、自動車など輸出企業の収益下振れのため、当初の税収見込みを1兆9千億円下回る結果になった。
法人税が伸びにくい要因としては、「企業の収益の柱が海外に移っていること」が指摘されている。財務省主税局は「商社などは進出先の国に納税しており、日本には法人税として入ってこない」と説明。また、企業には税制上の控除もあるため、たとえ企業の利益が上がったとしても税収が増えないと指摘する声もある。安倍政権は経済成長率の実現と財政再建を同時に進めようとしており、2017年度税収は2兆2千億円増の57兆7千億円を見込んでいる。
編集部からの一言
国とは反対に愛知県の税収が好調だ。2016年度の県税決算見込み額が明らかになり、その結果、法人事業税と法人県民税は4,006億円と、前年比10%増と2年ぶりに増加に転じる予定。その理由は、円安による企業業績の好調ぶりだ。トヨタグループのある愛知県は自動車産業の業績に左右されやすく、2016年度決算に収められた法人事業税のうち2~3割がトヨタグループなのだという。愛知のためにも、引き続きトヨタには頑張ってもらいたい。
合わせて読みたいオススメ記事