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国税庁が「移転価格税制」に関する相談窓口を設置
2017/06/14

国税庁は企業から「移転価格税制」の相談を受けやすくするため、7月に全国の国税局などに相談窓口を設置すると発表した。移転価格(Transfer Pricing: TP)とは、端的に言うと「企業グループ内の取引価格」のこと。移転価格税制は、企業が海外子会社などとの取引を利用して利益操作することを防ぐ制度で、国税当局は移転価格の適正性を判断し、問題がある場合は追徴課税するという仕組みだ。

ただ、仕組みがわかりにくいため、国税庁が企業から事前相談を受け、企業側は課税リスクを減らして海外事業を展開しやすくする狙いがある。窓口は東京や大阪など全国12カ所の国税局・事務所に設置され、相談は予約制。企業は取引の概要を記した書類を国税局に提出し、国税局は移転価格の適正性を判断し、回答する。新設する窓口は海外との協議は行わないため、数カ月程度で回答を出す予定で、実際に企業を訪問してのアドバイスも実施するという。

編集部からの一言

相談窓口の対象は海外子会社などとの取引が年間50億円以上ある企業で、国内で千社程度と見込まれている。移転価格税制については、過去に何度か税務当局と企業の主張が対立するケースがあった。ホンダはブラジルの現地子会社を巡って10年以上争い、武田薬品工業も約571億円の課税処分について大阪国税不服審判所と争った事例がある。窓口設置で事前に争いの根本となる疑いをカットし、企業が事業に専念できる環境になるか。

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