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デンソーに対する61億円の追徴課税 裁判で全額取り消しに
2017/02/01

愛知県の自動車部品大手デンソーは、「タックスヘイブン(租税回避地)対策税制」をシンガポールの子会社に適用したとして名古屋国税局から約61億円の追徴課税を求められたが、「適用は違法」として国に取り消しを求める訴訟を起こしていた。

訴状によると、デンソーの子会社「デンソー・インターナショナル・アジア」に対して、「アジア・オセアニア域内の孫会社株式を所有し、その配当を受けるのが事業」と判断し、同税制を適用。2009~2010年度分で法人税約138億円の申告漏れがあるとしていた。その裁判で名古屋地裁は1月26日に「シンガポールの子会社に同税制は認められない。主たる事業は株式保有ではなく、地域統括事業」として、デンソー側の主張を認め、追徴課税の全額取り消しを決定。タックスヘイブン対策税制では、法人税率の低い国にある子会社に事業実態がない場合は、親会社に所得を合算して、日本で課税できると定められている。

編集部からの一言

この判決に対して、名古屋国税局は「関係機関と協議して今後の対応を決めたい」としている。じつは、デンソーの同子会社を巡っては、2009年までの2年間で約12億円の追徴課税を求めた“別の裁判”が行われている。その裁判は、名古屋地裁では「全額取り消し」、上告後の高裁では「デンソーの逆転敗訴」、そして現在は最高裁で係争中だという。タックスヘイブンは、やはりグレー部分が多い印象で、改正が必要なのではないか。

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